折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真が主役VOL27 「こわごわ、そろそろ」~お盆の風景

2009-08-17 | 写真が主役シリーズ

提灯の火が消えないようにとこわごわ、そろそろと慎重に歩く子どもたち


8月13日、お盆の初日に例年小生の兄弟たちとその家族が実家に集まる。

小生も夏休みで帰省中の息子一家を伴って昼ごろに合流。
今年は6家族18人が集まって大盛況である。

賑やかで、楽しい団欒の一時であり、家族の絆を実感する一時である。

今年93歳になった母は

「今年は蒸し暑くて、体にこたえるよ」

と言いつつも、元気そうである。

そして、4人のひ孫に囲まれて、目を細めて終始ご機嫌である。


夕方、全員で菩提寺のお墓に参り、先祖の霊を迎える。

「提灯の中にご先祖さまの霊が入っているから、ロウソクの火を消さないでね」


われわれが子供の頃から言われて来た言葉が、今も受け継がれてきていて、提灯のロウソクに火をつけてもらった子どもたちは、火が消えないようにと1歩1歩こわごわ、そろそろと慎重に歩いている。


  
墓石に線香を手向ける母                一同揃って菩提寺に向かう

そんなお盆の墓参りの様子を撮った写真が今回の主役である。

チャイコフスキーの「甘美な調べ」と三枝成彰さんの「名トーク」に酔う

2009-08-14 | 音楽
2か月ほど前のこと。

新聞を見ていて、あるコンサートの広告が目についた。

「はじめてのクラシック」~中学生・高校生のために~

会場:東京国際フォーラムホールA
曲目:チャイコフスキー
   ヴァイオリン協奏曲ニ長調
   ピアノ協奏曲第1番変ロ短調
   交響曲第4番へ短調

ご案内役:三枝成彰「チャイコフスキーってどんな人?」

指揮:小林研一郎
ヴァイオリン:瀬崎明日香 ピアノ:金子三勇士
管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

この「ノドから手が出る」ほど欲しいコンサートのチケットが何と1,000円とのこと。

これぞ、これからクラシックに親しもうとしている小・中学校時代の幼なじみのKくんを誘うにもってこいのコンサートだと意気込んで即チケットを予約した。


            
            コンサートのパンフレット。
            実に18ページにわたり懇切丁寧な解説が書かれていて、クラシック音楽入門
            用として大変参考になる立派なパンフレット。


先日、Kくんと二人でそのコンサートに行って来た。

チャイコフスキーの甘美な調べと案内役の三枝成彰さんの「ツボ」を押さえたわかりやすい解説と相まって、極上の午後のひと時を過ごすことができた。

以下はコンサートが終わった後の二人の会話である。

「今日は千円でチャイコフスキーの音楽を堪能させてもらってありがとう」
「<安かろう、悪かろう>でなく、充実したコンサートだった」
「クラシックにど素人の自分には、<安く>て、しかもポピュラーな曲で<わかりやすく>て、と願ったり、叶ったりのコンサートだった」

「山も音楽も、登って見て、生の演奏を聴いて見て、初めて素晴らしさが実感できる」
「そうだね、今はキミにもらったCDを聴くのが楽しみの一つなんだが、やはり生演奏は格別だね」

「いつも、キミに山や草花の解説をしてもらって、山歩きを楽しんでいるけど、今回のコンサートでは三枝さんの<ツボ>を得た解説がとても参考になった」

「前回一緒に行った久石 譲さんのコンサートでも、久石さん自身が解説役を務めていたけど、音楽だけでなく、その解説までもしてもらえるのは、初心者にとってはありがたい。特に今回は、三枝さん自身が指揮をして、オーケストラの各パーツの音と役割を実際にやって見せてくれたのには、感激した。そして、指揮者の役割とその大変さ、すごさがちょっとだけわかった。」

「クラシックファンを増やすと言う意味では、こう言う試みは大歓迎だね」

「<クラシック>って<古典>とばかり思い込んでいたけど、<一番すぐれた>と言う意味だとは、三枝さんの話で初めて知った」

「三枝さんの西洋の人は、精神性、メッセージ性即ち<理性>を芸術の分野の最上位に位置づけているのに対し、スラブやアジアではそのような制約は見られない、と言う民族や宗教の違いが音楽に及ぼす影響について言及した<音楽文化論>も面白かった」

「西洋人にとっては、<快楽の極み>のようなチャイコフスキーの音楽は低俗な音楽として評価しない。ヨーロッパの指揮者の中には、チャイコフスキーを一度も演奏したことがないことを誇りにしている人がいると言う話にはびっくりした」

「三枝さんは、<快楽は悪>というキリスト教的考え方が背景にあると説明していたが、花や月、そして季節の移ろいなど情緒的な面をことさら好む、われわれ日本人にとっては、<快楽は悪>と言う考え方には、ちょっと理解しがたいところがある」

「音楽は色々あっていいし、色々な楽しみ方があっていいと三枝さんも言っていたけど、本当にそう思う」



幼なじみのKくんは、どちらかと言えば「アウトドア派」で、「山歩き」は彼の得意分野。

一方、インドア派の小生の得意分野は「読書」や「音楽」など。

そんなお互いの得意分野を共有し合えれば、これからの人生もより豊かなものになっていけるかもしれないと予て二人で話していた。

そして、その話が実現したのが前回5月の「久石 譲 Classics vol.1」コンサート。

今回は2回目で、今年中にもう一度行こうと約束を交わして、この日は散会となった。

愛犬「パール」の体内時計

2009-08-11 | 日常生活
「クン、クン」
階下で愛犬パールが鼻を鳴らす声。

「朝の散歩の時間ですよ」
との催促の一声である。

はっとして、目覚まし時計を見ると午前5時15分。

「しまった、15分寝坊だ!」

いつもは5時少し前に目を覚まし、さあ、散歩に行こうかと起き上がって眼鏡を手に取ると、まるで耳を澄まして気配を窺っていたかのように、階段の下に走って来て尾を振って愛嬌をふりまく愛犬のパール。

その正確なことと言ったら、まるで散歩の時間が1分1秒まで体にインプットされているかのようだ。

しかも、「誰が」「いつ頃」「何を」してくれるかが正確にインプットされているのだから、その仕組みはどうなっているのだろうと不思議である。

例えば、朝と夜、食事が終るとパールが大好きな野菜か果物を貰えることになっている。

あげるのは、かみさんである。

その時は、ひたすらかみさんの「一挙手一投足」を食い入るように見ていて、小生には見向きもしない。

そして、「それでは、パールにもあげようかね」と席を立つと、うれしそうに尾をちぎれんばかりに振って、いそいそとかみさんの後に付いていく。

それまでパールが座っていた場所は、「よだれ」の洪水である。

テレビが面白かったり、食事中に会話がはずんだりして、食事がいつもより長引いたりすると「しびれ」をきらして、これ見よがしに動き回ったり、鼻を鳴らしたりと催促に余念がない。


このように、自分に関わりのあることは、絶対に見過ごさないよう体にインプットされていて、最大限に神経を張りめぐらせて、様子を窺っている。

例えば、「ブラッシング」。

毎朝、メールやブログのチェックをし、次回掲載予定のブログの原稿を書き上げるとパールの「ブラッシング」の時間という順番になるのだが、パソコンの電源が切れる音を耳にしたとたん、それまで小生の足元にうずくまっていたパールが足元からいそいそと這い出して、「さあ、今度は自分の番だ」とばかり小生の顔をじっと見つめるのには参ってしまう。

           
           小生の足元で寝入っている愛犬「パール」
           パソコンの電源が切れるかすかな音に反応して、「ブラッシング」をしてもらうべく、
           足元から這い出して来る。



だから、このような体内時計にそわない行動をしようものなら「すね」たり、「ふてくされ」たり大変なのだが、最もこたえるのは悲しそうな目でじっと見つめられることである。

この眼で見つめられると人間を心から信じている愛犬の純真無垢な一途な思いを傷つけてはいけないなと心底反省させられる。


人と人とのコミュニケーションをとるのは、複雑で難しいところもあるが、犬とのコミュニケーション不足は、全て人間サイドに非があるだけに単純でわかりやすい。

写真が主役VOL26 天に向かって真っすぐ伸びた枝

2009-08-08 | 写真が主役シリーズ

高峰高原で見つけた根こそぎ倒れた木と真上に伸びた枝


「ちょと、見てみろよ、これはすごいぜ」

先頭を歩いていたHくんが声を上げる。

そこには、根こそぎ倒れて完全に横倒しになっている木の幹から幾つもの枝が天に向かって勢いよく伸びていた。

「ほんと、すごいもんだね。見てみな、根こそぎ倒れちまってるけど、根の一部がわずかに生き残ってるんだ」

と感に堪えぬと言った面持ちのMくん。

「たったこれしか根が残ってないのに、こんなに枝が大きく育つなんて信じられない。命の営みって、ほんとにすごい」

とKくん。

一同、歩みを止め1本の倒木をめぐって、しばし話が盛り上がる。


久々の「写真が主役シリーズ」は、先日の「高山植物を愛でる旅」で長野県にある高峰高原を訪れた際、われわれに自然界の命の営みの神秘さを教えてくれた1本の「倒木」と真上に伸びた「枝」が、今回の主役である。

高山植物を愛でる旅 その2 2日目「夏の日差し輝く世界」

2009-08-05 | 友達・仲間
2日目


<一転、絶好の日和>
夜半、強い雨の音で目が覚める。
明日も雨かと少々気が滅入る。

「すごい天気だ、山頂までくっきり見えるぜ」

朝の5時、Kくんの興奮気味の声で起こされる。

雲ひとつない、絶好のハイキング日和だ。

早速、メンバー全員で「鳩首会談」

上天気なので、昨日何にも見られなかった景色を堪能しようと衆議一決。
但し、天気は良いものの、雨の影響が残っているので、水の塔山(2,202m)、篭の登山(2227・2m)のトレッキングは止めて、昨日歩いたコースをもう一度歩くことに。


<絶景一望>
先ずは、車坂峠で昨日霧の中で撮影したニッコウキスゲの群落を同じ場所で撮影する。背景に高峰高原の峰々がくっきりと見えて、まさに絶好の撮影スポットである。



昨日は霧の中に浮かび上がったニッコウキスゲ、今日はバックの山々を従えてひと際映える。



この先、昨日は皆で2時間近く歩いた道を今日は車で行く。
約20分で池ノ平駐車場に到着。

好天に恵まれて、駐車場には近隣から林間学校に来た生徒たちでいっぱい。

われわれも、池ノ平湿原の木橋をのんびりと散策する。


   
池ノ平湿原の素晴らしい眺望。             霧が湧いて、一瞬にして白い世界へ。


昨日は霧のため全く景色は見えなかったが、今日は素晴らしい眺めが目の前に広がる。

そして時折、あたかも湿原を潤すように霧が湧いてくる。
皆、その自然の摂理に感嘆の声を上げる。


<高峰高原で出会った高山植物>

「高山植物を愛でる旅」で見つけた草花を幾つか紹介しよう。



今が盛りのニッコウキスゲ

  
マツムシソウ                        ギンリョウソウ
    
  
オトギリソウ                        クルマユリ

  
コマクサ                          トモエシオガマ  

  
ミネウスユキソウ                      ヤナギラン     

  
ツリガネニンジン                     ホタルブクロ

  
ノアザミ                          イブキジャコウソウ