咲乃月音著"さくら色 オカンの嫁入り"を読みました。
(この本お盆のころに読んで感想を書いておきました。
今日の夕刊にこの映画のCMが大きく載っていました。
映画を見ようという方は以下読まない方がいいです。)
映画化されると聞いてどんな話なんだろうかと読んでみました。
登場人物のほとんどが過去の悲しみを抱えています。
看護師の陽子とその娘の月子はいっしょに暮らしています。
陽子がある晩酔っ払って家にほとんど月子と同じ年頃の
男を連れて帰ってきました。
捨て男を拾ってきた、この人と結婚すると宣言します。
陽子は両親を十七の時に交通事故で亡くし二十歳の時に
一生の伴侶と思っていた人を病気で亡くします。
その時にお腹に月子がいました。一人者は出て行けと
アパートを追い出され途方にくれて電車に飛び込み
そうに見えたのを、助けてくれたのが隣に住むサク婆です。
月子は転勤してきた人が不慣れで心細そうにしていたを
たこ焼きやにさそいました。
そしたらつきまとわれ、暴力をふるわれ怪我をしました。
会社を辞めるように追い込まれてしました。
電車に乗ることもできず、仕事もできずに家で過ごして
います。
捨て男こと研二は板前でした。母親に祖父の家に
置き去りにされ大人になって祖父の店を手伝っていました。
おじいさんが怪我をして入院していた時に、店を手伝って
くれた友達に借金の保証人になるよう頼まれました。
保証人になったらその友人は姿をくらましました。
借金の取立ての激しさでおじいさんは自殺を企てます。
自殺は失敗したのですがその後は車椅子で痴呆のような
状態になってしまいます。
こんなふうに辛い過去があります。
病気で別れることになったのは辛いことですが、どうする
こともできないことです。
でも月子や研二の過去はなんとも痛ましいものです。
保証人にはなるなといわれます。簡単になってしまった
という世間知らずはいなめませんが人生をぼろぼろに
されてしまって悔しく悲しい話です。
こんな陽子と研二が結婚することになります。
酔った日に拾ってきたわけではなく数年前からの
知り合いです。
実は陽子はもう長くは生きられないのです。
「僕に残りの人生見守らせてください」研二の言葉です。
この言葉は陽子が月子のお父さんに対して言った言葉
でもあります。
陽子に研二、明るく前を向いて生きていく人たちです。
月子も外に向かって生きようとしはじめます。