小路幸也著"わたしとトムおじさん"を読みました。
わたしこと帆奈(はんな)はニューヨークにすむお父さん、
お母さんが別居し両方が仕事で忙しいので日本の
祖父母のところで暮らすことを選びます。
祖父母は明治たてもの村という施設の中にある八島庵と
いう蕎麦屋を営んでいます。住まいはその蕎麦屋さんです。
帆奈のお父さんはイギリス人です。
お母さんの弟の斗六(トム)は高校を中退した元引きこもりです。
芸実的な能力を持ったトムおじさんは建物の修復や家具の
修復などを仕事にしています。
村から出ていけなかったトムですが徐々に働く場所を広げ
人とのつながりを広めていきます。
帆奈は学校でいじめに会います。それで学校へいくのを
止めてしまいます。いじめに屈したというわけではなく
いじめという理不尽なことがある学校に行く必要は
ないという考えからです。
しっかり者の帆奈と人とうまくコミュニケーションが
とれないトムおじさんです。
トムおじさん、人をうならせるすばらしい仕事をします。
自分と同じような生きるのが下手な子供達を仕事を通じて
手助けしてやります。
いじめやコミュニケーションを取るのがへたな人びとを
描いたものですが暗くはありません。
トムや帆奈は明治たてもの村というコミュニティ内の
人々のつながりのなかで幸せにくらしています。
トムはもう外へ出ても生きていけるでしょう。
それにしても最近はいじめが描かれているものが多すぎです。
世の中にいじめがあるのが当然みたいに根付いてしまって
なぜそれが当然なんだろうと思わずにはいられません。