----ふう。年が明けちゃった。
もう、このまま消えちゃうのかと…。
「なんか、最近はこんな話ばかりしているね。
読んでいる人も飽きちゃったかも…。
ということでいきなり本題。
今年は
A面[好きにならずにいられない]と
B面[忘れじのショット]の各10本で」
----その違いってなんニャの?
「A面[好きにならずにいられない]は、
本でいうところの「ページをめくる手が止まらなかった」映画。
異性にたとえれば「理由なんかない。君に夢中」。
対するB面[忘れじのショット]は、
それまで意識していなかったのに「えっ。いいじゃん」の瞬間との出会い」
----う~ん。
分ったような分らないような…。
じゃあ、まずはA面からだね・
「うん
一気に行くね。
◯『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
◯『ラッシュ/プライドと友情』
◯『東京難民』
◯『あなたを抱きしめる日まで』
◯『そこのみにて光り輝く』
◯『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』
◯『ジャージー・ボーイズ』
◯『レッド・ファミリー』
◯『紙の月』
◯『インターステラー』
あっ、これは公開順ね。
それでは次にB面」
----ちょ、ちょっと待ってよ。
一本一本へのコメントは?
「だから、さっき言ったじゃない。
これらの作品は、
もう最初から最後まで夢中で入り込んだ映画。
それ以外に理由なんてない」
----そこを
「なぜ夢中になったんだろう?」
と考えなくちゃ、
映画に真摯に取り組んでいるとは言えないのでは?
「う~ん。
きついこと言うなあ。
それは次のB面で。
こっちには具体的に理由があるから…。
『あっ、これがぼくの映画だ!』と、
姿勢を正してスクリーンに向かい直した瞬間が…」
----ニャんだかダマされているような気もするけど…。
まあ、いいや。
それ、話してみてよ。
「◯『ドラッグ・ウォー 毒戦』
これはクライマックスのカーチェイス&銃撃戦。
もう、これがいつ終るのか、
果たしてだれが生き残るのか、
まったく先が読めない。
それまで
映画の視点をどこに置いているのかを、
あえて分からなくしていた意味がここで生きてくる。
◯『小さいおうち』
吉岡秀隆のもとへ向かおうとする松たか子を
黒木華が必死に思いとどまらせるシーン。
このシーンはワンショットワンシーン。
まるでサスペンス映画を見ているかの趣
◯『LIFE!』
主人公の憧れの女性が
グリーンランドで突然現れ、
ギターを抱えて
デヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」を歌うシーン。
こんなところに彼女がいるはずはないのに、
それに勇気づけられ、
彼は次の一歩、れた海を行くヘリに飛び乗る。
空想が現実を動かしてゆく、
これはまさに<映画>そのものの魅力
◯『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
これは、猫に尽きる。
地下鉄の中、
窓に映る自分を多くく開いたその眼で
驚いたように見つめる。
こんな猫の描き方を見たのは初めて。
◯『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』
これは、いろいろあるな。
まあ、普通にはラストの、
あの奇祭をあげるところだけど、
ぼくは伊藤英明の、
自分のイメージを払拭しようとしたかの演技に魅せられた。
手前を行くトラック。
光石研に声かけられた伊藤英明が
遠くから走って追いつき飛び乗るまで。
このワンショット撮影は高揚したな。
これを可能にしたのも彼の鍛え抜かれた体力あってこそだね。
◯『X-MEN:フューチャー&パスト』
これも超個人的な選定。
未来から73年へと向かったウルヴァリン。
彼がが目覚めるときにバックで流れる曲が
ロバータ・フラックの『愛は面影の中に』。
これはクリント・イーストウッドの初監督作『恐怖のメロディ』に使われていた曲。
もとより、ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマンは
イーストウッドの若いころにそっくり。
おそらく本作の監督ブライアン・シンガーも同じことを思ったんじゃないかな。
ここに『愛は面影の中に』を持ってくるというのは、
ある意味、確信犯としか思えない。
◯『るろうに剣心 京都大火編』
これも役者。とりわけ藤原竜也。
全身が包帯だらけで
わずかに目と鼻と口が覗くだけ。
役者のウリ、その一つでもある顔を隠し、
それでもなお凄まじいオーラを発する。
その彼の最初の登場シーンがまた素晴らしい。
燃え盛る炎の中、
天井には彼を追って返り討ちにあった警官たちが幾人も吊るされている。
まるでインフェルノ。
そのイメージをここまで再現した美術!
これは感慨深かったな
○『福福荘の福ちゃん』
主演の大島美幸もだけど、
ここでは大物カメラマンを演じる北見敏之の怪演を推したい。
首にその形も卑猥なカメラをぶら下げて
自分勝手な芸術論を述べる。
いかにも業界にいそうなその俗物ぶりが、
物語の先に暗雲をたちこめらせ、
観る者の気持ちをざわざわ、
落ち着かなくさせる。
○『超能力研究部の3人』
これは、一種のフェイクドキュメンタリー。
そのこと自体はさほど珍しくないけど、
映画製作の舞台裏(バックステージ)でそれ=フェイクをやるとは!?
まさに虚を突かれたってヤツ。
なかでも秋元真夏を本気にさせるためを、
相手役の女の子たちに罵倒させるシーンはもうハラハラ。
この映画の、
それこそフェイクではないドキュメンタリーが観てみたい。
○『0.5ミリ』
これも役者。
というかその起用法だね。
どちらかというと
威勢がよく右寄りの言動で知られる津川雅彦が
ここでは、繰り返し繰り返し、
先の大戦に対する反省。
戦争はよくないと述べ続ける。
あのような大物にそういう演技をつけるなんて
この監督、安藤桃子は相当に肝が据わっているなと…」
----ふう~。
ほんと一気だったニャ。
聞いてて疲れたのニャ。
「あっ、一本オーバーしちゃうけど、
『ニューヨークの巴里夫(パリジャン)』
も追加」
----おっ。久々のフランス映画。
「巴里からNYにきても相変わらずダメダメの人生を送っているグザヴィエ。
ところがひとつの“愛”がいま去っていくのを目にして、
心の中にざわめきが起こる。
この幸せだけは逃がさないと街中を疾走、愛しい人の後を追う。
カメラはバストショット、横移動。
そんな映画をぼくが嫌いになれるワケがない。
そう、映画も人生も幸せになったところで終ってほしい」
フォーンの一言「う~ん。今年はもっと話してほしいのニャ」
※2014年の五つ星だ度
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お花屋さんもよろしく。
フォーンもこんにちは
studioyunfatから改名したaliqouifilmのしんです。
毎年楽しみにしております。
メジャーもミニシアターも関係ないチョイスに映画愛のほどがしのばれ、自分はまだまだだなと思います。
私のベストと面白いくらいかぶってません。後追い鑑賞の参考にさせていただきたいと思います。
今年も映画であいましょう。
私事ですが信州から引っ越し、埼玉暮らしをしております。週末は池袋か新宿で映画を観るようになりました。
鑑賞の参考にもさせていただきます
しんさんに、かけていただいた言葉、
ほんとうに嬉しいです。
確かに、ぼくにとって「映画は映画」で、
映画でしか味わえない世界を観せてもらえれば、
アートもエンタメも関係ない、
そう思っています。
Blogから去っていく人が多い中、しんさんは、いわば戦友。
がんばっていきまっしょい。
私の1位「小さいおうち」や、東京国際映画祭の観客賞で映画館も平日満員(年寄りが多かったけど)の「レッドファミリー」、単に公開時機のせいだと思いたい「ベイマックス」らの評価がかなり低いのはとても不思議です。
よろしくご覧下さい。
「ウッジョブ」のジャッキー・チェンみたいな海猿は同感です。
A面とB面ですか。
面白い選出の仕方ですね。
確かにB面に代表されるように、インパクト抜群の映画的瞬間を味わえる作品が多かった様に感じます。
「0.5ミリ」の津川雅彦の演技には、驚かされました。
大ベテランにあれをやらせる監督も凄いが、受けてたつ役者も凄いなと。
今年も期待作が沢山ありますから、今からどんな瞬間に出会えるのか楽しみ。
本年もよろしくおねがいします。
私もインサイド・ルーウィン・デイヴィスの猫の使い方が面白くて、とても心に残りました。
『小さいおうち』、見なければいけないテーマと知りながらも、つい避けてしまいました。
必ず見てみますね。
いつも、順位付けしない私ですが、
今年の1位だけははっきりしています。
それは『ラッシュ/プライドと友情』。
私が態度をはっきりさせていれば
本作がベスト10に入っていたと知り、
忸怩たる思いです。
今年もよろしくお願いします。
ノラネコさんとは、
映画で琴線に触れる部分、
とりわけ“映画だ!”と感じるシーンが
同じことが多く
とても強い仲間を得た気になります。
今年もよろしくお願いいたします。
『小さいおうち』は、
テーマよりも
ワンシーン・ワンショットのスリリングな映像が気に入り、
それだけでランクインさせてしまいました。
ぜひ、ご覧下さい。
でも、あのシーンもやはり映画館のものだなあ…。