折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL868~苦難の歴史を刻む「坑道」

2015-11-08 | 写真&俳句
狭く、暗く、じめじめした坑道。いかに劣悪な作業環境だったかがよくわかる。



銅山の     苦難の歴史     刻む坑道(あな)



わたらせ渓谷鉄道の通洞駅で下車、徒歩5分のところに今は観光施設になっている「足尾銅山」がある。

約400間にわたり掘り開いた坑道の長さの総延長が1234Km(およそ東京ー博多間)と聞いて、「ウソだろ~」と絶句。

かつて“日本一の鉱都”と呼ばれ大いに栄えた足尾銅山を再現した国内最大の坑内観光施設とのこと。

入園料を払って、トロッコ電車に乗って全長700メートルの薄暗い坑道に入っていくと、当時の辛く厳しい鉱石採掘の様子が年代ごとにリアルな人形で再現されており、また、鉱石から銅になるまでの過程などが展示されている。

足尾銅山は、足尾鉱毒事件(あしおこうどくじけん)など学校で習ったが、現地を訪れるのは初めて。

縦横に張り巡らされた坑道の天井から水が落下し、空気はひんやりと冷たい。

その中に、銅鉱採掘の模様を江戸時代の手掘りの様子から機械化された昭和の時代の様子までを、39体の人形を使って再現している。

江戸時代の手掘り作業を示す人形。


これを見ると、「百聞は一見にしかず」で銅山を切り開いた歴史が、いかに辛く困難なものであったかがよくわかる。

2005年から「世界遺産登録」をめざして活動しているとのことだが、歴史的価値のあるこの「足尾銅山」の実態を広く知ってもらう上で、是非とも「世界遺産」になって欲しいものだと、強く思った次第である。

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