世の中の出来事は、まことに、不条理であって、それでいながら、精密な成り立ちのような部分もある。いつも、何もかも、何が起きるのかが解らない、という風でもない。先行きの予想がつかないのは、基本的にはそうだが、どこか、見通しがついているような部分もあり、また、大概は、そのようになるのである。
思い切ったことをして、その結果は、そうなるだろうと、推測したとき、大概はそうなるのである。この世に生を享けて以来、一応、さまざまに体験してきて、学んできているのである。おおよそ、共通の認識のようなものがあるのか、誰もが、そのような体験をしてきていて、同じ言語、習慣の地域のもの同士は、そのような共通のものがある。
ところが、少し離れて住んでいて、言語も違うとなれば、そういう具合にはいかない。推測を外れるような事態が起こる。自分の城のなかであれば、こちらの価値観で、推測がつくのだが、相手の城内にはいったときには、そうはいかない。自分に都合のいいことを、相手に押し付けて、なんとも思わないような相手には、よほどの警戒が必要なのである。