ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『欲望のバージニア』

2013-05-05 18:51:19 | 新作映画
(原題:Lawless)


----あれっ。これもギャング映画だ。
ちょっと前にも『L.A.ギャングストーリー』というのがなかった?
「そうだね。
ただ、物語の背景となっている時代が違うし、
描いている視点もあちらとは正反対。
舞台は、
アメリカが禁酒法を敷いていた1930年代初頭のバージニア州、フランクリン。
映画は、酒の密造によってその名を馳せていた
ボンデュラント3兄弟の立場で描かれる。
長男ハワード(ジェイソン・クラーク)は野卑で怪力、
二男のフォレスト(トム・ハーディ)は度胸と気迫で他を圧倒。
そんな彼らは『俺たちは死なない』と豪語。
不死身伝説でも知られていた」

----あれっ。
もうひとりは?
「末っ子のジャック(シャイア・ラブーフ)。
彼はふたりの兄の陰に隠れた、
どちらかというとひ弱な存在。
だが、よくある話で、
この映画は、その三男の、
兄たちに認められたいという思い、
そこからくる先走り、失策によって物語が動いていく。
経験も少なく未熟な彼が動く、そのきっかけを作ったのは、
新任の特別取締官レイクス(ガイ・ピアース)。
ボンデュラント兄弟に高額の賄賂を要求して拒否された彼は、
手始めにジャックを完膚なきまでに殴打。
フォレストは弱音を吐く弟に
『本当の強さは立ち向かう意志だ』と諭す」

----ニャるほど。
そうなるとジャックが奮起するのも当然だよね。
「だよね。
この兄の言葉が彼の心に火を付け、
まずはギャングのフロイド(ゲイリー・オールドマン)と単独で取引。
大金も転がり込み、
大量の金が転がり込んできたジャックだったが、
レイクスのボンデュラント攻撃はエスカレートとしてゆき…という流れだね」

----そんな中に、
女性たちとのロマンスも挟まれるんだね?
ジェシカ・チャスティンとかミワ・ワシコウスカとかが出ているし…。
「そういうこと。
この映画の魅力のひとつは
彼ら、実力派俳優たちによる豪華な共演。
そんな中でも目を引くのは
もはやベテランの域に達しているガイ・ピアース。
髪を真ん中で真っ二つに分け、
眉毛ともみ上げを剃り落としての怪演。
服も、この地には似つかわしくない黒地に水玉のスーツ。
性格はサディスティックで、
自分の服を血で汚さぬよう、手袋をして相手を殴る。
もうひとり印象に残るのは3兄弟の仲間のクリケット(デイン・デハーン)。
ジャックの親友で蒸留器を任せられている彼は脚が不自由。
このことが後に、観る者の感情を揺さぶる“ある出来事”へとつながる。
でも、残念ながら、
映画自体はあまりノレなかったな」

----どうして?
「これも事実だから仕方がないとはいえ、
三男があまりにも幼すぎる。
周りは
足を引っ張られるたびにその後始末をしなくてはならない。
これの繰り返しだから、
観ていてイライラ。
最近、某著名評論家がツイッターに
『映画は主人公が成長しなければいけない』
というような呟きを…。
ぼくはその観方に組みする方ではないけど、
この映画を観ると、
それもむべなるかなと、
そう思わずにはいられなかったね」



「けっこう残酷シーンも多いのニャ」ご不満


※次男がカッコイイ3兄弟と言うと『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』がある度
http://www.youtube.com/watch?v=mQiDs9tKZv4
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