テレビで中井貴一の朗読で紹介された詩『裏山』。(1月9日放送TBS「森からのラブレターⅡ)
門松が取れて、それまで垂れ流されていたお正月の『特番』がようやく一段落。
テレビもようやく平常に戻った。
昨晩は久しぶりにテレビを見た。
大ファンである脚本家倉本 聡さんが出演した『森のラブレターⅡ』である。
地球を巡る5つのドキュメンタリーで構成されている内容であったが、実に見応えのあるドキュメンタリーで感動のひと時だった。
その中で特に印象に残ったのが、番組の中で俳優の中井貴一さんが朗読した、倉本さんの『裏山』と題する痛切極まりない詩―メッセージであった。
番組中、倉本さん自筆の詩『裏山』が中井貴一さんの朗読に合わせ、画面に映し出された。
裏山 倉本 聡
赤ちゃんが 泣くように
赤ちゃんが 泣くように
裏山が 叫んでる
大声で 叫んでる
もう一カ月 止まない雨に
地面は 土でなく
目に見えぬ 泥の山
もう 溢れそう!
もう はじけそう!
裏山が 今にも崩れかけてるのに
父ちゃん なんで 会社に行くの?
母ちゃん なんで お化粧してるの?
兄ちゃん なんで サッカーを見てるの?
姉ちゃん 誰に メールを打ってるの?
裏山が 叫んでる
大声で 叫んでる
赤ちゃんが 泣くように
赤ちゃんが 泣くように
どうして 雨がこんなに続くの?
どうして この夏はこんなに寒いの?
誰が季節をこんなに変えたの?
どうして みんなちゃんと聞かないの?
裏山が 必死に叫んでるのに
逃げなさい! 早く逃げなさい!
わしは もう土を支えきれない!
もうじき 山は崩れ
村を 押し潰す!
裏山が 叫んでる
大声で 叫んでる
赤ちゃんが 泣くように
赤ちゃんが 泣くように
北海道富良野にあって、自ら『富良野自然塾』を主宰して自然環境への回帰を実践している倉本さんらしい、思いのたけのこもったメッセージに共感と感銘を受けた次第である。