福祉亭日記

日々の出来事を更新していきます.

叫び

2013-11-06 05:44:06 | 日記
ムンクの叫び。
あの女の子が、何に向かって耳をふさぎ、声をあげていたか・・
それを深く考えることもなく60歳も半ば。

ラウンジで、何年も同じことを語り続けるかたと、お付き合いをしている。
合図地もつい、てきとう・・になってしまいがち。
2週間前、ちょっとしたいざこざがあった。
あわや、お一人は、そのまま家に帰ってしまわれそう。
なんとか、なだめ、矛を収めて頂く。
それが、やっぱり小さな傷となって、双方に。
ひしひしと、それを感じながら、気付かないふり。
なんとか、収まるところまでに・・・と。

表面は、なんとか、なだらか。
でも、やっぱり傷は残る。
お一人が途中で、あたりさわりのない理由があるかのように言って、お帰りになる。
取り残されたメンメン。
すると、やっぱり、小学校2年の時、おかあさんを亡くしたかたが、同じハナシを始める。
でも、いつものようで、いつもとはちがう。
小学生のご自分が、それから、どれだけのさびしい思いをしたか、でも、どれだけ健気にふるまってきたか・・と。
身体の中から、ほとばしるように語る。
大きな声で。
明るくふるまっていると、周囲がほめてくれる、よってきてくれた・・・と。

その切々とした話は、やっぱり、胸をつかれる。
いつもの話なのに。
うん、うん、もう、わかった・・
もう、いい・・と、隣で背中をなでて、さしあげる。
わかったつもりで聞いていたお母さんが亡くなったハナシ。
でも、聞き方が十分では、なかった。
お気持ちの汲み方が、まだ、まだ。

ムンクのあの子は、きっと、それに似た悲しみと闘っているんです。
ムンクに似た子が、ワタシの横に座っていたのです。
80年の時間が経過しても、忘れ去ることのできない悲しみを語っているのです。


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