折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

【忠臣蔵】への解釈が面白い~葉室 麟著「花や散るらん」【ブログ800回】

2012-01-20 | 読書
「初」ものの続きである。

今回は本。

今年最初に読んだのは葉室 麟さんの「花や散るらん」である。

                   葉室 麟著「花や散るらん」(文芸春秋)

この本を読むきっかけは、全くの偶然で、今年初めての読書、何を読もうかと先ずは、いつものように本屋さんの店先で面白そうな本を物色していて、ふと目に留まったのが葉室 麟さんの「蜩ノ記」(ひぐらしのき)という本であった。

本の帯封に書かれた内容紹介を読んで、とても興味を引かれたので、早速図書館に行ってリクエストしたのだが、すでに数十人の人が予約していて順番待ちになるとのこと。

そこで、やむを得ず順番が来るまで、先ずは小手調べにこの作者が書いた本を読んで見よう、と借りたのが「花や散るらん」であった。

そして、先日、芥川賞、直木賞が発表され、直木賞に葉室麟さんの「蜩ノ記」(ひぐらしのき)が選ばれた。

いささかびっくりした次第である。

それはさておき、「花や散るらん」である。

話は「忠臣蔵」なのだが、小生が知っている忠臣蔵と少々趣を異にしている。
忠臣蔵異聞とも言えるかも知れない。

4代将軍綱吉の生母桂昌院の従一位叙任をめぐる幕府と公家、大奥内の桂昌院と御台所との確執、それがひょんなことから赤穂浪士の吉良邸討ち入りにつながっていく話を縦糸に、主人公を巡る夫婦愛、家族愛、友情、武士(もののふ)とは、など生きていく上で大切なものは何かを横糸に縦横無尽に物語が展開し、ページを繰るのに忙しい。

今まで、よくわからなかった江戸城中「松の廊下」において浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が吉良上野介に刃傷におよんだ理由、赤穂浪士の吉良邸討ち入りに至る背景が、作者の独自の視点、解釈で描かれていて大変興味深く、面白いと思った。

新年早々、偶然にもこの本に出会えたのは幸運であった。

本作の前作に「いのちなりけり」というのがあるとのこと、次にこの本を読んで見ようと思っている。

しばらくはこの作家にはまりそうである。

そして、件の「蜩ノ記」(ひぐらしのき)、我慢してこのまま順番待ちしようか、それとも購入してしまおうか大いに迷っている所である。


【ブログ更新800回】

今回の投稿で当ブログ800回目である。(因みに700回は2011・7・14)

100回を一つの区切りと考えれば、1歩、1歩を積み重ねて到達した800回も一つの到達点である。

小生、自分のことをこれまで

『熱しやすく、冷めやすい』

と思っていたのだが、ブログをはじめ居合道、書道等リタイア後始めたことが未だに続いている所を見ると、結構「粘り強い」「我慢強い」面もあるのかなと最近思い始めている。

もっとも、その裏にはブログや居合や書道を止めてしまって、他に何もやることがない「無為」な時間を過ごすことへの『恐れ』が少なからずあるのでは、と思っているのだが・・・・・。

いずれにしても、気力、体力の続く限り次なる到達点を目指して1歩、1歩地道に書き続けていきたいと思っている。