雑記帳

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下北サンデーズ

2012-08-05 20:50:30 | 

石田衣良著"下北サンデーズ"を読みました。
里中ゆいかは東京科学工科大学 電子工学科の学生に
なり東京へ出てきました。
下北沢の下北サンデーズという小さな劇団を訪れ
入団を申し込みました。
今までミニミニシアターという80人入る劇場を
観客でいっぱいにしたことがない赤字劇団です。
若さや陸上で引き締まった肉体を見込まれてその場で
入団を許されます。
10年続けてきましたがずっと人気がありませんでした。
下北には4つの劇場があり収容数は倍々となっていきます。
劇団の望みは次々と大きな劇場で演じることです。
劇団の座長で脚本家のあくたがわ翼が脚本を書いたものを
演じます。
団員はそれぞれアルバイトをこなしながら演劇を
続けてきました。
入団してすぐの上演にゆいかは出場します。
新人が入ると劇団に変化が起きて上昇するといわれます。
最初の上演で下北サンデーズはどんどんと観客が入り
満席にしました。

次の上演はみんなが願っていた駅前劇場になりました。
翼はなかなか脚本が書けません。
そんな時母親の危篤の知らせが入ります。
母は亡くなり葬式の後帰ってきた翼は2日間で次の
台本を書き上げます。
これも受け入れられました。

どんどんと上の劇場で演じられるようになっていきます。
団員の中にはCMやテレビで活躍する人が出てきます。
劇団ごとマネージメントを引き受けてくれるところへ
いこうという話も出てきます。
劇団員の男女の交際の話も織り交ぜられています。

8グループが出場できる下北ヌーベル演劇祭に下北
サンデーズは出場できることになりました。
下北沢の一番大きな松多劇場で開かれる劇団の
対決です。
一次、二次と勝ち進みます。
三次戦はゆいかは映画出場することになり発表会が
同じ時間になり代役が出ることになりました。
しかし代役ではうまくいかず、来てくれという電話が
かかってくるのでした。
かけつけようとするところで終わりです。

ゆいかが入団したとたんに劇団はあれよあれよと
上昇していきます。
ちょっと話がうまく進みすぎで現実味はありませんが
読むのは楽しいです。
退団を考える人もいますしこの先下北サンデーズは
どんな方向へすすむのでしょうね。
夢中で何かに取り組んでいる人たちの話はいいです。

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