参議院の委員会質疑で、自民党は、政府側提案の遅さ、不充分さを阪神大震災とくらべて、指摘した。そして、自分達の案は、早くできていたし、政府与党側とは比べ物にならないぐらいいいものだった、と自画自賛してみせた。自分達の修正案が100点だとすれば、政府案は10点だという。
立派なもんだ。それが本当なら。
だが、菅内閣に対するあのイジメは、まったく尋常ではなかった。とにかく、大震災を倒閣の道具とし、被災者を人質にして、あらん限りの邪魔をしてみせた。それは、官僚、マスコミ、御用評論家、自民党の息のかかっているありとあらゆる分野のものを総動員して、解散を怒鳴りまくり、この無茶苦茶を実行したのである。
審議には、協力するといいながら、小出しのチビチビであり、根本的には、一切の協力はしない姿勢であった。西田クンは野次を飛ばしまくる、騒然とした中で、ひたすら罵倒し、嘲り、犯罪者扱いし、どんな些細な問題も、でっかくして、正視にたえない国会を作ったのである。
菅内閣が、ギリギリの捨て身の作戦を敢行して、自民党の悪意を打ち破るべく、これ以上やると、まさに自民党が諸悪の根源であることが、明々白々になる状態を作って退陣したために、ようやく、災害対策に踏み出せたといえる。
この間の自民党は、ともかく解散一本ヤリであり、被災者のことを、真剣に考えるどころか、邪魔をしまくっていた。それをマスコミは、隠蔽し、すべてを管さんの所為にする絵をかいたのである。
新聞がいかに低劣であるか、また、テレビのコメンテーターの本性が、見事にあらわれた。国民が、どれだけ知っているかは解らない。しかし、情報は今や、どこからでも出てくる。隠すのには無理がある。事実こそ、もっとも雄弁である。ことばで、いくら自画自賛しても、実態がそうでなければ、かならずそれは露見する。
石原クンの表情は、まことに浅ましく、山本一太クンの中味のないこと、谷垣クンもどこか上の空で、彼は本当に真意を語っているのだろうか。やらされているのか、それとも、そうするしかないと思っているのか。