普段、doironは
親父の棲息する部屋の真上の2階で寝ている。
就寝時にも下の様子を
何となく音で確かめるためにそうしている。
親父は昼間に家にいると、
軽眠を何度かするために、
夜中に起きていることが多い。
それはあまり好ましくないことなのだが
今となっては、様々なシーンで
自分の思うようにしたらいいわ
と口うるさく言わないように努めている。
テレビを見たり、
本を読んだりしながら過ごしているのだが、
たまに棚から水の入ったペットボトルを落としたり、
タンスの引き出しが抜けたりすると
派手な音がするため、
枕に耳をつけて寝ていると
すわっ、転けたか!と慌てて階段を下りて駆けつける。
まあたいてい本人は、キョトンとしている。
以前、夜中に下でかなり派手な音が続いたときに、
あ~あ、また何かしてるなあ
程度に思っていたが、
あまりに続くので寝ぼけ眼で起きて行ったら、
どうも低血糖で意識障害を起こし
暴れていたようである。
これはまずいと救急車を呼び
搬送してもらったが、
点滴をしてケロッとして帰ってきたということもあった。
それ以来、夜中の下の物音には
ますます敏感になってしまった。
と、そんな背景がある中で、
大阪に珍しく降り積もった雪が、
雨で溶け始めた昨夜のことである。
夜中に
「ど~ん」
という音で目が覚めた。
これはまた何かあったかと思い
起きていくと、
部屋は真っ暗でスヤスヤと眠っている様子。
こたつでは、獣とは思えない無警戒な姿で
熟睡している愛犬グーの下半身も見えている。
さっきの音は何だったんだろう、
と台所やガス周り等もチェックしたが異常はない。
首をかしげながら2階に戻り、
何もなければいいやと思いつつ
うとうとと眠りにつき始めたところで、
またまた
「どしゃ~ん」
という大音量に起こされた。
で、そのときやっとその音が
溶けはじめた雪が
屋根から落ちる音であることに気がついたのである。
そういえば、昔々の学生の頃、
雪国に4年間住んでいたときも同様に、
ドカ雪の後は決まって
屋根からすさまじい音をたてて雪が落ちてきて、
頻繁に眠りを妨げられたことがあったのを思い出した。
また、その落雪は
ひどい時には死人まで出たこともあったのを
記憶しているし、
最近もそんなニュースを聞いたような気がする。
溶けはじめて湿った雪は
思いのほか重量があるものなのだ。
音の原因がそれだと分かったものの、
やはり高齢者を抱えている身としては
長年の習性で、どさっと音がするたびに
転倒を連想してびくっと起きてしまうから、
どうも昨夜は熟睡できていないような気がする。
でもねえ、季節が来たら毎日こんな夜が続く
雪国の人はどうしてるんでしょうね。
それは、そんな夜だけのことにかかわらず
昼間も車いすだって押しにくいだろうし、
少し歩けたとしても雪の中じゃ
なかなか身動き取れないだろうしな。
介護なんて今に始まったことじゃない。
いつの世も世間には必ずあることなんだけど、
若い頃にはそんな目で世間を見ることがなかったから、
自分の記憶の中には
昔はどうしてたのかなんてほとんど残っていない。
今になって若さゆえの厚顔無恥を
悔いるとまではいかないけれど、
昨夜のように雪の落ちる音を聞きながら
ふと昔のことを思い出したときに
あの頃はつくづく世間知らずだったなあ
と思いだしてしまうことがたまにある。
追伸
明日の泉州マラソンは応援に行きます。
スタート地点、
羽衣あたり
31キロくらいのタイムのエイドの500m位先
スカイブリッジのりんくう側の橋詰
あたりで応援予定です。
見つけて元気だったら声かけてください~