ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

義母さんのかきもち

2012年01月19日 22時25分29秒 | 生活

義母さんがデイサービスに行くのを見計らって、
迎えてくれる施設で
献立を考えている
管理栄養士のキャッさんが
義母さんの好物は何かと聞いてくれた。

そやなあ、
アワビとフグと松阪牛やなと言えば、
ぶっ飛ばされそうなので
真剣に考えてみた。
だいたい義母さんの嗜好は
あっさり系OR酒のつまみ系だが、
天ぷらもちょっと好きという複雑な嗜好を持っている。

もとより、食には
非常にこだわりを持つ人で、
たまに旅行の土産を買おうとしても、
ミセスdoironにそんなのは絶対に食べへんから
と言われて拒否されることが多い。

買うのなら変に味付けしたものではなく、
素材のままの方が好まれるようである。

そんなこだわりのある義母さんゆえ
よく作ってくれるものに、
秘伝ともいうべきものがいくつかある。

ひとつは「豆昆布」。

昆布の佃煮に大豆を固く煮しめたものが入っており、
薄く短冊状にした柚子をいれて
味のアクセントにしたものだ。
これがあると、ごはんが何杯でもいける

「ご飯がイケルくん」だ。

もちろん、少々味は濃いが、
酒のつまみにもなる。

もうひとつが「じゃこ山椒」だ。
これも、山椒の風味を最大限に引き出しつつ、
しょうゆで薄めに味付けしたじゃこにまぶしてある。

具合よくできた山椒は、
ほんとに小粒でもピリリどころか
グワーンと辛い。
これも食欲をグゥーンとアップさせる、

「食欲アップくん」だ。

この二点は、作り続けて120年。
母から娘に引き継がれてるからね。
老舗の佃煮屋も真っ青の絶品であると言ってよいだろう。
ミセスdoironも少しずつ教えてもらっているようだが、
なかなか義母さんの味にまでは到達していない。

ナマコの酢加減、
カズノコの塩加減、
炊き込みご飯の炊き加減、
土手鍋のみその塗り方など、
まだまだ伝授してもらわないといけないことは多い。
ミセスdoironも退職して
春から時間ができるので、
せっせと勉強してもらおう。

というわけで、
施設でキャッさんに腕を振るってもらうとしたら、
天ぷらが無難かなあ。
エビ、レンコン、カボチャ、
そして変わったところでは
アオヤギ(バカ貝)がお好みだ。

そして義母さんの食を語るとき、
忘れてならないのが、

「カキモチ」。

餅つき機でついた餅を少し干して、
うすーく切る。
そしてそれをさらに新聞紙に広げて干して
カチンカチンにして保存する。

いわゆる昔でいう干飯(ほしいい)かな。

しかし、ただ単に餅をつくだけではなく、
そこに具を入れる。
そうしてできたものの一部がこれだ。



上から、柚子、ゴマ、海苔、紫蘇、エビが混ぜられてある。
このほかにもバリエーションがあって、
一味唐辛子入り、
黒豆入りなどもある。

これも、常に台所の机に上にあって、
ちょっと小腹がすいたときなどに焼いて食べると、
絶品なのである。

正月を挟んで食べる義母さんのかきもちは、
間違いなく「おふくろの味」である。

以上の嗜好を踏まえて、
あとは管理栄養士の腕の見せ所だと
キャッさんには言っておこう。