時ならぬ『倹約、節約』サミット～ある日の夫婦の会話より

　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　夫婦の会話のもととなった新聞記事

『ええっ！灯油１，７３５円、ガソリン１５４・９円だって』
とかみさんが素っ頓狂な声を上げる。

その日は、たまたまかみさんのお休みの日。
いつもよりは遅めの朝食時のことである。

『まだ少し早いと思ったけど、この間、石油買っておいて良かったじゃん』

『それにしても、値上の勢い止まらないわよね』

『本当だね、＜天井知らず＞の勢いだね』

『我が家も倹約しなくちゃ～ね』

『そうだよ、大変だと騒ぐ前にそっちの方を先ず考えなくては』

『みんなが慌てずに倹約、節約に努めれば、＜温暖化＞防止に向けての第一歩になるかもしれないし』

『＜背に腹は変えられない＞から、みんな真剣に倹約、節約を考えるだろうから、景気はちょっと冷え込むかもしれないけど、ひょっとすると結果的に強力な＜温暖化＞防止対策になるかもね』

『マスコミも、大変だと騒いでばかりいないで、これを機会にみんなで倹約、節約に努めて温暖化防止の第一歩にしようというキャンペーンを張ればいいのにね』

『マスコミもそうだけど、政治家もこの際、もっとリーダーシップを示さなければ。例えば、福田さんが国民に向けて、＜石油が値上がりして大変だけど、【温暖化防止】の点から見れば、一つの絶好のチャンス、みんなで知恵を絞って倹約、節約に努め【災いを転じて福】としましょう＞とわかりやすく呼びかけて欲しいな、と思うんだけど・・・・。まあ、無理だろうけどね』

『日本だけでなく、こう言う時こそ世界の首脳が集まって、倹約、節約に努めようと申し合わせればいいのよ』

『【倹約、節約】サミットか、実にいいねえ。今は、石油は投機資金に操られて高騰してるんだけど、そうなれば多分価格も急落し、正常に戻るのではないかと思うよ』

『みんなが冷静になることが、最大の対策になるということね』

『まあ、現実の世界では、各国の利害が絡んで足並みが揃わないから、そこを見透かされてしまう・・・・・。』

『少なくとも、我が家だけは倹約・節約しなくちゃ～ね』

という宣言を採択して時ならぬ我が家の【倹約・節約】サミットは閉幕したのであった。