ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『HERO』

2007-08-09 23:45:58 | 新作映画
----これって記録的な視聴率を獲得した
あのテレビ番組の映画ヴァージョンなんでしょ?
「そうだね。
ぼくはテレビシリーズとは縁がなかったけど、
この映画を観れば人気の秘密も分かるな。
間違いなくこれは大ヒットするだろうね」

----あらあら、また予言ニャんかしちゃって。
そんなによくできているの?
「いや、これはそれ以前の話。
キャラクター設定と主演の役者で決まり。
主人公は高校中退で大学検定を受けて司法試験に合格。
最終学歴は中卒、“スーツを着ない”異色検事。
そりゃあ、カッコいいわね----。でもありえんの?と、
斜に構えて観ていたんだけど、
見てくれだけでなくその中身もカッコいい。
『検事は、常に加害者に対し“罪の重さと被害者の悲しみを気づかせるべきだ”』。
いわゆるそこらのエリート検事らとはまったく違う。
こんなのテレビのファンだったら先刻承知なんだろうけど…」

----しかもそれをキムタクが演じているわけだもんね。
「そういうこと。
この人が演じると、どんな役でも光り輝く。
たとえばこの映画の主人公・久利生公平は通販好き。
変なモノばかりか買い込み、しかも試しているシーンが随所に出てくる。
でもいわゆるオタクには見えない…」

---でも、それこそ持って生まれたスター性だよね。
「うん。そこが映画のトリック。
たとえば、だれが見ても雨宮(松たか子)が
自分に好意を寄せているのは分かるのに、
信じられないほどに彼は鈍感。
これって普通だったら嘘っぽくイヤミになるのに、
キムタクが演じるとそうはならない。
ほんと、得だね。
しかも仕事面では久利生のそのまっすぐな性格に
出世、保身ばかりを気にする東京地検“城西支部”の
検事や事務官たちは感化されてゆく。
まさに“HERO”だわ」

---分かった分かった(笑)。
で、お話はどうニャの?
「これがまたうまく作ってあるんだ。
久利生が担当した傷害致死事件に
なぜか大物弁護士・蒲生(松本幸四郎)が乗り込んでくる。
刑事裁判獲得日本一という彼の戦術により、
さすがの久利生も検事人生最大の危機を迎えるが…」

---問題は、なぜその大物がこんな普通の事件に乗り出してきたかだニャ。
「そう。そこに贈収賄疑惑で東京地検特捜部に目を付けられている
花岡代議士(森田一義)が絡んでくる。
まあ、これ以上は喋りたいような喋りたくないような。
実は傷害致死事件の容疑者・梅林(波岡一喜)を
そうとは知らない花岡が
自分のアリバイを成立させるための
偽の目撃者に仕立ててしまったというわけなんだ。
このことにより、
自分の担当した事件の真相を追う久利生VS.大物代議士花岡を狙う特捜部
というもう一つの対立項が生まれ、
映画を重層的にしていくんだ」

---お~っ。それは見応えありそうだニャ。
「しかも舞台は韓国にまで飛び、
そこにイ・ビョンホンまで登場」

---ニャるほど。
ヒット間違いなしというのも分かるニャ。
「ただね。
どこかで観た感覚なんだよね、これ。
正義感が強く、自分の信念で動く男。
それによって周囲も変わってゆく…」

---あっ、『踊る大捜査線』。
「しっ…。
もうフォーンったら(笑)。
でもこれってフジテレビの定番だね。
テレビのスペシャルからつながっている部分もある。
こういうのって、映画単体としてはどうなんだろう?
そうそう。
かつては検事だった蒲生が
東京地検次席検事・鍋島(児玉清)と語り合うシーンなんか
強烈なデジャブに襲われたね。
あっ、それと一つ。
映画って最後によくタイアップ曲が流れるけど、
これはいわゆる“歌”なし。
そこはよかったね」

---あっ、それは分かるニャあ。
最後に流れる歌って、
押し付けがましくって、
自分の余韻が崩れるときもあるからニャあ。


 (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「キムタクはなにやってもカッコいいニャあ」いいねぇ

※でも引き込まれて観た度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー