ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

葬儀の心得 3

2014年09月04日 21時45分09秒 | 最近の出来事

告別式の日は、時折細かい雨が降っていた。

9月に入って、急に涼しくなり、
喪服の人にも優しい気候となったのは、
親父らしい配慮だったのかもしれない。

開式の2時間前に町会の人達が来てくれた。

焼香順位帳の最後の調整をしながら、
時間はどんどん過ぎてゆき
あまり寝ていないので、
ふわふわした感じだったからか
あっという間に告別式は始まった。

三人のお坊さんが読経を始める。

襲い来る眠気と戦いながらの小一時間となった。

焼香順位表に基づき、焼香が始まる。
弔電の詠みあげ、一般焼香と続き、
式は夢のように進んでいく。

そしていよいよ出棺である。

最後に参列の皆さんで、
棺の中に花をいっぱい入れていただき、
合掌後、doironは位牌を持って、
ミセスは遺影を持って棺を誘導する。

このあと火葬場に向かうのだが、
この時に一番気にしていたのが、
手配していたバスに全員が乗れるかどうかである。

足りなければ乗用車を出していただくように、
親戚にはお願いをしておいた。

霊柩車の中でやきもきしながらみていたら
なんとか乗用車2台を出すことで
これもクリアできたようである。

まったく故人を悼むというより
段取りを気にしなければいけないので喪主は大変だ。

火葬場では、炉のスイッチをdoironが押した。

ボタンをガコンと押すのかと思いきや、
何とも手ごたえのないスイッチでした。

ボタンがいくつか並んでいて、
一斉に押すことで誰のボタンが
着火ボタンなのかわからないようになっているのか
と思ってたんやけどなあとミセスに言ったら、
「それは死刑の時でしょ」と言われた。

そりゃ失敬。

再びホールに戻ってこんどは精進上げという会食が始まる。
この時もあらかじめ声をかけていたのだが、
急きょ参加とかあった場合に、
用意した料理が足りなくなることが
最も困るのである。

お通夜の状況をみつつ用意をした料理は、
4食分残っただけでここもギリギリセーフであった。

会食が始まる前に皆さんに挨拶をした。

「本日は亡き父のためにご参列いただきありがとうございました。
皆様のおかげをもちまして葬儀の方は滞りなく終了しました。
故人も喜んでいると思います。
父は享年93歳という大往生でした。
その年齢を考えると、あの世の方が知り合いが多いと思います。
きっと今頃は盛大な歓迎会が催されようとしていると思います。
本日は母も高齢のため出席できませんでしたが、
残った我々家族力を合わせて一生懸命にやってまいりますので、
どうか今後もご指導いただきますようよろしくお願いします。
ささやかではございますが、精進上げを用意しておりますので、
骨上げまでの間ごゆっくり歓談いただきますようお願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございました。」

ペコリ

当然、拍手はありません。
そのあと、親父の遺影の前に置かれたコップに
お酒をついであげるときに、
「親父は糖尿やから少な目に入れとくわ」といったら大爆笑でした。

いつも受け狙いの不謹慎なdoironです。

食事後骨上げに行きました。
生前はペースメーカーやボルトなどを装着していたので、
骨の間に残っていたそれらが、
親父の壮絶な戦いの跡を物語っておりました。

喉仏は、割れていましたが、
パーツは全て残っていたので
組み合わせて骨壺へ入れることができました。

その他の骨も、2年前まで歩きまわっていただけに
すべて立派でした。

こうして、親父は小さな骨壺に納まりました。
しばらくはそれを眺めながら
満中陰まで拝み続けます。

戦争を経験し、母親と二人の子を養い、
晩年は高齢と戦ってきた親父の人生は
ここにこうして幕を下ろしました。

もう、苦労をすることも、
何と戦うこともしなくて済みます。
どうか安らかに極楽へ行ってください。

親父、ありがとうございました。

合掌