(Che El Argentino/Guerrilla)
-----えっ、2本一緒にしゃべっちゃうの。
それって無謀じゃニャい?
「う~ん。だけどこの映画、
もともと、プロデューサーのローラ・ビッグフォードは
第2部『39歳別れの手紙』のパート、
一般的にあまり知られていない
チェ・ゲバラのボリビアでの活動を描こうとしたところ、
それだけでは彼がなぜボリビアに行く決意をしたか、
観客には分かりづらいと、
『28歳の革命』にあたる部分、
キューバ革命とニューヨークでの国連演説の場面を追加。
構成を再構築しているうちに2部作になったというのが、そのいきさつ。
意見はいろいろ分かれるだろうけど、
ぼくは断然、後半が見ごたえあったね」
----ということは、
その2本はアプローチも変えているの?
「うん。『28歳の革命』はシネマスコープ・サイズ。
間にインタビューや国連演説などがモノクロで挿入される。
こちらは、ちょっとドキュメンタリー・タッチ。
それに対して『39歳別れの手紙』はビスタサイズ。
ゲバラの内面にもっと肉迫したドラマチックな作品となっている」
----ふうん。その前に聞きたいんだけど、
ゲバラってどこの人?
「おっ、いいところ突いてきたね。
実はなんとアルゼンチン。
あのマラドーナが自分の体にタトゥーを入れているほど、
母国では英雄だね」
----それがなぜ、よその国で革命をやるの?
「彼は若いころ、ペルー、コロンビア、ベネズエラを訪れている。
そのくだりは映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』に詳しい。
そこで南米大陸の現実に触れたことが
彼の生き方に大きく影響したといわれている。
この映画には、そんな彼の革命に対する考えが
自身の言葉としていくつも出てくる」
----たとえば?
「『愛のない革命を想像することは不可能だ』」
―――なるほどジョン・レノンが彼を
『あの頃、世界でいちばんカッコいい男だった』と言うのも分かるニャあ。
似ているところあるよね。
「他にも革命家は『崇高』、
そして『もっとも純粋な形で成熟する機会』。
後半、ボリビア軍に捕まり宗教について振られた時も、
自分は『人間を信じてる』と答えるんだね。
そのピュアすぎる信念。
それはボリビアの若き兵士が彼の見張りにつくのをたじろぐほど。
自分は彼を捕まえてていいのか、
間違ったことをしているのではないか?
このあたり、同じく民衆に影響を与えすぎ捕えられた
あのキリストとイメージをだぶらせているんだろうな。
ある意味、無私だもの。
劇中の言葉を借りれば
フィデル(カストロ)はハバナで優雅にランチしているのに、
彼はジャングルの中を迷走しているわけだから」
――どうして、キューバでは成功したのに、
ボリビアで失敗したの?。
「それは、一つにはボリビアの地形があるようだ。
ジャングルといっても
そのほとんどは木々のない荒野で身を隠せるところが少ない。
しかもボリビア共産党が彼らを受け入れてくれるはずだったのに、
その約束を反故に。
食糧や物資の提供もなくなり、彼らは孤立してしまうんだ。
さらに現地政府の『キューバ人の侵略』という情報操作、
そして地元住民たちの政治意識の格差もあって、
ボリビア国民は
彼らキューバから渡ってきたゲリラたちを
かくまうどころか政府に売ってしまうんだ。
あっ、このボリビア共産党書記長マリオ・モンヘには、
懐かしの『ラ・バンバ』ルー・ダイアモンド・フィリップス。
それと、カメオ的な感じで
ドイツの記者役にマット・デイモンが出演している。
これはちょっとしたサプライズかもね」
――へぇ~っ。それは知らなかったニャあ。
「話をこの2本の特徴に戻すけど、
前半は勝ち戦ということもあって、
アクション映画的な感じ。
後半はちょっとサスペンスが交じってくる。
みんなは、この戦いでゲバラが死んだことくらいは知っているわけで、
はたして、だれがどのように彼を裏切り、
そして追いつめられていったのか?
身も心も消耗してゆく兵士の姿は観ていてつらい。
ただ、さっきも言ったように映画としては
前半『28歳の革命』はオードブルで、この『39歳別れの手紙』が主菜。
人は窮地陥ったときこそ、その人の本当の姿が出る。
ゲバラに深く迫ったのは、やはりこっちだと思うな」
----あっ、主演のベニチオ・デル・トロについて喋ってニャい。
「監督のスティーブン・ソダーバーグもね」
フォーンの一言「フォーンとスゴい人だったんだニャ」
※思ったより長さは感じなかった度
お花屋さん
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-----えっ、2本一緒にしゃべっちゃうの。
それって無謀じゃニャい?
「う~ん。だけどこの映画、
もともと、プロデューサーのローラ・ビッグフォードは
第2部『39歳別れの手紙』のパート、
一般的にあまり知られていない
チェ・ゲバラのボリビアでの活動を描こうとしたところ、
それだけでは彼がなぜボリビアに行く決意をしたか、
観客には分かりづらいと、
『28歳の革命』にあたる部分、
キューバ革命とニューヨークでの国連演説の場面を追加。
構成を再構築しているうちに2部作になったというのが、そのいきさつ。
意見はいろいろ分かれるだろうけど、
ぼくは断然、後半が見ごたえあったね」
----ということは、
その2本はアプローチも変えているの?
「うん。『28歳の革命』はシネマスコープ・サイズ。
間にインタビューや国連演説などがモノクロで挿入される。
こちらは、ちょっとドキュメンタリー・タッチ。
それに対して『39歳別れの手紙』はビスタサイズ。
ゲバラの内面にもっと肉迫したドラマチックな作品となっている」
----ふうん。その前に聞きたいんだけど、
ゲバラってどこの人?
「おっ、いいところ突いてきたね。
実はなんとアルゼンチン。
あのマラドーナが自分の体にタトゥーを入れているほど、
母国では英雄だね」
----それがなぜ、よその国で革命をやるの?
「彼は若いころ、ペルー、コロンビア、ベネズエラを訪れている。
そのくだりは映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』に詳しい。
そこで南米大陸の現実に触れたことが
彼の生き方に大きく影響したといわれている。
この映画には、そんな彼の革命に対する考えが
自身の言葉としていくつも出てくる」
----たとえば?
「『愛のない革命を想像することは不可能だ』」
―――なるほどジョン・レノンが彼を
『あの頃、世界でいちばんカッコいい男だった』と言うのも分かるニャあ。
似ているところあるよね。
「他にも革命家は『崇高』、
そして『もっとも純粋な形で成熟する機会』。
後半、ボリビア軍に捕まり宗教について振られた時も、
自分は『人間を信じてる』と答えるんだね。
そのピュアすぎる信念。
それはボリビアの若き兵士が彼の見張りにつくのをたじろぐほど。
自分は彼を捕まえてていいのか、
間違ったことをしているのではないか?
このあたり、同じく民衆に影響を与えすぎ捕えられた
あのキリストとイメージをだぶらせているんだろうな。
ある意味、無私だもの。
劇中の言葉を借りれば
フィデル(カストロ)はハバナで優雅にランチしているのに、
彼はジャングルの中を迷走しているわけだから」
――どうして、キューバでは成功したのに、
ボリビアで失敗したの?。
「それは、一つにはボリビアの地形があるようだ。
ジャングルといっても
そのほとんどは木々のない荒野で身を隠せるところが少ない。
しかもボリビア共産党が彼らを受け入れてくれるはずだったのに、
その約束を反故に。
食糧や物資の提供もなくなり、彼らは孤立してしまうんだ。
さらに現地政府の『キューバ人の侵略』という情報操作、
そして地元住民たちの政治意識の格差もあって、
ボリビア国民は
彼らキューバから渡ってきたゲリラたちを
かくまうどころか政府に売ってしまうんだ。
あっ、このボリビア共産党書記長マリオ・モンヘには、
懐かしの『ラ・バンバ』ルー・ダイアモンド・フィリップス。
それと、カメオ的な感じで
ドイツの記者役にマット・デイモンが出演している。
これはちょっとしたサプライズかもね」
――へぇ~っ。それは知らなかったニャあ。
「話をこの2本の特徴に戻すけど、
前半は勝ち戦ということもあって、
アクション映画的な感じ。
後半はちょっとサスペンスが交じってくる。
みんなは、この戦いでゲバラが死んだことくらいは知っているわけで、
はたして、だれがどのように彼を裏切り、
そして追いつめられていったのか?
身も心も消耗してゆく兵士の姿は観ていてつらい。
ただ、さっきも言ったように映画としては
前半『28歳の革命』はオードブルで、この『39歳別れの手紙』が主菜。
人は窮地陥ったときこそ、その人の本当の姿が出る。
ゲバラに深く迫ったのは、やはりこっちだと思うな」
----あっ、主演のベニチオ・デル・トロについて喋ってニャい。
「監督のスティーブン・ソダーバーグもね」
フォーンの一言「フォーンとスゴい人だったんだニャ」
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見応えありましたね~、さすがに二本続けての鑑賞はかなり疲れちゃいました
かなり真面目に作ってましたしね、(当然ながら、、、)
えいさん同様、わたしも後編の方が好みでした
ボリビア編の方が
ゲバラの内面に切り込んでいたようで、
じっくりドラマを味わうことができました。
(実はぼくが行ったときは、
隣の方が、前半で最初から最後まで
ヒドい咳に悩まされていて、
こちらも落ち着いて観ることができませんでした。
で、後半は席を変わって別のところで。
それが理由というわけでもないでしょうけども…。)
マット・デイモンは気づきませんでした~。残念☆
私も第二部の方が断然見応えがありました。
デルトロのゲバラがかっこ良かったです♪
TBさせていただきますね(^-^)
なぜマット・デイモンと思たtのですが、
あとで考えると
『オーシャンズ』繋がり。
納得です。
第二部の方が好きという声、
多いようですよ。
ボクもジャパンプレミアで二本続けて見ることができました。
さすがに少し印象がボケる部分があるのが残念でした。
でも、ソダーバーグとデル・トロをこの目で見られてよかったです。
咳はこの映画に限ってはいいBGMかも?!
あの人はルー・ダイアモンド・フィリップスだったのですね。
なぜかヴァル・キルマーと勘違いしてました。
マット・デイモン、ボクは「グッド・シェパード」を思い出しました。
ここまで長いと、どうしても
後で観た方の作品が記憶に鮮明になってしまいます。
いやいや、あの咳は
デル・トロの数倍は、ヒドかったんです(汗)。
で、ぼくもマスクをしたために
かえって頭がボ~ッと。
----なんて、人のせいにしちゃいけないですよね。
確かにこの映画を見たら、チェ・ゲバラという革命家の信念や人となりが十分分かる内容になってますからね。
これを見ずして第2部は見れないというのも分かる気がします。
あぁ~早く第2部が見たいです。
はい。一ヶ月経った今、
ぼくの脳裏に鮮烈に甦るのは第2部の方です。
人生の「光と影」をそれぞれの章で描いた、
そんな気がしました。
「必要不可欠な人間など居ない」と言いきったチェが上司だったら一生ついていこうと思ったかも。
名もなき一兵士が明暗を分けるとか、真理をついた言葉の一つ一つには一々頷いてました。
えいさんがより好みという「39歳・・」も期待してます。
細部で勘違いしていた箇所を色々と発見してしまいました。
2部の予告があるのはいいとして、上映前に説明が入るのですね。
レッドクリフの影響でしょうか、その両方に享年39歳とあって苦笑。
家に帰って調べると享年の使い方はこれもありになっているようですね。
一生懸命みたいなものでしょうか。