(原題:All the Invisible Children)
----この映画もオムニバスだよね。
しかも日本でも人気の監督たちがずらり。
「うん。それぞれが描いているのは
“いまを生きる”子供たちの話。
少年兵士の物語もあれば、盗みを働く少年少女たち、
戦場の子供たちにストリートチルドレン、
さらにはHIV胎内感染した少女の物語もある」
----どれが印象に残ったのかニャ?
「やはり知っている監督の作品は入りやすかったね。
たとえばエミール・クストリッアは
いつもどおりのにぎやかなタッチ。
葬式と婚礼の行列から始まり、
少年院や窃盗団家族のけたたましい騒ぎが
映画を覆いつくす。
そのタッチは悪ふざけすれすれ。
予想がつくとは言えオチもブラックだ」
----リドリー・スコットは共同で
監督しているようだね。
「うん。ジョーダン・スコット。
彼女はリドリー・スコットのひとり娘。
この映画は少し気どっている。
主人公は中年にさしかかったフォトジャーナリスト。
戦場での悪夢から精神のバランスを崩し始めている。
そんな彼がある日、森の中を散策していると、
突然子供たちの声が聞こえてくる。
その声を追いかけていると、
なんと自分自身も少年の姿に戻ってしまう……」
----へぇ~っ。それはオモシロそうだね。
「あとスパイク・リーも見逃せないよ。
主人公は、両親がHIV感染者の上、麻薬常習者、
そして自分もHIVに感染している少女。
そのことを知った周囲は彼女をいじめるんだけど、これがまた残酷。
イジメの構造は日本だけでないことを思い知らされたね。
このエピソードのラストショットは
ある短いセリフで締めくくられる。
おそらく観た人誰もの目にいつまでも焼き付くこと
まず間違いないだろうね」
----ふうん。ニャんて言ったんだろう?
「それは内緒(笑)。
自分の目で確かめて。
でも実は、いちばん泣かされたのは
ラストを締めくくる中国のエピソード。
これは裕福だが、いがみ合う両親のもとで暮らす桑桑(ソンソン)と、
貧しい老人に拾われた孤児の小猫(シャオマオ)の話。
ふたりのエピソードが、
桑桑が捨てたフランス人形を軸に絡み合う
脚本の妙もさることながら、
このシャオマオを演じたチー・ルーイーの表情が実にいい。
彼女の愛くるしい顔に涙を誘われない人は、
まずいないんじゃないかな。
そして何よりも驚くのが、
この映画があのバイオレンスの巨匠ジョン・ウーの手によるものだと言うこと。
ぼくは、アクション映画以外の彼の作品を観たのは初めて!」
----確かにチェン・カイコーとか、
チャン・イーモウあたりが撮りそうな話だよね。
そう言えばジョン・ウーって
中国本土で撮ったの初めてじゃニャい?
「うん。それも見どころのひとつだね。
でもこのエピソード最大の特徴は、
子供によって大人が救われること。
少しジョン・ウーの言葉を引用しよう。
『我々は世界の子供たちを救う話をしているが、
本当は子供たちが我々を救っているのだ。
彼らの強さと愛が世界を変えていくだろう』。
まさに、この言葉どおりの映画だったね。
もともとは<世界中の子供たちの窮状を救うための映画>を作ろうと
いうことから始まった企画だけど、
ジョン・ウーはその企画に乗りながらも、
自分独自のスタンスを鮮明に打ち出している。
今後の彼の作る映画が、実に楽しみだ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「“小猫”って猫じゃないのニャ」
※ジョン・ウーで泣くとは自分でも驚いた度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
----この映画もオムニバスだよね。
しかも日本でも人気の監督たちがずらり。
「うん。それぞれが描いているのは
“いまを生きる”子供たちの話。
少年兵士の物語もあれば、盗みを働く少年少女たち、
戦場の子供たちにストリートチルドレン、
さらにはHIV胎内感染した少女の物語もある」
----どれが印象に残ったのかニャ?
「やはり知っている監督の作品は入りやすかったね。
たとえばエミール・クストリッアは
いつもどおりのにぎやかなタッチ。
葬式と婚礼の行列から始まり、
少年院や窃盗団家族のけたたましい騒ぎが
映画を覆いつくす。
そのタッチは悪ふざけすれすれ。
予想がつくとは言えオチもブラックだ」
----リドリー・スコットは共同で
監督しているようだね。
「うん。ジョーダン・スコット。
彼女はリドリー・スコットのひとり娘。
この映画は少し気どっている。
主人公は中年にさしかかったフォトジャーナリスト。
戦場での悪夢から精神のバランスを崩し始めている。
そんな彼がある日、森の中を散策していると、
突然子供たちの声が聞こえてくる。
その声を追いかけていると、
なんと自分自身も少年の姿に戻ってしまう……」
----へぇ~っ。それはオモシロそうだね。
「あとスパイク・リーも見逃せないよ。
主人公は、両親がHIV感染者の上、麻薬常習者、
そして自分もHIVに感染している少女。
そのことを知った周囲は彼女をいじめるんだけど、これがまた残酷。
イジメの構造は日本だけでないことを思い知らされたね。
このエピソードのラストショットは
ある短いセリフで締めくくられる。
おそらく観た人誰もの目にいつまでも焼き付くこと
まず間違いないだろうね」
----ふうん。ニャんて言ったんだろう?
「それは内緒(笑)。
自分の目で確かめて。
でも実は、いちばん泣かされたのは
ラストを締めくくる中国のエピソード。
これは裕福だが、いがみ合う両親のもとで暮らす桑桑(ソンソン)と、
貧しい老人に拾われた孤児の小猫(シャオマオ)の話。
ふたりのエピソードが、
桑桑が捨てたフランス人形を軸に絡み合う
脚本の妙もさることながら、
このシャオマオを演じたチー・ルーイーの表情が実にいい。
彼女の愛くるしい顔に涙を誘われない人は、
まずいないんじゃないかな。
そして何よりも驚くのが、
この映画があのバイオレンスの巨匠ジョン・ウーの手によるものだと言うこと。
ぼくは、アクション映画以外の彼の作品を観たのは初めて!」
----確かにチェン・カイコーとか、
チャン・イーモウあたりが撮りそうな話だよね。
そう言えばジョン・ウーって
中国本土で撮ったの初めてじゃニャい?
「うん。それも見どころのひとつだね。
でもこのエピソード最大の特徴は、
子供によって大人が救われること。
少しジョン・ウーの言葉を引用しよう。
『我々は世界の子供たちを救う話をしているが、
本当は子供たちが我々を救っているのだ。
彼らの強さと愛が世界を変えていくだろう』。
まさに、この言葉どおりの映画だったね。
もともとは<世界中の子供たちの窮状を救うための映画>を作ろうと
いうことから始まった企画だけど、
ジョン・ウーはその企画に乗りながらも、
自分独自のスタンスを鮮明に打ち出している。
今後の彼の作る映画が、実に楽しみだ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「“小猫”って猫じゃないのニャ」
※ジョン・ウーで泣くとは自分でも驚いた度
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それぞれの監督のチョイスした子供のカラーが
なんとなく、それぞれに合ってる(笑)って
漠然と感じました。
面白そう・・・上映予定でチェックできそうなとこは
東京か名古屋ですが・・・できれば劇場で観たいな~これ♪
この映画、メインがシネマライズですので、
全国展開は抑えめになっていると思われます。
ラストのジョン・ウー作品では
試写会場からすすり泣きが……。
いやあ、彼にはやられました。
イタリア映画祭で見ようかどうしようか迷って、でも公開が決まっているならと見送ってしまいました。
ちょっと期待しているので、えいさんの評でますます楽しみになってきました。
そう言えばこの映画、
イタリアの女優マリア・グラッツィア、キアラ・ティレシと
イタリア・パートを監督したステファノ・ヴィネルッソの企画で始まったんでしたね。
後援にはイタリア大使館の名も入っているし…。
ぼくのオススメは
本文でも書きましたが
スパイク・リーとジョン・ウーです。
この映画に出てくるようなものとは根本的に違う子供の世界が描かれそうで、興味深いんですけれど。
故・相米慎二がピッタリ。
最近の子役はどの映画を観ても
完全に役になり切っていますよね。
でも、昭和を始め
違う時代の子供を演じていることが多いので、
いまの子供の姿をほんとうに観てみたいです。
とても見応えのある作品で、間に合って本当に良かったと思っていたのですが
えいさんのレビューで、ジョン・ウー監督の言葉を読ませて頂いて、何か再び感動が押し寄せてきました。
>子供たちが我々を救っているのだ。
そうなのかもしれませんね。
スパイク・リーのエピソードも、少女ブランカによって両親が救われたような気がしたし。
この作品は多くの方に見て頂きたいですね。
>そのタッチは悪ふざけすれすれ。
エミール・クストリッツア監督のエピソードは賑やか過ぎましたか(笑)。普通に捉えると重たい話がカラッと軽快に進んでいくノリは好きでした。登場人物も相変わらず変てこで、可笑しかったです。少年院の院長の底抜けなポジティブ・シンキングは、結構マネしたいなんて思ってしまいましたです。(マネしなくても割かしポジティブな方ですけども)
好き嫌いは別として
エミール・クストリッツア監督の作風は個性的ですね。
この夏公開される『遠くの空へ消えた』で
行定勳監督が、
そのタッチを取り入れています。
ここまで徹底すると痛快です。
もし、よろしかったらご覧になってみてはいかがでしょうか?