折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

落葉ロード~自然界の法則が受け継がれている場所

2010-11-26 | 雑感

地上には舞い落ちた真っ赤な桜の葉が降り積もり、落葉ロードの観を呈している黒目川の遊歩道。桜の木の根元に吹き寄せられた落葉が、腐食して木の滋養となる。


秋が一段と深まって来た。

愛犬の『パール』と毎朝散歩している黒目川の遊歩道だが、ここには200本を超す桜の木が植えられていて、春は花見、秋は紅葉の名所として、今や近隣の住民にとって、なくてはならない場所になっている。

今、紅葉した桜の葉が落葉のピークを迎え、地上には舞い落ちた真っ赤な桜の葉が降り積もり、朝日にキラキラ輝いて実に美しい。

この落葉、かって、落葉が担っていた役割、『腐食して土に還り、土を豊かにし、木に養分を与え、春に再び花を咲かせ、葉を茂らせる』と言う自然界のリサイクルの法則がうまく機能していた時は、有用なものであったが、都市化が進み、地面がコンクリートやアスファルトに覆われるようになるにつれ、一転、不用なゴミとして『厄介者』扱いされるようになってしまった。

しかし、ことこの遊歩道に関しては、落葉はゴミとして処理されることなく、木の根元や土の上に降り積もったまま、腐食して、土に還り、木々の滋養となっていく。即ち、この場所は、落葉が担っている本来の役割、自然界のリサイクルの法則が、受け継がれている数少ない場所の一つになっているのである。

また、学校や公園の桜の木が花の季節が過ぎると、枝を下ろされ、見るも無残な姿になってしまうが、この遊歩道の桜は、一切、手を加えられることなく、自然のままに枝を縦横に伸ばして見事な枝ぶりを誇示している。

そんな恵まれた環境にある、ここ黒目川遊歩道の桜の木にとって、きっと、この場所は何とも心地よい、天国のような場所なんだろうな、だから、この遊歩道はこれからも自然のままで残してほしいな、間違っても舗装などしないでくれよな、と晩秋の遊歩道を落葉を踏みしめて歩きながら、そんな取り留めのないことを考えた次第である。