麹クンはよく頑張った。
違う、違う
それは広治クン
糖分をせっせとアルコールに変え、
まるで一幅の名画を見るような味で(ほめ過ぎ?)、
飲んだ人をぽわーんとさせてくれる
おいしいお酒をがんばって造ってくれた。
そんな麹クンに敬意を表して
このドブロクの「銘柄」を考えてやることにした。
そこでまず日本酒の銘柄を調べてみたら、
それこそ星の数ほどあるんやね。
よくあるのが「OO錦」や「OO誉」
あるいは「OO正宗」といった名前だ。
だがそれではあまりにもありきたりだろう。
では、思い切って発想を変えて
「どぶろく」というほどしっかりしたものではないから
「どぶさん」というのはどうだろう。
「あぶさん」みたいで酒の雰囲気がするかな
とおもったが、
やはり「どぶ」ではあまりおいしそうにないし、
ポリシーが安っぽい。
何かないかなと思って、
部屋を見渡してみると、
今年の正月に書き初めで書いたこれが目に入った。
「大丈夫」。
うん、これはなかなかいけるではないか。
高齢の親の面倒を見つつ
合間に作ったお酒にふさわしい名前かもしれない。
かなりいい線じゃないかと思いつつも、
もうひとひねりしたいところだ。
そこで考えたのが、「大丈夫」の「丈」を
「醸造」の「醸」に変えてみたらどうか。
「大醸夫」
おおこれだとなんとなく「大吟醸」を
におわす雰囲気があるではないか。
しかも大の大人なのに
醸造にうつつを抜かしている夫が作った
お酒にぴったりの名前ではないか。
ということで、この名前に決定することにした。
早速墨と筆を用意して、ラベルづくりだ。
紙はやはり和紙がいいだろうということで、
手持ちの和紙の中から「越前和紙」をチョイスし、
金銀の紙吹雪がちりばめられた一枚を使うことにした。
銘柄だけではなく、
横に「極上」の文字を入れ、
「どいろん酒造」と書き添えてできたのが、これ。
ペットボトルなのでシルエットはイマイチだけど、
ラベルはなかなか決まっているでしょ。
書道セットを出したついでに、
よく田舎の造り酒屋なんかで見るあの言葉も書いて、
壁に貼りだした。
最初はあきれ顔だったミセスも
ここまでやったら「あきらめ顔」になってましたな。
でもねえ、近ごろ再入院した義父さんの状態が芳しくなく、
落ち込み気味だったミセスが
杉玉をみてふとつぶやいてたよ。
「なんかこれ癒されるね」だと。
義父さんもきっとよくなるよ、
だからこその「大醸夫」なんだよと説明し、
ポイントを獲得したdoironなのであった。
無事に退院したらささやかに
「大醸夫」パーティをやろうと思っている今日この頃だ。
そして次なる挑戦は
味噌かな?
チーズかな?
醤油かな?