雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

ドクターM殺人事件

2011-11-20 18:53:03 | 

吉村達也著"ドクターM殺人事件"を読みました。
とてもおもしろかったです。
最近のミステリーはあまりおもしろくありませんが
この本には納得できます。

雪に閉じ込められた山荘物です。
逃げ出せない状況下で次々人が殺されていく話です。
集まったのは5人、総理大臣から相談したいことがあると
いう手紙をもらって集まってきた人々です。
場所は長野のまわりに何もない山奥です。
やってきたのは次の5人です。

推理作家の校條(めんじょう)賢一
俳優の御木本和彦
英会話講師トーマス・ムーア
僧侶の槇原慈紹
水泳の金メダリストで二十歳の水野勝海
送ってきた車は5人を置いて帰ってしまいました。

奇巌城と言われている山荘は宿泊設備はなく食料も
ありません。あるのはカップラーメン10個のみです。
1階のみ暖房器具があり暖められています。
2階の鍵の掛かったへやを押し破ると犯人は二人と
書かれています。
お互いに疑心暗鬼になりパニック状態です。
外は嵐のような吹雪で雪が降り積もります。

最初の殺人は一番若い水野です。
人生経験の浅い水野がなぜこのような恨みをかうことに
なったのだろうと話に引き込まれていきます。

犯人が犯罪を起こす理由に納得がいきます。
どうしようもない激しい怒りや悲しみが基になって
いることがわかります。
かといって殺人を起こせば自分自身がまた怒りや
悲しみを残された家族や知人に与えることになり
つきることのない連鎖を引き起こします。
結局全員が死亡します。

読者に対しては真実は明かされますが、本の中
では真実は暴かれずに数人の人の胸のうちに
おさめられます。
Mというのは登場人物の頭文字がすべてMという
ことでつけられたものです。

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