雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

忘れな草

2010-08-16 22:49:19 | 映画
1枚だけカンツォーネのCDを持っています。
パバロッティが歌っています。
何か音楽を聴こうとしてたまたまこのCDを手に
したので聴きました。
このCDを聴いていて昔のことを思い出しました。

中学の時に年に数回学校から映画鑑賞で映画館に映画を
見に行きました。
そのうちのひとつに「忘れな草」があります。
この映画の中でふんだんにカンツォーネが歌われていました。
ろうろうと歌われる歌にひきつけられました。
それとかわいい坊やが出てきたことを覚えています。
忘れな草というのは歌の題名で映画の中で何回も歌われて
いたはずです。
あの時に歌っていた人の忘れな草を聴いてみたいと
インターネットで検索してみました。
映画の原題は"Vento Di Primavera" 歌っていたのは
テナー歌手 Tagliavini(タビアビーニ) です。
YouTubu で数件この映画で歌われている歌がヒット
しました。
なつかしいです。もう一度聴いてみたかったのです。
映画ももう一度見てみたいですが無理でしょうね。
その一部分だけでも見ることができてうれしいです。

天使はモップを持って

2010-08-15 21:54:30 | 

近藤史恵著"天使はモップを持って"を読みました。
本格ミステリーと表紙に書かれていますがこれは
ミステリーなんだろうか。
梶本大介、新入社員です。大介が語り手です。
課長と女性4人のオペレータルームに配属されます。
データをコンピュータに入力する部署のようです。
今もそういう仕事はあるのですね。
手書き資料を入力するには誰かが入力しなければ
いけないのだからあってもふしぎではないですね。
大介の会社のビルの清掃を一手に引き受けているのが
十七,八をおもわせるいまどきのおしゃれな格好を
したポニーテールの女の子のキリコです。
キリコは明るくはきはきとした子です。
掃除が好きだしほこりを持っています。
少しの間キリコが仕事を休んで代わりの清掃員が来た
時はみんなの不満がたかまりました。
すみずみまでしっかり磨かれていないのでビル全体が
薄汚れた感じに見えてくるのです。
大介とキリコは仲がよくお昼やすみなどによくおしゃべり
してます。
全体の流れはこんな感じです。
八つの短編からなる連作短編集です。
キリコがちょっとした謎を解き明かします。
最後の話はちょっとひとひねりしてあります。
大介はお母さんが急死したあと突然結婚してしまいます。
キリコにちょっと心ひかれていたはずなのに…
仕事小説でもあります。
お掃除を情熱を持ってやっているキリコ、いいですね。

図書館のなぞ

2010-08-12 21:36:01 | 

ガートルード・ウォーナー著"図書館のなぞ"を読みました。
ヘンリー、ジェシー、ヴァイオレット、ベニーの兄弟は
両親が死んでおじいさんと暮らしています。
時代はいつなのかわかりませんが料理にまきを使い
井戸から水を汲むという生活をしている時期です。
4人はおじいさんから今は使われていない図書館を整理
する仕事をやってみないかともちかけられました。
4人は喜んで引き受け図書館の近くのおじいさんの
友達の夏の間使われていない家に住んで毎日
図書館の整理に出かけます。
整理していて南北戦争の記念の剣をみつけます。
そのころから家のまわりをあやしい人がうろうろ
したり図書館をあらされたりします。

子供たちは一番上の子は12歳、一番したは5,6歳です。
まだ小さな子ばっかりなのに子供達だけの生活に
送り出してやる、そんなことができる時代だったので
しょうか。
火を使って料理をしなければいけません。
いまみたいに生活するのが楽ならいいけど何もかも
手がかかる時代によく出してやるなぁと感心します。
それだけではなく子供たちだけで責任を持って図書館の
整理をさせます。大人はぜんぜん手を貸しません。
子供といえど大人と同じように扱われているのですね。

小学校低学年向けの本です。
シリーズになっていてずらーと図書館の本棚をしめています。
子供の時にこの本を手に取っていたらきっとシリーズ全部を
読んだだろうと思います。

わたしとトムおじさん

2010-08-11 21:56:06 | 
小路 幸也
朝日新聞出版
発売日:2009-01-20


小路幸也著"わたしとトムおじさん"を読みました。
わたしこと帆奈(はんな)はニューヨークにすむお父さん、
お母さんが別居し両方が仕事で忙しいので日本の
祖父母のところで暮らすことを選びます。
祖父母は明治たてもの村という施設の中にある八島庵と
いう蕎麦屋を営んでいます。住まいはその蕎麦屋さんです。
帆奈のお父さんはイギリス人です。
お母さんの弟の斗六(トム)は高校を中退した元引きこもりです。
芸実的な能力を持ったトムおじさんは建物の修復や家具の
修復などを仕事にしています。
村から出ていけなかったトムですが徐々に働く場所を広げ
人とのつながりを広めていきます。
帆奈は学校でいじめに会います。それで学校へいくのを
止めてしまいます。いじめに屈したというわけではなく
いじめという理不尽なことがある学校に行く必要は
ないという考えからです。
しっかり者の帆奈と人とうまくコミュニケーションが
とれないトムおじさんです。
トムおじさん、人をうならせるすばらしい仕事をします。
自分と同じような生きるのが下手な子供達を仕事を通じて
手助けしてやります。

いじめやコミュニケーションを取るのがへたな人びとを
描いたものですが暗くはありません。
トムや帆奈は明治たてもの村というコミュニティ内の
人々のつながりのなかで幸せにくらしています。
トムはもう外へ出ても生きていけるでしょう。
それにしても最近はいじめが描かれているものが多すぎです。
世の中にいじめがあるのが当然みたいに根付いてしまって
なぜそれが当然なんだろうと思わずにはいられません。

それからはスープのことばかり考えて暮らした

2010-08-11 07:51:25 | 

吉田篤弘著"それからはスープのことばかり考えて暮らした"
を読みました。
大里(おおり)という若い男性が主人公です。
ニュックネームはオーリィ君。
会社を辞めて無職となり、引越してアパートも変えます。
昔の映画に出てくる端役の女優さんにあこがれ古い
彼女の映画を求めて映画館へ通うのを趣味にしています。
近所のサンドイッチ屋さんのおいしさにひかれて毎日
通っています。
そのうちその店の店主に働かないかと誘われます。
サンドイッチ作りに打ち込むようになります。
アパートの大家さんのマダムや、サンドイッチ屋の
安藤さん、息子のリツ君、映画館でよく出会う
緑の帽子の老婦人のあおいさん、その孫の森田君
など登場する人々がみんないい人たちです。
いつの間にか知り合いになっていった人々です。

近くに商売がたきのサンドイッチ屋が出来てお客さんが
減ったことで何か新しい物をということで考えたのが
スープを作ることです。
スープを開発することをまかされたオーリィは
本を買って毎日のようにスープ作りに没頭します。

特にストーリがあるというわけではなく街で生きる
人々の日々を描いたものです。
やさしい人々に包まれおだやかな気分になります。
ただ最後の終わり方があまりにも尻切れトンボで、
もうちょっとなんとか終わった、という感じに
まとめて欲しいです。
なんか気分が落ち着きません。

家守綺譚 (いえもりきたん)

2010-08-07 22:53:59 | 
梨木 香歩
新潮社
発売日:2004-01


梨木香歩著"家守綺譚 (いえもりきたん)"を読みました。
綿貫は学生時代の親友の実家に家の面倒をみてくれる
よう頼まれてその家に住むことになります。
古い家と広い庭があります。
親友の高堂はボートに乗っていて行方不明になりました。
この本は現実と幽玄の世界が交じり合った不思議な雰囲気を
漂わせた話です。
高堂が掛け軸からボートを漕いでやってきます。
庭のさるすべりの木は綿貫が好きです。
木に本を読んでやります。
犬のゴローは不思議な世界のことをわかっているようです。
隣の奥さんは犬のためにといってご飯を持ってきてくれます。
奥さん、お寺の和尚は河童が住んでいることや狸や狐が
人を化かすため出てくるということを当たり前のことと
思っています。
いろんな植物の話と不思議な世界のことが語られます。

この本の雰囲気悪くありません。
こんな家でこんな庭で不思議な出来事に出会うのは
いいかもしれません。
恐いというより気持ちがゆったりしてくる感じです。

サマー・ポップスコンサート2010

2010-08-07 10:23:00 | 音楽
昨晩、名フィルのサマーポップスコンサートに行って
きました。数日前に名フィルからちらしが送られて
きていました。それを見ても行く気はなかったのですが
前の晩に突然、そうだ明日はコンサートへ行こうと
思い立って行くことにしました。
さっき読んでいた本にちらしを三百枚配ってきたけど
来たお客さんは一人だったという部分があって、私は
もしかして1/300の割合でコンサートへ行ったのかなと
思いました。ちらしも役割をはたしているようです。

楽しいコンサートでした。第一部は指揮をされた
ボフ・佐久間さんが作曲された曲で交響楽団らしい
だーんと高まるところがあり、でもとっつきやすい
曲でした。
第二部は雨・虹・風・太陽を主題にしたポップスの
メドレーでした。
ほとんどの曲が聞いたことがあるなつかしい曲でした。
間にボフさんの軽快なおしゃべりがあってリラックス
して聞けました。


クラッシックのコンサートでは指揮者は一言も
しゃべらないのがほとんどです。
つまりませんね。それが伝統のスタイルなんでしょうが
せめて曲紹介ぐらいしてくれたらもっと親しみが
わくと思うんですができないもんなんでしょうか。

太陽のパスタ、豆のスープ

2010-08-04 23:00:15 | 

宮本奈都著"太陽のパスタ、豆のスープ"を読みました。
あすわは結婚式を数ヶ月後に控えたある日、婚約者の
譲から婚約破棄されます。
すっかり落ちこんだあすわです。
両親とフリータの兄と暮らしています。お母さんの妹の
六花(ロッカ)さんがしょっちゅうあらわれます。
やりたいことをリストに書き出してみるようにいわれます。
食べたいものを食べる。髪を切る。引越す。
あまりたいしたことでないですね。
それで引越しをします。
家から近く、ロッカさんの家にはもっと近いアパートに。
ロッカさんはしょっちゅうあらわれ、ごはんを食べて
いきます。
会社の同僚の郁ちゃんとは気が合っていましたが
私生活までは知らなかったのですが青空市場で豆のスープ
を売っているのに出会います。

振られてつらい状態ですがまわりにはにぎやかな人が
いて友達もいて、孤独でどんどん落ち込んでいくという
状態にはなりえない環境ではあります。
振られたことで始まった人生に新しい部分が加わって
いきます。

カカオ80%の夏

2010-08-03 22:45:38 | 

永井するみ著"カカオ80%の夏"を読みました。
凪は高校生です。カカオ80%のチョコレートが
好物です。
夏休みにクラスメートの雪絵が書置きを残していなく
なってしまいました。
お母さんから行方をしらないかと電話をもらった凪は
調査を開始します。
凪は雪絵と親しかったわけではなく一度だけ買い物に
付き合ったという間柄です。
雪絵はおとなしくまじめな性格です。
雪絵のパソコンから二人のブログを書いている高校生の
女性にメールを出しいろいろな質問をしていることが
わかります。
凪が雪絵を見つけ出すまでの6日間を描いたものです。
近所のカフェのマスターの国府さんや、クラブで働いて
いるジェイクなど凪を助けてくれる大人の知り合いが
まわりにはいます。
雪絵がメールで欲しい情報を聞き出していたミリ、紀穂子
とも親しくなります。

雪絵が母親にないしょで家を出て行くという行動が
どうもわかりません。やりたいことがあればちゃんと
説明してからやればいいのに。
気づかないうちに事件に巻き込まれてしまうことに
なるんですよね。

凪はしっかりした女の子です。
問題を解決するためにどこから手をつけていくべきか
ちゃんとわかる判断力のある子です。
このまま社会人として生きていける能力があります。

シンデレラ・ティース

2010-08-02 22:12:53 | 

坂木司著"シンデレラ・ティース"を読みました。
サキは大学二年生です。
夏休みにアルバイトをしようとします。
お母さんがアルバイト先を紹介してくれます。
そこはサキが恐怖感を持っている歯医者さんです。
サキの叔父さんが歯医者さんで品川デンタルクリニックに
勤めています。
このクリニックで受付の仕事を夏休みの間することに
なりました。

院長とお医者さんが二人、歯科衛生士が三人、窓口事務が一人
歯科技工士が一人のクリニックです。

歯医者さんに行くのは嫌いです。今だってほんとはいかなけ
ればいけないのですがなかなか行く気にはなりません。
歯は削ったらもう元に戻りません。
いいお医者さんかそうでないか、かかる前に知る方法がないと
いうのは残念です。

この本に出てくる歯医者さんはこんな歯医者さんだったら
行きたいと思う理想的なところです。
こんなふうに患者のことを考えて治療をしてくれるところが
あるんだと思わせられました。
きっと探せばこんなふうに真剣に仕事をしている歯医者さんは
あるでしょうね。

仕事物の本でした。
歯医者さんがよくわかる本です。
いっしょうけんめい仕事をしている人たちの話しを読むのは
いいですね。

星を継ぐもの

2010-08-01 20:28:31 | 
ジェイムズ・P・ホーガン
東京創元社
発売日:1980-05-23


ジェームズ・P・ホーガン著"星を継ぐもの"を読みました。
SFです。この本がビジネス書として紹介されているのを
見ました。登場人物がプロジェクトを引っ張っていく様子
がすばらい、現実の世界で参考になると書かれていました。
どんなふうにリーダシップを発揮するのだろうと興味を
持ち読んでみる気になりました。

読み終わって紹介されていたようには感じませんでした。
大勢で分担して働くということがなかったせいでよく
理解できないのかもしれません。

でもこの本すばらしいです。あまりにスケールが大きくて、
よくこんな物語を書けるものだと感心します。
月に観光で行けるというように地球と月に交通網ができている
時代の話です。
月で死体が発見されます。調べるとこの人は5万年前に
死んでいることがわかります。
チャーリーと名づけられたこの人はいったいどこから来た
のか科学者たちがいっせいに調べ始めます。
体は地球人とまったく同じであることがわかります。
もしチャーリーが地球人なら文明が発達したあとなんの
跡形もなく滅びたのちまた最初から進化して現代の人類に
なったということになります。
月には彼らが月に作った施設が発見され残された資料が
科学者たちによって解読されます。
ミネルヴァと呼ばれる惑星からきたことが解析されます。
チャーリーの発見からしばらくして木星の惑星で宇宙船が
氷の中から発見されます。
二千五百万年前のものとわかります。中から発見された
死体は人類とはまったく違う生物とわかります。

この宇宙船と月で発見されたルナリアンと名づけられた
人類との関係はなにかあるのか、ルナリアンとは何か

物語のなかに引き込まれます。
ほんとにこんなことあったのかもと思わせられてしまいます。
導き出された推論はあっと驚くすばらしいものです。
最初の部分はとっつきにくいのですが、チャーリーが発見
されるあたりからおもしろくなります。
とてもおもしろい話です。
一度読んでみてください。