このところに来て、黒目川沿いに植えられているキバナコスモスの花が咲き揃って来た。
1週間前は、まだまばらにしか咲いていなかったキバナコスモスの花。
炎暑延々
昨日の朝日新聞朝刊一面のトップ記事の見出しである。
この日は『暑処』。
暑さが和らぐとされる日に、奇しくも『炎暑延々』という文字が一面トップを飾る、今年の夏の暑さの異常さを表わして余りある。
そして、この記事の通り、この日は、群馬県館林市で全国最高の38.5度、県内でも熊谷市、さいたま市でそれぞれ37・2度を観測し、炎暑であったことを裏付けたのである。
予報では、これからも当分の間、厳しい残暑が続くと報じているが、これでもかとばかり猛暑が続く毎日、さわやかな秋の訪れを待ち望んでいるのは、小生だけではあるまい。
実は、このところ朝夕の愛犬の散歩中に、幾つか季節の変化の兆しらしきものに気が付いた。
その第一は、日の出、日の入りの時間の変化である。
愛犬との散歩の時間は、朝は5時、夕方は6時であるが、ちょっと前までは、5時と言えば、辺りはすっかり明るくなっていたが、今では、その明るさが、ようやく明けなんとする明るさに変わって来ている。
夕方も、6時と言えば、ちょっと前までは、直射日光がまだ、まだ強かったが、今や、この時間は、はや暮れなずまんとするたたずまいである。
第二に、散歩道の様子にも変化が見て取れる。
早朝、ちょっと前までは、余り聴けなかった虫の声が、道の両側、畑の中から降るように聴こえて来る。
また、道端の花にも変化の様相が。
7月上旬にボランティア団体の手で植えられた、黒目川沿の畑のキバナコスモスの花、1週間ほど前は、まだちらほらしか咲いていなかったが、昨日、今日は満開とまではいかないものの、かなり咲き揃ってきた。来月になれば、見頃となるだろう。
しかし、何によりも大きな変化は、吹く風の様子である。
ちょっと、前までは早朝5時と言えども、湿った、生温かい風が吹いていたが、今は、依然として、夜、熱帯夜が続いているものの、吹く風は、さわやかで、心地よいものに明らかに違ってきている。
秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ おどろかれぬる
(藤原敏行 古今和歌集、秋歌上、169)
(「秋が来たと目で見てもはっきりとは分からないけれども、風の音で(秋が来たことに)気付いた」という意味)
と言う、古(いにしえ)の歌人が詠んだ歌もきっとこんな情景を歌ったのだろうなと思った次第である。
『異常な暑い夏』ということで、記録にも記憶にも残るかも知れない今年の夏、これからも日中は猛暑が続くかも知れないが、さすがにその暑さも、ようやく峠を越そうとしている、そう思えるような朝夕の情景である。