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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ローゼル

2017年07月07日 | 草木:野菜

 実家の冷蔵庫には賞味期限切れの食い物、調味料などがたくさんあって、そのほとんどを処分した。賞味期限切れでは無い食い物も一つ捨てた。梅干し。
 実家の梅干しは蜂蜜入りのもので、私は好きでない。さらに、私の冷蔵庫には梅干しがたくさんある。私好みの梅干しだ。好みの梅干しがたくさんあるのに、わざわざ好みでない梅干しを食うほど私はすっとこどっこいでは無い。よって、捨てた。
 私の冷蔵庫の梅干しは、友人I女史手作りの梅干し、昔ながらの味がする梅干し、1個でご飯1杯食えそうなほど酸っぱい梅干し、酸っぱいだけでなく旨味もある梅干し、頂いたのは一ヶ月以上も前だが、まだ数個残っている。その他、女史からは紫蘇巻き梅干しも頂いている。また、5年熟成という貴重品もある。これは友人E子から頂いたものを、冷蔵庫の奥に入れたまま、ずっと忘れていたもの。蓋を開け、見て、匂いを嗅いでみたが、美味しそうな見た目と匂いなので置いてある。そのうち食うつもりだ。
 私の冷蔵庫にはほとんど常時梅干しがあるが、梅干しは世にあまたある食い物の中で、けして私好みの上位に来るものでは無い。梅干しは味が強すぎる。私はつつましい味の方が好みである。なので、梅干しをそのまま食うよりは、和え物の調味料として使うことが多い。野菜などと混ぜて味を薄めているわけだ。梅干しの香りは大好きだ。

 ローゼルを調べると、『沖縄園芸百科』に「八重山地方では梅干しの代用とした」とあった。梅干し好きな人が、ローゼルを齧って「おー、これは!」と閃くのは、すごく当然なことだと、さほど梅干し好きでは無い私でも、ローゼルを齧って、そう思った。
 
 ローゼル(roselle):果物・切花・繊維
 アオイ科の一年草 アフリカ原産 方言名:なし
 名前の由来は資料が無く不明。広辞苑にローゼルがあり、roselleとあった。英語のようだが、詳細は不明。学名はHibiscus sabdariffa L.なので、roselleとは無関係。
 学名がHibiscus sabdariffaということは、ハイビスカスと同属。確かに花の形はハイビスカス(いろんな種類があるが)に似ている。
 『沖縄園芸百科』にローゼルの詳しい記述があり、営利作物として期待されていたようである。同書は25年前の発行、25年経った現在、時々スーパーの店頭に並んでいるのを見るが、ローゼルが大きく広がっているということは聞かない。
 熟した萼片と苞が食用となる。私も食べてみたが酸っぱい。生食ではなくジャムやゼリー、または果実酒の材料として利用が多いとのこと。酸味を生かして梅干しの代用にもなるとのこと。葉にも酸味があり、サラダや煮物に使われるとのこと。
 花は活花の材料として利用され、茎からは繊維が採れるとのこと。
 
 いかにもハイビスカスの形の花

 記:島乃ガジ丸 2010.9.5 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行


ローズマリー

2017年07月07日 | 草木:野菜

 私は、一人暮らしを始めた高校二年生の頃から料理する機会が多くあり、概ね一人暮らしだった大学生の頃も自炊することが多かった。大学を卒業し、実家に暮らしていた12年間ほどは、母の手料理を食べることが多く、料理するのは月に数回程度だったが、今のアパートに越して一人暮らしに戻ってからはほぼ毎日、料理をしている。
 粗食小食を心掛けるようになってからは手の込んだ料理をする機会はだいぶ減ったが、それ以前(もう何年になるだろうか、10年くらいか)は手間のかかる料理も時々作っていた。今、台所にある調味料は塩、胡椒、醤油、黒砂糖、一味唐辛子だけだが、その頃はセージ、ローリエ、ローズマリーなどの香辛料も置いてあった。
 ローリエ(月桂樹の葉)はシチューや牛肉の赤ワイン煮などに良く使った。セージはソーセージ(のようなもの)やテリーヌ(のようなもの)を作る時に使った覚えがある。ところが、ローズマリーは、台所にその小瓶があったことは覚えているが、何に使ったかは記憶に無い。その頃、ローストビーフを作ったこともある。台所にそれ用のタコ糸も以前は常備品であった。そのローストビーフにローズマリーを使ったのかもしれない。

 それら市販の小瓶に入った香辛料よりも、畑で栽培したバジルの方を私は頻繁に利用した。生の葉をサラダやスープに使い、刻んでバジリコスパゲティーなどにした。ローズマリーも畑でできる。従姉の家の庭にあり、従姉は肉や魚料理に使ったとのこと。
 そのローズマリー、「まだある?」と従姉に訊くと、「あるはずよ」との答え。せっかく生があるんだったら使ってみようと思い、見に行った。正月に従姉の家に行った時、庭が荒れているのを見ている。もしかしたら無いかもと思いつつ、ローズマリーのあった場所へ。そこはやはり、雑草天国となっていて、ローズマリーは跡形も無かった。
 
 ローズマリー(rosemary):ハーブ
 シソ科の常緑低木 地中海沿岸原産 方言名:なし
 ローズマリー、rosemaryと書くが、これはおそらく英名。rosemaryはまた、おそらく学名の属名Rosmarinusに由来するものと思われる。広辞苑に別名として「マンネンロウ」とあった。和名と思われるが、万年老なのか、万年楼なのか詳細は不明。
 高さは1~2メートルほどになる。枝や葉、花に芳香があり香料として、葉は香辛料として、葉や花から採れる精油は特にローズマリー油と名があり、「シネオール・ボルネオールを含み、オー‐デ‐コロン・リキュールなどに用いる」(広辞苑)とのこと。
 品種によって違いはあるが、基本種の花は淡青色、開花期は11月から6月。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2011.1.10 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行


レモンングラス

2017年07月07日 | 草木:野菜

 若い頃、お兄さんと呼ばれることが多く、オジサンと呼ばれることがたまにあった程度の若い頃、当時雑誌に連載されていた古谷光敏の「レモンハート」という漫画に触発されて、ショットワンクラブなる無認可サークルを作った。それに賛同し参加したのは高校の同級生(女性に賛同者は無く男ばかり)の数名。一人じゃちょっと手の出ない値段の高い酒(ウィスキー、バーボン、ラム、ウォッカ、シェリーなどの主に洋酒)を金を出し合って購入し、集まって、それらをしみじみ味わうという主旨のサークル。
 ショットワンクラブの活動を記録したノートがまだ残っている。そのノートを見ると、「一人じゃちょっと手の出ない値段の高い酒」で最も高いのは当時1万円だったブランデーのヘネシーXO、二番手は6000円だったバーボンのメーカーズマーク。我々が言う高い酒とはこんなもんであった。可愛いもんだ。金持ちはいなかったのだ。

 ジンも飲んだ。ジンは安い。タンカレー3000円とビフィータ2400円の2種類を購入している。ジンは独特の香りがする。それは杜松(ねず)の実の香りらしいが、広辞苑のレモングラスの説明に「ジンなどに加える」とあった。私の主観だが、そういえば、レモングラスを揉んで匂いを嗅ぐとジンを思い出さないことも無い。ジンの水割りが好きなメンバーがいて、私はジントニックが好きであった。
 
 レモンングラス(lemon grass):ハーブ
 イネ科の多年草 熱帯アジア原産 方言名:なし
 名前の由来について、資料は無いが想像するに易しい。レモンングラスは英語で、全体にレモン(lemon)の香りがする草(grass)だからということであろう。
 葉の長さは50センチほどで、ススキのように株立ちする。花茎は高さ150センチほど、穂は稲のように頭を垂れるので、真っ直ぐ伸ばせば180センチほどあるかもしれない。開花期は夏と文献にあったが、私の畑では12月からで、今も着いている。
 熱帯植物なので寒さには弱いらしいが、沖縄ではほとんど問題無し、一年中葉を茂らせている。乾燥にも風にも負けない強さを持っている。
 柔らかい茎は刻んでサラダにでき、葉は生でも乾燥させても、刻んで煎じてハーブティーとして利用する。香料原料の精油が採れ、香水や石鹸の材になる。
 
 穂

 記:島乃ガジ丸 2013.4.8 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行


レタス

2017年07月07日 | 草木:野菜

 去年(2013年)10月下旬に脱サラ農夫の友人Kから、彼の作ったレタスの苗を200株ほど頂いた。一部生育の悪いのもあって植付けできたのは約180株、その内、食える大きさにまで育ったのは約150株、その内、売れたのは40株少し、何かのお礼にと知人友人などに分けたのが30株少し、残りはほぼ全て自家消費となった。
 レタスが収穫できるようになったのは12月の中頃、以来、1月の終わりまで私の食卓はレタスだらけとなった。生で食い、酢漬けにして食い、炒めて食い、煮て食った。70個余のレタスを一ヶ月半で、一人で食ったことになる。ただし・・・、
 市販の上等(虫食いの無いきれいな)なレタスを70個余と想像すると、そうとうの量であるが、私のレタスは元々小さい。肥料をあげていないせいである。その上、私のレタスは収穫したあとにさらに、ずっと小さくなる。何故?・・・、
  
 私のレタス、そのほぼ全てに、葉の根元に黒っぽい小さな虫がついていた。虫の名前はタイワンヒゲナガアブラムシ。表の葉を2、3枚剥いても奴はいた。5、6枚でもダメ、10数枚剥いてやっと1、2匹いるかどうかとなる。さらに、奴が齧ったせいか知らないが、レタスの葉の一部が腐ったようになっていた。虫食いだけなら虫を除いて食うこともできたのだが、腐った部分は食えない。腐った部分だけを取り除くのは面倒なので、えーいっ!と10数枚の葉を剥いたわけである。ということで、レタスは小さくなった。
 
 レタス(lettuce):葉野菜
 キク科の一年生または二年生葉菜 原産地不明 方言名:不詳
 名前の由来、lettuceは英語のようだが、元は何か?どこから来たのかは不明。
 和名はチシャ(萵苣)で、結球性のものをタマチシャ(玉萵苣)、非結球性のものをハチシャ(葉萵苣)とよぶ。ハチシャは古くから栽培されていたが、現在はタマチシャが主流となっている。それについては『沖縄園芸大百科』に「玉チシャが一般化したのは、駐留軍向けの清浄野菜に指定されるようになった1952年頃から」とあった。
 品種によって夏播き、秋播き、冬播きの作型があり、冷涼な気候に適しているので、沖縄では概ね秋からの栽培となる。秋播きは8~10月に播き、11~1月に収穫される。私は近所の先輩農家K爺様に「種播きは9月がいいよ」とアドバイスを頂いている。高温で日照時間が長くなると生育が抑制され、花芽分化が促進されるとのこと。
 病害虫は比較的少ないと『沖縄園芸大百科』にもあるが、カタツムリ、アブラムシなどの食害があり、軟腐病の被害がもっとも多いとのこと。軟腐病はキスジノミハムシやカタツムリの加害した傷口から病原菌が発生する場合が多いようだ。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2014.5.1 →沖縄の草木目次
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行


リョウリバナナ

2017年07月07日 | 草木:野菜

 300坪の畑なっぴばるを借りた時、既にそこにはいくつかの作物が植えられていた。前に借りていた友人の脱サラ農夫Kが植えたものだ。ニラ、ニンニク、甘藷、ニガナ、ウコン、バンシルー、アセロラ、パパイア、バナナなどがあった。
 Kが植えたバナナは彼によると「島バナナ」とのこと。果実は小さいが味が良く、人気のバナナで高い値段で売れるもの。貧乏の私にとっては換金作物のエースだ。ところが今年は長く続いた干ばつで実着きが悪かった。今のところ1房しかない。
 なっぴばるの東隣の畑はなっぴばるとの境界近くにたくさんの、ざっと数えて40~50株のバナナが植えられている。植えられてはいるが収穫はされていない。持ち主が年取って畑仕事ができなくなって放っておかれているとのこと。
 隣のバナナはKによると「リョウリバナナ」とのこと。「料理ってことか?火を通して食うってことか?」と訊くと、「そう、東南アジアでは主食になっているらしい。青いうちに収穫して焼いたり揚げたりするようだ。イモのような味がする」とのこと。
 隣のバナナはいくつも、見える範囲でも今6房の実を着けている。その内3房はなっぴばるの敷地内に実を垂れ下げている。なっぴばるの敷地内に垂れ下がっていたものは他にも2房あり、それらは8月末~9月に倒れ、既に私が収穫している。
     

 敷地内に落ちた果実はその敷地のものという法律が確かあったはず。よって、私は堂々と収穫したわけ。そして、さっそく料理してみた。Kの言う通りイモのような味、イモより水分が少々多めできめが細かいかもしれない。味は淡白、甘みも少ない。
 私は皮ごとオーブンで焼いて、蒸し器で蒸しての2通りの調理で食べたが、蒸した方が食べやすいと感じられた。次はソテーしてみようと思った。
     
     
 ソテーしようと思って2週間が過ぎて、「あっ!バナナ」と思い出して、バナナを入れてあった袋を開くと、リョウリバナナは黄色くなっていた。そういえばKが「熟したら普通のバナナと同じく甘くなるよ」と言っていたのを思い出して、で、食べてみた。普通のより甘みは少なく酸味が少々強かったが、確かに果物と言ってよい味であった。 
 文献に「甘みは少なくでんぷん質、ヤニ臭や渋みをもち生食できない」とあったが、それは未熟のものの場合で、完熟したものは普通に果実としていただける。

 
 リョウリバナナ(料理甘蕉):果菜
 バショウ科の多年草 東南アジア原産 方言名:バサナイ
 名前の由来、資料はないがおよそで分かる。生食では無く料理して(火を通して)食べることからリョウリ(料理)であろう。甘蕉はバナナの漢字表記。
 別名にサンカクバナナとあるが、おそらく「果実は角ばり」からサンカク(三角)だと思われる。最初に見たリョウリバナナは三角では無く四角。文献の写真にタヒチ島のリョウリバナナがあり、それは「四角に角ばる」とあった。リョウリバナナにも品種があるようで、私の畑の隣の敷地にあるリョウリバナナには三角のも四角のもある。
 茎は太く大型で、花序は60~150センチ。隣の畑のもの、いくつか実を着けているが、花序の長さはだいたい90センチ内外。6~12段着いている。
 煮たり焼いたり天ぷらなどにして食す。干しバナナにもされる。皮は、手では剥きにくいのでナイフで剥く。青いものを皮を剥いて、すりおろして、それを丸めて油で揚げるという料理もある。熟すと黄色くなり、皮も手で簡単に剥ける。ただし、それは隣の畑のリョウリバナナに関して言えるもので、他の品種のリョウリバナナについては不明。
 ちなみに学名はMusa paradisiasa L.
 訂正追記:2016.11.10
 
 大きさ:立っている人は先輩農夫のNさん。身長155ほど。

 記:島乃ガジ丸 2013.10.5 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行