ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間』

2014-06-06 22:46:50 | 新作映画
(原題:Parkland)


----これって、あまりにも有名な話だよね。
確かオリヴァー・ストーン監督も『JFK』を作ってているし…。
なにか目新しい事実でも出てきたの?
「う~ん。
ケネディの暗殺には、諸説あるのはフォーンも知っているよね。
なかには陰謀説もあって、
CIAやマフィアの影までちらついている。
ところがこの映画は、
そういう“真相究明”、
いわゆるミステリーものとは意を異にする。
それよりも、
あの日、あの時、ダラスで何があったのか?
暗殺から4日間、
ケネディの死で大きく人生が変わった人々、それぞれの姿を克明に追っていく」

----たとえば?
「タイトルの『パークランド』は、
ケネディが運び込まれたパークランド病院から取られている。
その病院の研修医でケネディの救命処置に携わった
チャールズ・“ジム”・キャリコ(ザック・エフロン)、
その設立以来、
初めて大統領の命を守れなかった
フォレスト・ソレルズ(ビリー・ボブ・ソーントン)率いるシークレット・サービスの面々、
あるいは犯人として逮捕されたリー・H・オズワルド(ジェシー・ストロング)の兄ロバート(ジェームズ・バッジ・デ-ル)や
リーをアメリカ政府の工作員と言い続ける母マーガリート(ジャッキー・ウィ―ヴァー)。
そして偶然にもその“現場”を8ミリで撮影したエイブラハム・ザブルーダー(ポール・ジアマッティ)。
ちょっとあげただけでも、
こんなに事件の関係者は出てくる。
しかもアメリカ史上最大の緊急事態だけに、
誰もが予想もしていなかった
新たな問題が次々と起こってくる」

----たとえば?
「ケネディが亡くなったとことから
副大統領のジョンソンが大統領に。
となると、シークレットサービスの任務対象はジョンソンに代わる。
じゃあ、すでに遺体となったケネディ(元)大統領は
どのようにしてワシントンD.C.に戻すのか?
もとより棺をエアフォース・ワンに乗せることなど
だれも考えてはいないわけだから、
機内のどこに乗せるのかも即座には決められない」

----ニャるほど。
「この映画は、
このような、
事件の表には出てこない、
でも現場にいた人たちの<知られざる物語>で繋いでいく。
たとえば、オズワルドは1年も前から
FBIダラスのジェームズ・ホスティ特別捜査官(ロイ・リビングストン)が
1年半も前からマークしていた人物。
10日前にも『家族への干渉をやめなければFBIを爆破する』という主旨の脅迫文を
自ら局に持ち込んでいた」

----うわあ。それは大失点だニャあ。
上司に知られたらカンカンどころじゃ、すまない。
「そうなんだ。
じゃあ、この後どうするか…?
と、この事件に関わった人物それぞれの4日間が
まるでドキュメンタリーでも観ているような
緊迫したタッチで描かれる。
その分、マフィアだの
裏幕に繋がる人物は出てこない」

----そうか。
それら陰謀説はあくまでも推論だものね。
「そう。
ところが、興味深いのは
ドキュメンタリー的に距離を置いて描こうとすればするほど、
この事件がオズワルドが引き起こしたものとは
思えなくなってくる。
そんなちゃちな脅しをかける人物が
あろうことか大統領を狙い、
しかも確実に死に至らしめる…
これって、ありえないと…」

----もしかしたら、
この映画のスタッフの狙いもそこにあったのかもよ。
「ぼくもそんな気が…。
そしてもうひとつ。
この事件でアメリカの空気が一変した。
もう、夢と希望を謳っていた昨日とは地続きじじゃない、
そのことを表すにはこのドキュメンタリー手法は実に効果的。
変にドラマチックに描くよりはね…」




フォーンの一言「この数年後、弟ロバートも殺されたのニャ」身を乗り出す

『ボビー』、これも特別な映画だ度
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