摘んだコスモスの花をひ孫のKちゃんに手渡しし、顔をほころばせてご機嫌の母
今年92歳になった母は、歩くのが以前より不自由になったことと、耳が少し遠くなったことを除けば、いたって元気である。
その母の楽しみは、われわれ子供たちやその家族と会うことなのだが、不肖の息子たちは中々その期待に応えられない。
だから、顔を合わせる度に「男の子は、愛想がない」とグチをこぼすのが母の口ぐせの一つになっていることを先日のブログで紹介した。
そこで、そんな母の期待に副うべく、食欲の秋でもある、とある1日、娘夫婦がよく行っているイタリアンレストランに母を招待した。
メンバーは、母、小生、かみさん、娘夫婦そして孫のKちゃんの5名である。
最近は、余り食が進まないと聞いていたが、その日は出された料理をおいしそうにたいらげていたので、先ずは一安心する。
「料理も、うまいけど、久しぶりにKちゃんに会えたのが、何よりのご馳走だよ」と92歳の母は、顔をほころばせてご機嫌である。
ひ孫のKちゃんと会うのは、昨年5月のおばあちゃんの誕生会以来だから、1年半ぶりである。
Kちゃんは、2歳になったばかりだから、その年の差は実に「90」才である。
「随分、可愛くなって。こんな可愛い<ひ孫>に会えるなんて、長生きした甲斐があったというものだよ」と母。
そのKちゃん、最初のうちはちょっと人見知りをしていたが、食事が進むにつれ、すっかり雰囲気になれて、母ともすっかりうちとけて、持参したおもちゃで一緒に遊び始めた。
ひ孫を相手に相好を崩している母の顔を見て、こちらまで満面の笑みである。
初秋の昼どき。
おだやかで、満ち足りた、そして楽しい団欒の一時がゆっくりと過ぎていく。
そして、帰路。
実家のすぐ近くまで帰ってきて、畑に咲いている「コスモス」を見つける。
「ご自由に、お持ち帰りください」の標識。
しかし、こんなに広い畑一面に咲いているのに摘んでいる人影は皆無、さすがはわが田舎である。
早速、車から降りて、みんなで今を盛りと咲き誇るコスモスの花を摘む。
そして、ひとわたり摘み終って、今度は美しいコスモスをバックに写真撮影。
そんな中の1枚。
すっかりうちとけたKちゃんとコスモスの花の下で楽しげに遊ぶ母。
「ひ孫と老母」の情景を撮った小生にとっては、嬉しくも、誇らしくもある、かけがえのない写真が本日の主役である。