近藤史恵著"モップの精は深夜に現れる"と"モップの魔女は
呪文を知っている"のモップシリーズの2冊を読みました。
お掃除を仕事としているキリコが主役です。
連作短編集です。
前の"天使はモップを持って"は場所が特定されていて
大介が働いていたビルだけでしたがこの2冊は特定の
ビルではなく話のたびに場所が変わっています。
読み始めた時はどの順番で出版されたのかわからなくて
大介に出会う前の話なのかな、それともあとの話
なのかなと思いつつ読んでいました。
どうやら順番通りに読み進んだようです。
第一巻が大介と出あって結婚するまであとの2冊は
その後の話です。
書き留めておかないと忘れてしまうのですみません、
ねたばれになるかもしれませんがざくっと書き留めて
おきます。
"モップの精は深夜に現れる"
・悪い芽
上司が部下を不正をするように誘導する話
中学生の娘とどう接したらいいかわからない父親の話
・鍵のない扉
女性4人と女性の社長の出版社の社長がマンションで
死んでいた話
・オーバー・ザ・レインボウ
売れてないモデルの葵が屋上に締め出されたり、売れっ子
モデルに葵が出したと思わせた嫌がらせのメールが送られ
たりする話
・君に会いたいと思うこと
キリコが一ヶ月行き先も言わないで旅行に出かけて
しまいます。大介はキリコは何を思っているのだろうと
やきもきと待っています。その旅行の目的は意外な
ことでした。
"モップの魔女は呪文を知っている"
・水の中の悪意
スポーツ・クラブのプール内でやけどをしたという人が
現れます。何かが水の中に入れられたのではないかと
さわぎになります。
ある目的で会員を去らせようとする目論見で騒ぎが
起こされます。
・愛しき女王様
地方から出てきた大学一年生の奈津はペットショップで
一目ぼれした猫を買いたいためむちゃなアルバイトに
精を出します。
そうして手に入れた猫が別の猫を入れ替えられてしまいます。
善意から行われた内緒の入れ換えだけど奈津は自分の猫を
探します。この理由は悲しい理由です。
・第二病棟の魔女
子供病棟での話です。検査をすると正常なのに何かが
あるはず、もっと詳しく検査をとヒステリックになる
母親。代理ミュンヒハウゼン症候群 (子供を病気にしたて
それを熱心に看病することで満たされる心の病気)
でもこの話には裏があったのです。
・コーヒーを一杯
妹をはずみで死なせてしまった姉のアクセサリー通販会社の
社長の姉、死体を隠そうとしますがキリコに出会ったため
あきらめることになります。
仕事もきっちりとこなし、家事も介護もこなすキリコ、
二十歳そこそこなのにがんばっています。
キリコ好きです。