ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

カニカニツアー 取材編1

2014年02月25日 22時01分49秒 | ウォーキング

みんなとワイワイ行くのは本当に楽しいものですが、
今回はもう一つ楽しみがありました。
それが、旅の取材です。

今回doironがカニを食べに行ったその旅館に
松本清張が約50年前に2ヵ月滞在して書いたという小説が

「Dの複合」



その小説も念頭に、
木津温泉周辺を時間と事情の許す範囲で
取材してみようと思ったのです。

ツアーでは、途中でバスを下車して
宿まで走るオプションも考えてくれていたのですが、
結局誰も走る者はおらず、
バスはそのまま旅館に直行しました。

到着は降り注ぐ陽光と
そこはかとなく漂う春風が
ポカポカと気温を上げ始めた午前11時15分頃でした。

食事までに1時間以上あったので、
とりあえず宿の周辺を見ておこうと、
宿の中に入らず、
バスから荷物を持ったまま
さっそく散策に出かけることにしました。

日帰りツアーの限られた時間ですから、
効率よく行動しないといけません。

先ず最初に行ったのは木津温泉の駅です。
今回はバスできましたが、
やはり鉄道の駅は旅の始発点です。
おさえておかなくてはならないでしょう。

最寄りの「木津温泉駅」は、
平成2年にJR宮津線を引き継いで、
第三セクターの北近畿タンゴ鉄道(KTR)が
宮津線として営業を始めた路線の駅です。
元々ホームが線路の両側にあったというように
今もその名残のホームの一部が残っていました。



また、和風建築の駅舎は趣のある雰囲気をかもしておりましたな。



と、ここで駅周辺の表示を見て気づいたのが、
「木津温泉」をずっと
「きづおんせん」と思っていたのは実は間違いで、
正しくは「きつおんせん」と濁らないということでした。フムフム

京都の木津川や大阪の木津市場など
「きづ」と濁るところがほとんどなのに、
所変われば読み方も変わるものですねえ。

まさか透明な湯が湧く温泉地だけに、
濁るのを避けたということではないかと思って
調べてみましたが、そんな記述はどこにもありませんでした。

Dの複合では
「木津温泉は山と狭い田んぼばかりの
町らしいものが見えないところ」のように
木津温泉の光景が書かれてありますが、
50年前とは印象がかなり異なり、
駅前には国道まで続く広い通りがあり、
田舎ではありますが
しっかり町の体をなしておりました。




ただし、その広い道沿いには店はなく、
突き当たりの国道沿いに
何軒か店が並んでいるのは、



最近の旅の形態が
電車よりも自動車
という傾向になっているから
仕方がないのかもしれません。

地元のグループが作って
ホームページにアップしてあった
「のんびりぶらぶらマップ」木津温泉駅周辺版を
プリントアウトして持ってきていたので、
それを見ながら次に向かったのが

医王堂

歩いて10分くらいで到着します。

マップによりますと、
ここから清張が滞在していた
旅館の書斎にしていた部屋の窓が見えるそうです。

ということは、
清張も書斎の窓からここを見ていたということですね。

ここは正しくは「温泉山 医王堂」といいます。



石碑には「目を洗う、心を洗う」と書かれてあります。
島根にある一畑薬師の分霊所で、
地元の人には目の病気に御利益のある
「お薬師さん」と言う名で親しまれているそうです。

このお薬師さんの山の下に立ちますと、
お堂に上がる階段の入り口にある
鮮魚店の方にハゲシク心をひかれますが、
まずはやはりお詣りです。

灯籠が並ぶ急な階段を登って行くと、



突き当たりに展望台がとりあえず開けています。

とりあえずというのは、
周りに結構密に雑木が茂っていたからです。

どれどれ、清張の書斎はどこじゃと眺めると、
ちょうどその場所が見えるように木々の枝がなく、
ぽっかりと空間を作っていました。


赤丸内が清張の書斎です。

もしかしたら地元の人のご努力なのかもしれません。
遠くから眺める清張の書斎は、
雪景色に映える赤い塗り瓦
(たぶん石州瓦)の屋根の中央あたりが
軒先にせり出した部分の真下にあたりますから、
その屋根の色と形を目印に探せば
容易に見つかるはずです。

その展望台で眺めた後、
Uターンするように再び登ると、
そこが医王堂です。



doironも若い時は、
真夏のトライアスロンのレースや
練習で目を酷使してきましたから、
この歳になると目を大事にしないといけませんし、
親も含めて身の回りに目の病で困っている人もいるので、
しっかりとお詣りをしておきました。

参道を引き返して階段を下っていく途中、
こんな植物と出合いました。


ハート形の紅葉している葉がそれです。
花はもう少し後にならないと咲きません。

昔、山に登った時にはよく見たのですが、
近ごろとんと見なくなった
「イカリソウ」です。

誤変換すると「イカ理想」となり、
ちょっぴりうれしいイカ好きのdoironです。

正確にいうと「トキワイカリソウ」という植物です。

船の錨に似た花をつけるこの植物、
特に「トキワ・・」は日本海側に多く、
北陸では白色、福井以西では紅紫色の花をつける傾向にあります。
イカリソウは「強精剤」のもととなる
生薬の成分を多く含んでいる漢方薬としても知られ、
なかなかお薬師さんの参道には
ふさわしい植物ではあるな
と思いながら歩いていたのでした。

せっかく遠くまで来たので、
このシリーズもう少し続きます。