----この映画、
韓国のアカデミー賞“大鐘賞”で
史上最多15部門を受賞したんだって?
「まあ、日本のアカデミー賞もそうだけど、
この賞にどれだけの箔を求めていいのか…。
でも逆に言えば、
この映画がそういった賞を取るのは分かるなあ。
だれが観ても楽しむことができるし、
スケールも大きい。
一般的に評価されやすい映画ではあるね」
----確か、主演はイ・ビョンホンだよね?
「そうだね。
この映画は彼の演技に負うところが大きい。
物語自体はシンプルで一言で言えちゃう。
陰謀により意識不明となった王・光海の影武者を務めた道化ハソンの物語」
----あれ、似たような話、
ハリウッド映画にもなかったっけ?
そうだ、『デビルズ・ダブル-ある影武者の物語-』 。
「ぼくもそう思っていたんだけど、
根本的なところで違う。
影武者がいるのをいいことに、
自分が好き勝手にふるまうウダイ・サッダーム・フセインとは違って、
この『王になった男』の王・光海は、
影武者の活躍中、死線をさまよっていて、
その間に起こったことにはまったく関知していない。
ハソンも王の意志で動くのではなく、
その忠実な部下たちが操るままに動いていく…。
そして、もうひとつの違いは、
いまの政治のあり方に疑問を抱いたハソンが
自分の声で政務への発言を始めていくこと」
----でも、それじゃあ、
それまでの王とは全然違っちゃう。
「そうなんだ。
観る方は、
いつバレるかとハラハラ。
この映画は、そのサスペンスを基軸にしながら、
それと並行する形で、、
毒見役の女官サウル(シム・ウンギュン)の身の上に、
富を独占する富裕層によって苦しむ民衆の実相を、
王妃(ハン・ヒョジュ)の兄への拷問の中に、
宮中の権力を狙う大臣たちの陰謀を語っていく」
----ニャるほど。
そういえば、
この影武者のお話はフィクションと聞いたけど…。
光海という人が実在の人物だとしたら、
この映画、
かなり悲惨な結末を迎えるのでは?
「そう思うよね。
観る方としては、
ハソンは、最後は口封じのために殺されると
半ば暗い気持ちでスクリーンを見つめているワケだ。
でも、もしかしたら助かるのでは…という気持ちも心の隅にチラリ。
映画は、その観客の葛藤を巧く読み取りながら
これ以上ないほどのステキなエンディングを用意する」
----えっ、それは楽しみだニャあ。
まさか、ほんとうに王と入れ替わっちゃとか…?
「ぼくも一瞬、そうかとも思ったけど、
やはりそれは史実からしてタブーすぎる。
まあ、それは実際に観て確かめてもらうとして、
繰り返しになるけど、
この映画の魅力は
イ・ビョンホンの円熟の演技。
最初の方なんて、
いつバレルかとハラハラ。
でも、これも
イ・ビョンホンが自らの演技で
観客をそのようにリードしているワケだ。
セットや衣装、ロケなど、
その風格も申し分なし。
やはりこの映画は大鐘賞にふさわしい、
ぼくはそう思うよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「最後はやさしい気持ちになれるらしいのニャ」
※最後、リュ・スンリョンのとても素敵な「おじぎ」が見られる度
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キャラクターの心情がきちんと描かれているので、皆とても魅力的。
この映画のベースにあるヒューマニズムはアジア的な味付けはあるものの、むしろ伝統的なハリウッドの人情劇に共通する物を感じます。
韓国で大ヒットしたというのも頷けます。
確かに新味は薄いですね。
どこかで観たことがあるような・・・
と思ったら『デーヴ』でしたか…。
なるほど
ハリウッド人情劇だ。
トイレと着替えのくだりは、なんとなくエディ・マーフィの「大逆転」と「星の王子ニューヨークへ行く」を思い出しました。
大鐘賞というのは、
日本アカデミー賞と同じようなもの…。
だから、宣伝には使えても
いつまでも歴史に残るかと言うと
そういうわけでもない。
こういう大作は取りやすいかも。
ん?もとは『王子と乞食』?