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空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

空をみながら(19)

2007年10月13日 08時47分52秒 | 思考試行
 人と人との付き合いというのは、その成否は、おおきく感性や価値観にかかっている。無用な諍いや、反目をさけるためには、いろいろと方法はあると思うが、豊かな感性、豊富な知恵、そういうものが背景にあれば、スマートな解決が可能であると、泰吉は考えていた。あらゆることに関心を持とうとしたし、努力もしてきた。そこから得てきたことは、どうやら、自分に閉じこもって、自己利益を行動の中心におくと、人間間違えるということだ。そこには、真の生きる喜びはなく、もし、喜びを得たと、本人が思ったとしても、それは、病的なものであり、そんなものはなんの価値もなく、魂の、こころの、亡びへの道でしかない。とはいえ、そこへは、いわば、本能的な誘惑の手が伸びていて、しっかりしていないと、いつの間にかその真っ只中にいるという事態になる。その意味では、泰吉にとって、楽しみであり、教科書でもあるのは、雑誌「文藝春秋」であった。主義主張のさまざまな人が登場し、価値観の多様なことに、本当に豊かな気持ちになることができる。日本のすばらしい文化的財産である。泰吉は、そう考えていた。