ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『モールス』

2011-07-03 19:28:13 | 新作映画
(原題:Let Me In)


----これはスゴい評判。
観る前から、胸わくわくさせていたけど、
どうだった?
「いやあ。
噂にたがわぬ映画。
だけど、この映画の魅力を語るのって
けっこう難しい。
オリジナルが、
『ぼくのエリ、200歳の少女』
すでに傑作との評価を得ている、
あのスウェーデン映画を、どうハリウッド・リメイクするのか?
雰囲気が壊れるんじゃないかということが
もっとも懸念されたところだけど、
いまの作家はたいしたものだね。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』で名を挙げた監督のマット・リーヴスは、
前作とはまったく違うタイプの画作り。
雪がしんしんと降る森閑とした夜の空気の中、
結ばれるはずのない、
幼い少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)と少女アビーの恋の行方を情感たっぷりに映し出す」

----結ばれるはずのない?
「あっ、これはもちろん話してもいいことだけど、
この少女は、いわゆる吸血鬼。
血がなければ生きていけないし、
日光に浴びたら死んでしまうわけだから、
ふたりの逢瀬は夜に限られる。
だからこそ映画は余計にムーディなものに。
また、そのバックでずっと映像に寄り添う
マイケル・ジアッキノの音楽がいいんだ」

----ニャるほど。
そのアビーを演じているのがクロエ・グレース・モレッツだよね。
「そう。
『キック・アス』と同じ女優とはとても思えない。
触れたら手の中で溶けて消えてしまいそうな
淡雪のような儚さを体中からにじませている。
この映画は、彼女なしでは成立し得なかったと言っても過言じゃないだろうね」

----少女が吸血鬼の映画と言えば、
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』があるけど…。
「そうだね。
でも、この永遠にさすらう吸血鬼の哀しみとしては、
むしろ萩尾望都『ポーの一族』が近いかも。
ただ、あれはエドガーとアラン、
ふたりとも男性だったけど、
ここに出てくるふたりは男女。
映画としては、雪のイメージもあってか
『ジェレミー』を思い出したね。
さて、物語は、
このふたりに、連続猟奇殺人事件が絡んでくるという構図。
この殺人事件は、吸血鬼がらみなわけだけど、
その描き方がなかなか凄まじい。
このあたりが、ハリウッドならでは。
アビーにしても、いったんその正体を現すと、
まるで、『エクソシスト』の、
あのリーガンをも凌ぐおぞましさ。
さて、その正体を目の前で見たオーウェンが
最後に選んだ道とは…。
いやあ、何度でも観たくなる映画だなこれは…」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ところで、モールスの意味はなんなのニャ」小首ニャ

※ナイショ。タイトルは原題の方がいいなあ。
そうそう。フランコ・ゼフィレッリ版『ロミオとジュリエット』が巧く生かされている度

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