ツィッタ―、スパー・ツィッターを加え(右)、4ウエイシステムとしてグレードアップしたKさん邸のタンノイオートグラフについては、すでに当ブログで紹介したが、その時まだ白木のままだったスパー・ツィッターが「アメ色」の装飾を施されて、美しくその存在を主張していた。(左)
このところ、しばしば当ブログに登場するフルトヴェングラー、今回も主役はフルトヴェングラーである。
フルトヴェングラー生誕125年を記念してEMIからリマスター盤が発売になったことは、当ブログでも何回も書いているが、とかく『衝動買い』しがちな小生とMさんが、やっぱりというか、予想どうりと言うか、このリマスター盤を購入してしまった。(Mさんは、21枚組のボックス盤(5,290円!)を、小生は1枚3,300円のSACDを4枚)
当日持参したフルトヴェングラーのリマスターSACD盤ベートーヴェン交響曲第7番(左)と21枚組ボックス盤(右)
そこで、昨日、Mさん、小生がこのリマスター盤を抱えて向かったのがオーディオ談笑会の主宰者のKさん邸。
このフルトヴェングラーのリマスター盤、特にSACD盤の出来栄えをぜひ名器タンノイオートグラフで聴こうと急遽、臨時のオーディオ談笑会の招集となった次第である。
今回の目的は
① これまで、フルトヴェングラーの音源は度々リマスターされてきたが、今回のSACDが従来のリマスター盤と聴感上、差があるのかどうか。その出来栄えの確認。
② EMIが今回はじめてSACD盤を出したが、同時にリリースした同じ音源によるCD盤と聴感上の差異が聴き取れるものなのかどうか。
先ず、テーマ①について
今回、未使用のテープが見つかり話題となっているベートーヴェンの交響曲第7番の第4楽章を聴く。
『いやぁ、実にすばらしい!、感動だ!これはわたしが今まで聴いてきたフルヴェンの第7と全く別物に聴こえる。第7はカルロス・クラーバーを主として聴いてたんだが、この演奏はちょっと格が違うね』
と大感激、手放しで誉めたたえる主宰者のKさん。
『これだけの大音量で聴いても、音が耳に痛くないというのは、ひずみがなく、生の音に近いと言うことなのかね』
と小生。
『この音は、最早、ステレオ、モノラルと言う次元を超えた音だね。まさに、フルトヴェングラーとウィーン・フィルが眼前で演奏しているような雰囲気が実にリアルに出ている』
と興奮冷めやらぬ体のKさんである。
次に聴いた、ワーグナーの『神々のたそがれ』から『ジークフリートの葬送行進曲』の圧倒的な音の洪水には一同、息を飲む。
これは、1954年の録音だが、半世紀も前に録音されたものが、こんなに生々しく蘇るものなのかと信じられない思いだ。
『レコードの溝の中には、まだ、こんなすごい宝物が残されていたんだ』
と改めてレコードの可能性に言及するKさん。
『これぞ、タンノイとの相性ピッタンコという1枚だね。タンノイは、クラシック、しかも、こういう曲に向いてるスピーカーなんだ』
と納得顔で話すMさん。
持参したSACDを全て試聴した訳ではないので、断定はできないが、今回のSACDによるリマスターは、フルトヴェングラーファンに大いなる福音をもたらしたと言えるのではないだろう。
なお、②については、ベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』の第4楽章を
・2007年にリマスターされたCD ・今回リマスターされたCD ・今回リマスターされたSACD盤を通常のCDプレーヤーで聴いた場合。
の3つのソースを使って聴き比べたが、紙面の関係もあり、またの機会とさせてもらいます。
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