ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『とらわれて夏』

2014-04-08 15:06:04 | 新作映画
(原題:LABOR DAY)


----『とらわれて夏』
ちょっとカッコいいタイトルだよね。
文学的と言うか…。
「うん。
原題は『LABOR DAY』(労働者の日)。
この内容で、そんなタイトルつけたら、
配給会社が狙っているターゲットは
そっぽを向いてしまう」

----どんなお話ニャの?
「舞台はアメリカ東部の閑静な町。
心に傷を負ったシングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)と
その息子ヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、買い物の途中、
逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。
自分は絶対に危害を加えないという彼の言葉を信じ、
アデルはフランクを家にかくまうことにする。
やがて家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えたりする彼に、
アデルは次第に安らぎを覚えていく。
しかし、事態はそのままで終るはずもなく…」

----ニャんだか、
典型的なメロドラマだニャあ。
「うん、
どこかで聞いたことがないでもないような少し懐かしい感じのお話。
その“懐かしさ”をさらに際立たせているのは、
この物語が
大人になったヘンリーの回想という形式を取っているから。
だからこそ、日本の配給会社もタイトルに“夏”を入れたんだろうな」

----ふうん。そういうものニャの?
「そうだよ。
『おもいでの夏』『君といた夏』なんかが、その好例。
ただ、この二本は年上の女性との思い出だけどね。
この『とらわれて夏』は、
その大人になったヘンリーをトビ―・マグワイアが演じている。
その贅沢なキャスティングに、ぼくは
『スタンド・バイ・ミー』でのリチャード・ドレイファスを思い出したね」

----へぇ~っ。
トビ―・マグワイアも出ているんだ。
「うん。
この映画はキャスティングが実に上手い。
ヒロインにケイト・ウィンスレットを持ってきたのも効果的。
『リトル・チルドレン』『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』
そして『愛を読むひと』…。
彼女は、なぜか幸薄い役が多い。
この映画もその延長線上。
意外性には欠けるものの、
その分、観ている人を納得させる力がある」

----そういえばウィンスレレットが『タイタニック』の次に出演した『グッバイ・モロッコ』
あの映画でも彼女はシングルマザーの役だったものね。
監督は誰ニャの?
ジェイソン・ライトマン
『ゴーストバスターズ』などのヒットで知られるアイヴァン・ライトマンを父に持ちながら
彼の作風はどちらかというとインディーズより。
多くの観客に見せることより、自分独自の世界を切り開いていた。
『サンキュー・スモーキング』』、『JUNO/ジュノ』、そして『マイレージ、マイライフ』とかね。
その方向性が少し変わってきたなと思ったのが『ヤング≒アダルト』
それまで、被写体と適度な距離感を保ち、
批評眼的な目線で描いていた彼が、
ここではグッと、シャーリーズ・セロンにフォーカスする」

---- ニャるほど。
「今回も同じく、
人にフォーカスしながら、
同時に彼らを包み込む空気、光をも繊細に捉え、
物語の重要な背景として描き込む。
ぼくはこういう情感豊かな映画は決して嫌いじゃない。
クールよりハートフル。
これからのライトマンの活躍に期待したいね」



フォーンの一言「ケイト・ウィンスレット。カントリー的な役が似合うニャ」身を乗り出す

ジョシュ・ブローリンも渋い度
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