ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『コードネームU.N.C.L.E』

2015-11-08 18:09:42 | 新作映画



(原題:The Man from U.N.C.L.E)

『コードネームU.N.C.L.E』、
何が嬉しいかって、時代設定をオリジナルそのままに冷戦時代としていること。
夜の東ベルリン。街中をクラシックな車が現代のアクション映画ばりの激しいカーチェイスを繰り広げる
その新鮮さ。できればタイトルも『0011ナポレオン・ソロ』のままがよかったな。


----へぇ~っ。
これ、テレビの『ナポレオン・ソロ』の映画化だったんだ。
「うん。
あまりにタイトルが違うから
つい最近までまったく気づかなかったけど…。
でも、テレビシリーズの原題もこれと同じだったんだね。
観ていたのが子供のころだから、
そんなこと気にもかけていなかった。
まあ、『0011』なんて入れちゃうと、
昔のこのシリーズを知らない人には
逆にバッタもんと思われかねないし、
ある意味、仕方がないのかも…」

----それはそうかもね。
ところで“U.N.C.L.E”ってなんのこと?
『United Network Command of Law and Enforcement』
この映画のラストにて設立される
アレキサンダー(ヒュー・グラント)を指揮官とする国際秘密捜査機関のことなんだ」

----へぇ~っ。
“国際”ということは
どこかひとつの国の機関というわけじゃないんだニャ。
「ぼくもすっかり忘れていたんだけれど、
ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カビル)はCIAのアウトローエージェント、
そして彼のパートナーであるイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)は
KGBに史上最年少で入ったエージェント。
つまりこの映画は、
東西のスパイが組んで悪の組織と戦うというお話なんだ」

----ふうむ。
このテレビシリーズが冷戦時代に作られていたってのは驚きニャ。
「だよね。
Twitterでも呟いたけど、
冒頭のエピソードは東ベルリン。
厳しい管制下だからか、
夜の街には人っ子一人いない。
その空気感というか、手触りが
あ~あ、これぞスパイ映画って感じがして懐かしい。
人がまったくいないものだから、
カーチェイスだって展開させやすい。
しかもそこで出てくる車が半世紀も前のもの。
そのいわばクラシックカーが
以後、映画が50年かけて獲得した撮り方で
激しいカーチェイスをスクリーン上に繰り広げる。
これでアガらないワケがない」

---ニャるほど。
50年前だと、
そんなカーアクションはなかったものね。
「そういうこと。
現代のカーアクションの萌芽は『ブリット』(68)、
そして『フレンチ・コネクション』(71)のアカデミー作品賞受賞によって
以後の流れはできあがっていった。
この映画の背景はそれらがつくられた時代よりもさらに前」

---60年代が舞台だったら、
ファッションなんかも今とはかなりちがうよね。
「うん。
ナポレオン・ソロが東ベルリンから西へと連れ出す女性ギャビー。
彼女に扮するアリシア・ヴィキャンテル
この“世界で最も美しい顔100人”にランクインした美女が
“西”用の服に次々と着替えてくれるため
スウィンギング・ロンドン感たっぷり」

---彼らが戦う敵は?
「ナチスの残党と組む国際犯罪組織。
ソロとクリヤキンは彼らのアジトに潜入。
ところが現代のスパイ映画のように
高度なITで守りを固めているわけじゃない」

---そうか。
赤いレーザービームの線が張りめぐらされたりはしていないワケだ。
「もちろん。
『ミッション:インポッシブル』のような
“スマホで追跡”もないしね。
原爆製造をめぐる研究データを奪還という
そのミッションは、
失敗したら世界壊滅にもつながるような危険かつ重大なものなのに、
どこかのどか。
一例をあげると、
イリヤが水上をモーターボートで命からがら逃げまわっているのに、
先に陸に上がったソロは
そこに止めてあった車のバスケットにあったサンドイッチをむしゃむしゃ。
しかもご丁寧にナプキンまでして…。(笑)
その後ろで
イリヤと敵の一味が漫画チックに水上を行ったり来たり。
まあ、このあたりが『007』とは違うところだな」

--そういえば『007 スペクター』も観たんだったよニャ。
「うん。
こっちはシリアス路線だからね。
おそらくファンや研究者たちが徹底して書いてくれるだろうから、
ぼくはTwitterでの呟き2本でお茶を濁そう。

『007』の監督オファーを受けたクリストファー・ノーランは色気を見せながらも、
ダニエル・クレイグ=ボンドの今はその時期ではないというように答えたと伝え聞く。
このエピゾードの信憑性を裏付けるかのような『007/スペクター』であった。
これはクレイグから007を見始めた人向けの映画だ。

『007 スペクター』
アストンマーチン、ヘリ、雪山、パラシュート、アナログ時計、ウォッカマティーニ、
さらにはブロフェルド、白い猫…と、
コアなファンを喜ばせる舞台、ガジェットは盛りだくさん。
ただ、トーンに加えキャラが変わってしまっている。
まあ、この好みは人それぞれなんだろうけど。」

---それ以上、聞く必要もニャいか…。

フォーンの一言「えいは娯楽映画がシリアスになるのは、あまり好きじゃないのニャ」身を乗り出す

『ダークナイト』までくれば別だ度
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (ここなつ)
2015-11-19 16:34:46
こんにちは。
私もあの陸(おか)でサンドウィッチのシーン、最高に面白かったです!ナポレオン・ソロの個性が(女性関係以外で)浮き出たシーンかな、と思います。
TBさせていただきます。
返信する
Re:こんにちは (えい)
2016-01-02 19:43:30
コメント&トラックバックありがとうございます。
ブログになかなか手が回らず、お返事が遅れてしまああました。
この映画、往年のスパイ映画の楽しさ満載。
本来ならベストテンに入れたいほどでした。
返信する

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