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ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

高い壁の道州制

2017年05月05日 | 通信-政治・経済

 何年か前、確か、維新の会の提起だったと覚えているが「道州制の導入」というのが話題になっていた。維新の会の考え方や当時の代表の政治姿勢などについて、私は好みではなかったが、「道州制の導入」については諸手諸足を上げて賛成だった。
 道州制がいかなるものかについては、アメリカの州制度のようなものであろうと勝手に想像していた。勝手に想像して諸手諸足を上げていたわけである。後期オジサンという年齢なのにそんなことではいけないと思い、今回少し調べてみた。
 『現代用語の基礎知識』の中、地方自治という大きな括りの中に記載があった。それを読むと、道州制についてはだいぶ前から議論されており、具体的には、
 「2006年2月の「道州制のあり方に関する答申」において全国を9、11、13の道州に分割する三つの区割り案を示している。」とある。ここまで読んで「あーそういえばそうだ、道州制の話はもっと前からあったような気がする。」と思い直す。1週間が2日で過ぎてしまうように感じている後期オジサンは、だいぶ前のことでも数年前と勘違いしてしまう。先日、友人の孫娘に久々に会って、「もう5年生だよ」と聞いて驚いたばかりだ。「オメェ、ついこのあいだ産まれたばかりじゃなかったっけ!」なんて。

 先週土曜日(4月29日)、地道に平和運動を続けている宜野湾市民フォーラム木曜会が主催する「今、何をなすべきか」第三回市民シンポジウムの講演会及び討論会があり、辺野古新基地建設反対の立場である私は、第一回、第二回に続き今回も参加した。
 今回第三回の主題は「住民保護条例の課題と展望」で、県が定める条例によって日米地位協定の理不尽な不平等を打ち破ることが出来るかどうかについて。
 憲法学者である講師の小林武氏によればその可能性はあるらしいが、その主題を聞いた時すぐに私は道州制を連想した。沖縄が州であれば、その州がアメリカのような独立性の高い州であれば、不平等を打ち破る可能性はもっと大きかろうと思った。
 そう思ったのは私だけではなくて、その日のシンポジウムの質疑応答の中で、参加者の1人から「沖縄が単独州であれば・・・」との質問が出された。そう質問した参加者は私のすぐ前に座っていた70代男性で、休憩時間に彼に「何年か前に話題になった道州制は今どうなっていますか?」訊いた。「残念ながら立ち消えになっている」とのこと。それを聞いて私も残念。それでも、水面下では進んでいるかもと希望は持ち続けたい。
     

 そんなことがあって、道州制を調べてみようと思ったわけだが、
 『現代用語の基礎知識』にはさらに、道州制についての問題点も書かれてある。「国と道州、市町村の権限や財源をめぐる問題、各道州間の財政力格差の調整、さらに権限を手放すことを迫られる中央省庁の抵抗などが予想される」とのこと。
 道州制になって、沖縄州になったなら辺野古新基地もどうにかなるのではないかと私は思ったのだが、それは簡単なことではないようだ。「権限や財源をめぐる問題、各道州間の財政力格差の調整」などについては、中央集権思考の荒れ心臓総理の下ではがんじがらめの道州になりそうだが、アメリカがなんとか上手くやっているし、学者と志のある政治家が集まって知恵を出せば、独立性の高い道州制も可能だと思う。しかしながら、「中央省庁の抵抗」は、これが最も大きな壁だと思われる。権力を手放さないだろうな。
     

 記:2017.5.5 島乃ガジ丸


慮らない政治

2016年07月15日 | 通信-政治・経済

 参院選、新基地建設反対側の候補者を応援し、応援活動を朝早くから毎日やっていた従姉の夫T氏の努力が報われたか、彼の応援する候補者が当選した。めでたしめでたし。であるが私は、喜びも半分でしかなかった。その理由、1つは投票率、前回より増えたとはいえ50%を少し超える程度、私はせめて70%と望んでいた。もう1つは相手方との票差、そしてもう1つ、沖縄は良かったのだが、全国の結果を残念に思った。
 民主主義が正しく機能した上での選挙結果なので、残念ではあるが、しょうがないという気分でもある。ただ、国民がそう選んだのだ、この先の政治に対する責任は主権者の国民にある。国策で酷い目にあった福島の選挙結果を考えて欲しい。将来「憲法9条を失くしたのは失敗だった」ということになるかもしれぬ。後悔しても後の祭り。

 参議院選挙の前日、T氏の義姉Kさんから電話があり、あれこれ話をした後、
 「あなたは応援活動しないの?」
 「私は畑仕事しながら勝つように祈っています。」
 「祈るだけなの?」
 「ただ勝つというだけでなく、大差で勝つことを祈っています。」
 「私は、開票と同時に当確になることを祈っているわ。」
 などという会話になったが、Kさんの期待以上に、開票の1時間前には早々と応援している候補の当確が発表された。しかしながら、翌日結果を聞くと、私の期待していた大差ではなかった。10万票余の差があったようだが、私の期待は少なくともダブルスコア、できればトリプルスコアであった。若者が政治に関心を持って投票し、投票率が70%くらいあって、60万票対20万票くらいの差をつけて勝って欲しかった。
 「圧倒的勝利なら、政府も少しは考えるかもしれませんよ。」と言い電話を切った。
     

 慮るという言葉がある。劣等生ではあったが日本文学部出身の私は、その言葉は知っていて、その意味も理解もしているつもりで、たびたび使ってもいる。念のため広辞苑、
 「よくよく考える。考えはかる。思いめぐらす。」のこと。私の理解通りだ。ただ、発音に知らないことがあった。私は「オモンBAカル」と認識していたが、それでも間違いではないようだが、元は「オモンPAカル」らしい。勉強になった。

 参院選の翌日月曜日(11日)、高江のヘリパッド建設予定地に工事車両が搬入されたというニュースをラジオから聞いた。これまでのいくつかの選挙結果から沖縄県民が基地を嫌がっているということを政府はちっとも慮らないようだ、トリプルスコアくらいで圧勝しないと政府は沖縄県の選挙結果などちっとも気にしないようだ。
 政府の言いようがまた、私を笑わせてくれた。「ヘリパッドを新設することで、北部訓練場の大きな面積が返還される」とのこと。それが沖縄県民のためになるとホントに思っているのかどうか、あるいは、ウチナーンチュはバカだとバカにしているのか。
 沖縄県民の要求しているのは、基地返還であるが、それは1つの形であって、その心を慮れば「基地の無い安心安全な生活の希求」である。「基地の面積を小さくするけど基地機能は強力になる」ということであれば、それは全く、沖縄の心から離れている。
     

 記:2016.7.15 島乃ガジ丸


バカなアイコー

2016年06月10日 | 通信-政治・経済

 私の畑ナッピバルにはたくさんの種類の動物が生きている。「そんないっぱい知ってるんだ、すごいなぁ」と思われたいので、私の知識をひけらかすと、
 チョウの類、アオスジアゲハ、シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ、ナミアゲハ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ウスキシロチョウ、ツマベニチョウ、オオゴマダラ、カバマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ツマグロヒョウモン、アカタテハ、アオタテハモドキ、ルリタテハ、タテハモドキ、リュウキュウミスジ、イシガケチョウ、バナナセセリ、クロボシセセリ、オオシロモンセセリ、リュウキュウヒメジャノメ、ウスイロコノマチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミなどの名前が私の脳味噌から出てくる。
 ガの類、・・・は止めよう。甲虫の類、セミの類、カメムシの類、トンボの類、バッタの類なども止めておこう。それらの名前を書いているだけで頁が埋まってしまう。

 アイコーとはアリの沖縄語。正式にはアイと言い、アイコーはその幼児語。幼児語だけど普段耳にするのは老若男女問わずアイコーと言うのをよく聞く。私の畑にアイコーの類は、私の知識をひけらかすと3種いる。「たった3種かい!」と突っ込まれそうだが、元々アリと名が付く昆虫は少ない。アリはハチの類に含まれる。ハチの類となると、キアシナガバチ、ミツバチ、クマバチ・・・止めておこう。私の知識では18種ほどだ。
 アリと名が付く私が知っている3種とは、アシナガキアリ、イエヒメアリ、クロヒメアリの3種、この内、イエヒメアリはサシアイと特に名付けられてウチナーンチュから嫌われている。アシナガキアリの体長は3ミリ内外、クロヒメアリの体長は2ミリ内外、イエヒメアリは小さい、文献にその体長の記載はないが、私の見た目で体長1ミリほど。この小さい奴が、靴下にシャツに入り込み、人の皮膚を咬む、これが非常に痒い。
 「人の皮膚なんて美味くも無かろう、美味いものは他にいくらでもあるじゃないか、なんでわざわざ人の嫌われ者になるんだ?バカなアイコーだ」と思ってしまう。
          

 今週日曜日、沖縄県議会選挙の投開票があった。開票速報を出すラジオの特番は夜9時過ぎからということなので、早寝農夫の私は聞けない。朝のラジオのニュースで、県政与党側が数を増やし過半数を維持したと知る。県政与党側は辺野古新基地建設反対派側だ。その側にいる私も「良かった」という気分になる。それはまあそれでいいのだが、ただ、投票率が前回より微増したとはいえ、50%をちょい超える程度であったことを私はとても残念に思う。もっと多く、特に若い人たちが政治に関心を持って欲しいと願う。
 選挙結果に対する各党各人のコメントもラジオから流れた。「それでも辺野古移設が唯一の解決策」と官房長官は相変わらずであったが、もう1つ、「元米兵の軍属による死体遺棄事件という逆風の中、自民党はよく頑張った」とコメントしたのは沖縄選出の参議院議員。事件が自民党に逆風ということは、二十歳の女性の死は県政与党にとっては順風なの?女性の死は選挙の有利不利の材料なの?と私は憤慨する。事件は沖縄県民全てにとって生きる上で逆風となるものである。党派を超えて相対すべきものだと私は思う。
 しかし、「自民党に逆風」発言は自民党幹事長のコメントにもあった。「人の命より選挙が大事」は政治家の普通の感性のようだ。なお、本題とは関係の無い長い前書きは、参議院選挙が近いので当該議員のヘイトスピーチにならぬよう心を配ったため。
          

 記:2016.6.10 島乃ガジ丸


ハゴー陸戦条約

2016年04月22日 | 通信-政治・経済

 1ヶ月前の3月22日、参議員候補者の伊波洋一さんを囲んでの懇親会へ参加した。懇親会は候補者とその奥方の他、彼を応援する有志たちが10名余りいて、候補者を交えて2時間ほど、候補者が所用で席を立ってからも残りのメンバーでさらに1時間ほどの会合となった。メンバーの全員が私より年配で経験豊富な人達。候補者以上に政治を経験してきた人や、候補者以上に平和運動を経験している人、候補者以上に選挙の裏方を経験してきた人達もいて、彼らの話は、私にとって興味深いことがいろいろあった。

 候補者以上に平和運動を経験している内の1人にUさん夫婦がいる。2人で普天間基地のゲート前座り込みに参加し、辺野古のテント村にもしばしば応援に行き、キャンプシュワブ前の座り込みにもたびたび参加しているとのこと。
 「内地(倭国)から来ている機動隊は酷いのよ、鉄板の入った靴で、見えない所で私達を蹴っ飛ばすのよ。情け容赦ないって感じだよ。そんな彼らがさ、泊っているホテルってカヌチャリゾートなんだよ、まったく腹立つ!」と奥方が仰る。カヌチャリゾートって高級ホテルだ、高級ホテルに泊まって、ウチナーンチュを虫けら扱いしているようだ。「これが俺の仕事」かもしれないが、ロボットじゃないんだからと私は思う。
          
 
 候補者以上に政治を経験してきた人はMさんといい、政治家ではなく、政治場面に関わる仕事、又は、そんな立場にいたようで、いろいろ興味深いことを語ってくれた。
 「与那国に自衛隊基地ができる、自衛隊員が200名常駐する、200名は有権者だ、与那国のような小さな町で200名は大きな数字、与那国の政治は自衛隊の意向に大きく影響され、町長でさえ自衛隊の押す者でなければ当選できないことになる。」
 そんな危険性は与那国だけでなく、他の小さな島にも及ぶ。その通り、「自衛隊は他の島にも基地を造ろうと計画している」とMさんは語る。何故?という疑問に、
 「アメリカは中国と戦争してはいけないと思っている。もし、アメリカが中国と争わなければならない場合は、沖縄を戦場に日本を代理にして行うはず。それを察知し、自衛隊は基地造りをし、オスプレイやその他の武器購入に走っている。」とのこと。

 政府の仰る「普天間の危険性除去は辺野古移転が唯一の方法」について、「いろんな方法を考え、移転先をあちらこちら候補にあげ、地元に打診し、その結果はどのようなものであったかを提示し、これだけ努力したが、結果として辺野古となった。」など、せめて他の候補地の検討結果も明示してくれたらいいが、「普天間の危険性除去は辺野古移転が唯一の方法」一辺倒では、優しいウチナーンチュも合点できないのである。
 Mさんの言うように「戦場は沖縄だけにし、戦火を倭国まで広げない」といことであれば、もしも私が日本国の官僚であるならばそれは正しい選択だと私の理性は判断する。というわけで「何故、何が何でも辺野古新基地なの?」という私の疑問は解けた。
 疑問は解けても合点はしない。1899年にできたハーグ陸戦条約は戦争のやり方を取り決めたもので、支配者達による「兵隊は虫けら条約」といった内容である。「戦場は沖縄だけにする」という条約は「ハゴー陸戦条約」と呼ぼう。ハゴーは沖縄語で「汚い」という意。ウチナーンチュを「死んでもいい奴ら」と虫けら扱いしているのだ。
          

 記:2016.4.22 島乃ガジ丸


急ぐ理由

2015年12月04日 | 通信-政治・経済

 一昨日、国と沖縄県の裁判が始まったと畑から帰る車中、ラジオのニュースで聞いた。国と県の意見陳述があったようである。そのニュースを詳しく聞こうと道中を急いだ。家に着いて5時のニュース、6時のニュースを聞き、官房長官のコメントも聞いた。

 翁長知事の意見陳述はさておき、国は、ラジオから流れる言葉を老化した私の脳が記憶している限りのことなので、表現が正確ではないかもしれないが、国の言い分は、「移設が実現しなければ普天間の危険性が残る」、「計画変更は日米の信頼関係を損なう」ということであった。「だから辺野古新基地建設は中止できない」ようである。
 「辺野古では無く別の場所に移設しても普天間の危険性は除去できる」と私は思う。また、アメリカのアジア戦略で、沖縄に嘉手納という大きな基地があり、別の場所にもう一つ強力巨大な基地があれば、沖縄に集中するよりアメリカにとって得策であろうと思う。よって、計画変更してもアメリカは困らないし、日米の信頼関係も損なわない。
 国は「既に巨額の工事費を使っている。中止するとその金が無駄になる」といったようなことも言っていた。「さらなる無駄を出さないためにも今すぐ、いったん工事を止めたらいかが?」と私は思う。が、国は工事を中断する気は毛頭無いようだ。何故そんなに急ぐ?戦後70年も沖縄に基地を押し付けておいて、今更「少しでも早く」は無かろう。そんな国の強引さと「何故急ぐ」を考えて、その答えを私は妄想した。

 アメリカには情報公開法という法律がある。日本にも似たような法律があるが、日本のそれは、国の横暴を暴くにはほとんど役に立たない法律らしいことを聞いている。それに比べアメリカの情報公開法はなかなか役立っているらしい。時が経てば(いつになるやら不明だが)、その法律によって普天間基地返還交渉の経緯も公開されるだろう。
 「新基地建設場所について、アメリカは別に沖縄に拘ってはいない。日本国が建設費用を負担し、日本国内であれば概ねどこでも良い。」とアメリカが言う。
 「いや、本土はまずい、外国の強力強大な基地が本土に設置されることを嫌がる者が大勢いる。新基地建設場所は何が何でも沖縄にしよう。」と日本が応えた。なんてことがあり、それを公開されると国は困る。公開の時期が来る前に基地は完成させたい。よって、国は辺野古新基地建設を強引に推し進め、急いでいる。・・・と妄想した。
          

 官房長官の裁判に対するコメントがまたすっとぼけていた。「日本は法治国家である。いったん県知事が認可したのものを撤回することは遺憾」みたいなことを言っていた。日本は法治国家である、いったんある判断が成されても、それが間違っていると思えば、二審三審があり、さらに再審請求もできる。死刑囚が無罪になることもある。
 官房長官はさらに、「1ヶ月間の集中協議において、普天間の危険性除去について翁長知事から明快な回答はなかった」みたいなことも言っていた。普天間基地は危険である。早急に撤去してくれと沖縄は言っている。沖縄には既に多くの基地があるので、代わりの基地は沖縄には要らないと言っている。それが明快では無いと言うのだろうか?
 官房長官こそ、「普天間基地の代替施設が何故辺野古でなければならないか?沖縄以外の場所では何故ダメなのか?」について、未だに明快な回答を出していない。
          

 記:2015.12.4 島乃ガジ丸