雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

オー!ファーザー

2011-11-22 21:27:39 | 
伊坂 幸太郎
新潮社
発売日:2010-03

伊坂幸太郎著"オー!ファーザー"を読みました。
由紀夫には父親が4人います。
もちろん血がつながった父は一人です。
この本を読む前にRUN!RUN!RUN!を読んだので4人の
いいところを取り出して遺伝子操作された子供なのかと
錯覚してしまいました。
そんなSFじみた話ではありませんでした。
お母さんが4人と男と同時に付き合っていて由紀夫は
誰の子なのかわかりません。DNA鑑定すれば本当の父親が
わかりますが誰もはっきりさせようとはしません。
1軒の家で4人の男と1人の女と高校生の由紀夫が
仲良くいっしょに暮してきました。
4人の父親は
鷹:賭け事が好き。賭け事が仕事?
葵:バー経営 女性に声をかけるのが好き
勲:中学教師 体育の教師? スポーツ・格闘技が得意
悟:大学講師 知性派 何でも知っている

お母さんはこの本の中ではほとんど登場しません。
残業か長期出張で不在です。父と息子の話です。
由紀夫は頭が良くスポーツも得意です。
4人の父親にいろいろ教えられています。

自称ガールフレンドの多恵子はクラスメートです。
クラスメートの小宮山が長期欠席しています。
野球部でいじめられるタイプではなく引きこもると
いうのが信じられません。
選挙戦中の知事選挙は二人の対立候補で白熱しています。
中学の同窓生鱒二は不良にまといつかれて由紀夫に
救いを求めてきます。
鷹に連れられて行ったドックレース場で鞄すり替え
を目撃して事件に巻き込まれていきます。

2/3ぐらいまで話がどちらの方向に進むのかわから
なくてたいくつでいらいらしました。
残りでスピードアップして話は進みます。
それまでに張られていた伏線もぴったりと収まって
みごとにまとまりました。
この本はミステリーのジャンルなんですね。
家族を扱った話だという先入観で読み始めました。

父親たちと由紀夫との交流部分は楽しいです。
それぞれ与えるものが違う4人の父親がいてずいぶん
お徳です。
それでも全体の流れがおもしろかったとはいえません。
中学、高校生活を描いた部分は重苦しくてこんな
学生生活は嫌です。

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