折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

幸福感と感動と!!~今年の聴き始めは、フルトヴェングラーでシューベルトの「グレート」

2012-01-06 | 音楽
お正月休みも終わり、かみさんは職場に行き、小生は一人で家にいるという、いつもの日常が戻って来た。

そして、部屋の中で一人くつろぎながら大音量で音楽を聴いているといつもの生活が戻って来たことを実感する。
音楽を聴く、それは小生が普段の生活に戻る一つの儀式のようなものである。

早速、オーディオ装置のスイッチを入れる。
何せ、昨年の暮れにCDプレーヤーを買い換えたばかりで、試聴もまだあまりしていないうちに正月になってしまったので、早く聴きたくてうずうずしていたのである。

今年の聴き始めの曲は、フルトヴェングラーが指揮したシューベルトの交響曲第9番ハ長調「グレート」。

古いモノラル録音ながら当時としては出色の録音だったのだろう、素晴らしい音質でオーケストラの音が部屋いっぱいに広がり、あたかも眼前でベルリンフィルが演奏しているかのような雰囲気である。

そのシューベルトの「グレート」、特に今回は第2楽章を入念に聴くことに。

というのは、大学時代の親友のHくんの年頭メールに「シューベルトの【グレート】、何回聴いても特に第2楽章に心を揺さぶられます」と書かれていたのを見て、学生時代「シューベルトの【未完成】を評して、『子守歌だ』と切り捨てた彼が「グレート」の第2楽章に心を揺さぶられるとは!!時の流れは、心境に変化をもたらしたのだろうか?などあれやこれや考えて、あらためて第2楽章を聴いて見た。

あるカスタマーがレビューの中でこの第2楽章のフルトヴェングラーの演奏を評して

第二楽章の重厚であるが凛として引き締まったシンフォニックな表現と、柔らかで優美さを感じさせる室内楽的表現の鮮やかな対比の美しさが素晴らしいと思うんです。ここまで描き分けが自然で尚且つ気品高い第二楽章は他に無いと思う。

と書いているが、全くその通りで、今回もこの演奏を聴いてあらためて心が洗われる気持ちにさせられた次第である。

そして、第3楽章の中間部の旋律の優美な歌わせ方に酔いしれ、第4楽章のスケールの大きな演奏に圧倒され、あっという間に、あの「グレート」とよばれる長大な曲が終わっていた。

フルトヴェングラーもベルリンフィルも最高に素晴しい!!

聴き終わって幸福感と感動をしみじみと覚える、そんなシューベルトの「グレート」の演奏であった。