ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

地形図ガサゴソ 大岩ヶ岳 2

2015年05月30日 20時56分12秒 | ウォーキング

ダム湖沿いの道は広々として気持ちよく、
この季節にはタニウツギが満開だ。



人工構造物としてダムを見るときは、
広々としてきれいなあなんですが、
この谷にあった様々な自然を
無理やり水底に沈めた
人間のわがままな行為の結果として眺めると、
また違った見方になるねえ。

きっと百万輪のタニウツギが消え、
百万匹のシャクトリムシが滅びたのだろう。



そんな犠牲の上に
我々の快適な暮らしがあるんだ
ということは忘れないようにしたい。

そしてそれはまた、
天空を切り裂き、
斜面にグサリと突きたてた
道路の橋脚だってそうだ。

と、そんなことを考えている時に、
ふと思い出したのが、
昔の仕事での出来事だ。

ある日1本の電話がかかってきて、

「川に草がいっぱい生えて見苦しい」という。

見に行ってみると、
川幅15mほどの川の中洲に
「葦」や「すすき」が生い茂っていた。

これのどこが見苦しいのだろう。

コンクリートで固められ、
草1本も生えない川は
もはや川とは言えず、水路でしかない。

土があり、植物があるからこそ、
鳥が舞い、生きものが繁殖するのだよ。

それのどこが一体見苦しいんだろう
と不思議だったなあ。

そんなことを考えながら歩いているうちに、
ダム湖の最上流にきた。

そこが「丸山分岐」といわれるところだ。



ここに、小さな道しるべがある。

これと



これ。



案内には「電柱の手前から山に入って行き・・」
とあるので間違いなくこの道でしょう。

さあ、いよいよ山道です。



踏み跡に従って歩いていこう。
案外この道は人が歩いていないという印象だった。

ところどころで道が消え、
小さな谷川を右に左に渡り歩いていくことになった。

ここで靴に水を入れてしまっては、
この先厄介なので慎重に渡渉する。

この日はいつものトレランシューズではなく、
トレッキングシューズを履いてきたのは正解だったな。

結構奥深い印象だ。

と、その時、前方から一人の登山者が歩いてきた。

どこへ行くのかと聞いてきたので
「とりあえず丸山湿原に行くつもりです」
と答えると、丁寧に道を教えてくれたよ。

おかげでその先のややこしい分岐を



間違えずに済んだのはラッキーだったといえるだろう。

本当に間違った道を行ってしまうところだった。

元々このコースは
地形が読めるハイカー向き
と書かれてあったのを思い出し、
このへんからしっかりと地形を意識しつつ
歩くことになったというのも、
その出会った登山者のおかげであるともいえる。

確かに地形図ではこのあたりから、
谷筋ではなく尾根に上がっていくように
登山道の破線が描かれてある。

急斜面を登り、
その道は岩のやせ尾根へとつながっていく。

よしよし地形図を見ても間違っていない。

岩をよじ登るようにして歩き、
この先湿原に入って、
じめじめしたところに入る前に
見晴らしの良いところで昼食を摂ることにした。

今回はシーフードヌードルと
おにぎりが一つ。



景色を眺めながら、胸もお腹もいっぱいになったところで、
さあ先を急ごう。
なにせ「大岩ヶ岳」なのである。
どんな大岩が待っているかわからない。

岩稜のピークを越え、
少し下って行くとこんな橋があった。



ここからいよいよ湿原に突入する感じ。



ダム湖よりもずっと上のこんな場所に、
水たまりのようなところがいくつかある。

これぞ天然のダムである。

季節が花の端境期のようで、
湿原らしい植物はほとんど見られなかった。



もっとも、モウセンゴケのような
小さな植物は、周回の木道を歩いているだけでは
見つからないだろうけど・・・。



加えてハッチョウトンボも見ることは
かなわなかったなあ。

まあそっとしといてあげましょう。

さて、今回目指すは「大岩ヶ岳」。

ここでやっと正式な大岩ヶ岳
と書かれた道しるべに出会った。



よしよしと続く。