折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

「茹でガエル症候群」からの脱出

2015-11-03 | 日常生活
新しい先生の草書のお手本(杜甫「秋興」)


会社に勤めていた頃、研修などの席で「茹でカエル症候群」ということを学んだ。

カエルを熱湯に入れると熱くてすぐに飛出し一命を取り留めるが、水の中に入れて徐々に温めると、カエルは気持よく泳いでだんだん温まってきても気付かず、そのうちに茹で上がって命を落としてしまうという寓話による。

「穏やかな変化に気付かずにいると、取り返しの付かない状況に陥ってしまう」という意味で使われる。

東京・池袋にあるTカルチャースクールの書道教室に通い出してから10余年になるが、随分前から「茹でカエル症候群」に陥っているな、と自覚していたのだが、ぬるま湯から飛び出すきっかけがつかめないままここまで来てしまった。

そのきっかけは、自力でなく他力でやってきた。

これまでの先生が体調を崩して新しい先生に交代したのである。

いままでは、先生の「行書」のお手本を見て練習していたのだが、新しい先生はこれまで一度も習ったことのない「草書」や「変体仮名」を取り入れるなど授業内容を一新したのである。

「変体仮名」によるお手本(「百人一首」から)


この方法と先生の明るくて「ほめ上手」なキャラクターとが相俟って、戸惑いはあるものの、みんな新鮮な気持ちで授業に取り組み、教室には今までに見られなかった活気が出てきた。

小生も、慣れない難しい草書や変体仮名に悪戦苦闘しながらも新しい刺激を楽しんでいる。

先生の交代が投じた一石が、茹であがる寸前だった小生を窯から飛び出させてくれるきっかけとなった。

これを機会に新たな気持ちで書道に取り組んで見ようと思っている次第である。

初めての草書に悪戦苦闘中である。

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