折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

愛犬「パール」の体内時計

2009-08-11 | 日常生活
「クン、クン」
階下で愛犬パールが鼻を鳴らす声。

「朝の散歩の時間ですよ」
との催促の一声である。

はっとして、目覚まし時計を見ると午前5時15分。

「しまった、15分寝坊だ!」

いつもは5時少し前に目を覚まし、さあ、散歩に行こうかと起き上がって眼鏡を手に取ると、まるで耳を澄まして気配を窺っていたかのように、階段の下に走って来て尾を振って愛嬌をふりまく愛犬のパール。

その正確なことと言ったら、まるで散歩の時間が1分1秒まで体にインプットされているかのようだ。

しかも、「誰が」「いつ頃」「何を」してくれるかが正確にインプットされているのだから、その仕組みはどうなっているのだろうと不思議である。

例えば、朝と夜、食事が終るとパールが大好きな野菜か果物を貰えることになっている。

あげるのは、かみさんである。

その時は、ひたすらかみさんの「一挙手一投足」を食い入るように見ていて、小生には見向きもしない。

そして、「それでは、パールにもあげようかね」と席を立つと、うれしそうに尾をちぎれんばかりに振って、いそいそとかみさんの後に付いていく。

それまでパールが座っていた場所は、「よだれ」の洪水である。

テレビが面白かったり、食事中に会話がはずんだりして、食事がいつもより長引いたりすると「しびれ」をきらして、これ見よがしに動き回ったり、鼻を鳴らしたりと催促に余念がない。


このように、自分に関わりのあることは、絶対に見過ごさないよう体にインプットされていて、最大限に神経を張りめぐらせて、様子を窺っている。

例えば、「ブラッシング」。

毎朝、メールやブログのチェックをし、次回掲載予定のブログの原稿を書き上げるとパールの「ブラッシング」の時間という順番になるのだが、パソコンの電源が切れる音を耳にしたとたん、それまで小生の足元にうずくまっていたパールが足元からいそいそと這い出して、「さあ、今度は自分の番だ」とばかり小生の顔をじっと見つめるのには参ってしまう。

           
           小生の足元で寝入っている愛犬「パール」
           パソコンの電源が切れるかすかな音に反応して、「ブラッシング」をしてもらうべく、
           足元から這い出して来る。



だから、このような体内時計にそわない行動をしようものなら「すね」たり、「ふてくされ」たり大変なのだが、最もこたえるのは悲しそうな目でじっと見つめられることである。

この眼で見つめられると人間を心から信じている愛犬の純真無垢な一途な思いを傷つけてはいけないなと心底反省させられる。


人と人とのコミュニケーションをとるのは、複雑で難しいところもあるが、犬とのコミュニケーション不足は、全て人間サイドに非があるだけに単純でわかりやすい。