ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ホステル』

2006-09-19 22:37:26 | 新作映画
※映画の核に触れる部分もあります。
鑑賞ご予定の方は、素通りしてください。


----ニャんだか、顔が青ざめていない?
「タランティーノが製作総指揮、
でもって全米第1位のホラー。
それでいて思いっきりB級。
あらかじめ、そんな情報が入っていたとは言え、
この残虐性はちょっと耐えられなかったね」

----ふうん。ホラーと言ってもいろいろあるけど、
つまりは残酷な方のタイプなんだ。
血糊がバァ~っと飛んだりするわけだね。
「うん。それも<痛み>を伴う、ありとあらゆる方法でね。
いわばこれは一種の残酷ショー。
好事家の餌食として目を付けられたら、
泣いても喚いても逃げられない。
日本映画で言えば『花と蛇』などのSMをもっと過激にしたような感じ。
何せ最終的には死に至らしめるわけだからね」

----ニャるほど。だんだん分かってきた。
これって殺人鬼が一人ではなく
金持ちたちがお金を払って獲物を貰い受け、
残虐の限りを尽くすわけだ。
でも、そんな映画がどうしてボックスオフィスの1位に?
「そうなんだよねえ。
タランティーノの神通力か、はたまた恐いもの見たさか。
もっとも前半は
アメリカの青年ふたりとアイスランドの青年による
アムステルダムでのエロ旅行が描かれる。
これがまた、ひと昔前の西ドイツポルノかと言う感じで、
女性たちがあっけらかんと脱いでは
その豊満な肢体を存分にさらけ出してくれるんだ。
物語の根幹に関わるから
あまり深くは言えないけど、
彼らは電車の中で出会った男に教えられ、
さらなるスケベを求めて、
スロバキアのあるホステルに向かう。
そこがまた聞きしに勝るパラダイス。
宿泊客の若い女性たちは
相性も何も関係なく男たちを快楽の世界へといざなっていく。
でも、そんなにいいこととばかりがあるわけもなく……」

----つまり、そこに罠があるわけだね。
でも、舞台がスロバキアって珍しくない?
「監督のイーライ・ロスは、
タイのウェブサイトで1万ドルで拷問・殺人の出来るという広告を見て
そこからアイデアを膨らませて脚本を書いたのだとか。
これをタイからスロバキアに変えたのは確かに正解かも。
寒々とした東欧の風景が死の拷問部屋の外に広がり、
彼らの救いが、手の届くところにはないと言うことを強調する。
そう、あたかも街ぐるみで
この死のビジネスに関わっているかのように見せるわけだ。
さらに言えば、この街にはマフィア予備軍のような子供たちが
情け容赦のない暴力を大人たちに加える。
こんな怖い子供たちは『ザ・チャイルド』以来だ」

----そう言えば、三池崇史も出ているんだって?
「うん。イーライ・ロス監督が三池崇史の大ファン。
そのためわざわざ現地に呼び寄せたらしい。
セリフもちゃんとあるしね」

----そう言えば三池崇史監督の『オーディション』、
あれも痛かったよね。
とても目を開けていられなかった。
「キリキリキリ……だね。
あれはノコギリだったけど、
これはもっといろんな拷問器具が出てくる。
一つひとつはとても言えないなあ。
あっ、これは日本人俳優が演じているわけじゃないけど、
日本人と言う設定の若い黒髪女性が出てくる」

----ふうん。でも主人公はこの3人の若者なんでしょ?
「それはそう。
でも巧いなと思ったのは、
殺されていく順番が通常の映画の常識とは正反対。
学園ホラーだと、
まずは性に奔放な男から殺され、
最後に残るのは比較的まじめな男だよね。
でもこれは…」

----あああっ。それ言っちゃダメでしょ。


   (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「目を開けてられないニャ」もう寝る

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
急いで目をふさいで^^; (にゃんこ)
2006-09-20 07:15:09
読みかけそうになって、急いでスクロールしちゃいました。こーいうのも大好きなので(笑)

公開劇場・・・こっちまでくるかなぁ?

それだけチェックしとかなきゃ・・・
返信する
■にゃんこさん (えい)
2006-09-20 22:45:42
いいんですか、いいんですか?

これ、ほんとうにとんでもない映画ですよ。

あの『ハイテンション』なんかよりも

遥かに怖いです。

あとで怨まれないように

予防線を張っておかねば(笑)。
返信する
おおお (隣の評論家)
2006-10-28 23:01:45
再開ですか?お待ちしてましたよー

と言うか、コメントを残すとえいさんに負担を増やすだけだと思いつつ、結局入れててスイマセン。

タイのウェブサイトの話、怖いですね。全てが創作という訳でもないという事ですかー。こえぇぇぇー

三池監督を呼んだのは、イーライ・ロス監督の方でしたか...笑。
返信する
これは… (honu)
2006-11-05 08:21:05
えいさん、こんにちは~!

私もこのグロさ加減には、かなりキツイものがありましたぁ(-_-;)
『パートⅡ』のあるようなので、また相方が観に行こう♪と言いそうで、今から怖いです(苦笑)
返信する
■honuさん (えい)
2006-11-06 09:48:17
こんにちは。

グロさもそうなんですが、
(それは<特殊効果>とまだ理解できるのでいいのですが)、
絶対に逃げられずに、
向こうから一方的にやってくる
<痛み>と<死の恐怖>。
これにはまいりました。
続編は観るかも知れませんが、
この手の作品は、リピーターにはなりたくないですね(笑)。
返信する
あらら^^; (にゃんこ)
2007-03-21 22:23:52
DVD鑑賞の結果、『ハイテンション』のほうが
怖さが好みだったようです。
『ホステル』・・・劇場だったら、また効果が
違ったかもなんですけど、、、
生き残った彼が・・・あら?意外だったわ、と思いつつ
3人のなかでは一番美形だったような~(爆)
じゃ、生き残るかって変な納得したりしました(苦笑)
返信する
■にゃんこさん (えい)
2007-03-21 22:37:13
『ハイテンション』にしろ『ホステル』にしろ、
思い出しただけで、
体の奥がきゅっと縮こまりそう。
いやあ、この手の尖端的な痛みと
血糊はほんとうに苦手です。
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