ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

渡る世間は老人ばかり

2014年02月07日 21時28分12秒 | 生活

まもなく92歳になる実父は、
doironと同じくらいの年齢に会社を引退し、
地域の人達と碁や太極拳や
政治家の後援会活動などを通じて
多くの人と交流をしてきたからとても顔が広い。

なので、病院通いに付き添っていると、
たいていの病院で知り合いに会う。

「私ゃ若い時にお父さんにお世話になってのう」
と話しかけられることがたびたびなのだ。

「息子さん?大変やけどがんばってな」
と声をかけてくれたりもする。

でもたいていは、
親父とのなれそめを語り始め、
自分の年齢や病状を教えようとする人が多い。

いちいち頷いてはいるものの、
こちらとしては
なかなか顔も名前も覚えられないので困ることがよくある。

一人でいるときに、
道ですれ違ったりしても、
急に「お父さん、どう?」
などと話しかけられることがたまにあり、
「誰だったかな?」と思いつつ、
「ええまあ」などと言葉を濁しながら
社交辞令を重ねている。
まったく世間は狭い。

それに高齢者はたいてい話が長いので、
急いでいる時なんかは、
地団太を踏むこともたまにある。

昨日も泌尿器科で、
親父の診察待ちをしている時に、
待合でふたりの人に声をかけられた。

「ああ、こころ静かに読書をしている
doironをかき乱さないでほしいなあ」
と思いつつ、無下にもできないので
話に付き合ってあげた。

「息子さん、仕事は?」とよく聞かれる。
そりゃあ平日の真昼間に、
毎回会うのだから当然の疑問である。

そんな時は「自営業です」と答えるのだが、
「ふーん、どんな?」と聞かれたりすると、
もう逃れようもないから
「ライターです」と答えると、
ますます相手の目がキラリンと輝きだすんだよね。

ああ~めんどくさあい。
このまま尋問に応じていたら、
底知れず続くぞと思い、
相手の病状を尋ねたりして
話の矛先を変えるのだが、
そうすると待ってましたとばかりに
今度は自分の病気自慢が始まったりするから、
超高齢者のお相手は難しい。

難儀して病院へ連れて行き、
半日つぶして付き添うのも苦労なのに、
なぜに神様はこんな試練を
doironに与えたまふのだろうなどと考えつつ、
うわの空で相手をするから、
なおさらのこと
顔も名前も覚えられないという
悪循環に陥ってしまうのだ。

風邪のはやるこのシーズンの病院だから、
マスクをしている人も多く、
そうなると見えているのも顔の一部分だけだから
こちらとしては混乱の極みとなる。

4人の親の医者通いで、
社会医療費増大の片棒を担いでいる身としては、
世間様に対して
ただでさえ縮こまる思いであるのに、
こうして世間の知り合いが
いつどこで見ているかわからないという
窮屈感の中での病院通いも、
気持ち的になかなかしんどい
介護シーンのひとつなのである。