雑記帳

日常の出来事や、読んだ本のあらすじや感想など書いています。

身をつくし 清四郎よろづ屋始末

2011-11-23 19:43:10 | 
田牧大和著"身をつくし 清四郎よろづ屋始末"を読みました。
時代小説です。
章ごとに分かれた話になっていますが全体を通しても
話はつながっています。
清四郎は前は南町奉行所に務めていましたが今は町で
よろず屋を開いてほそぼそと生きています。
わだかまりを抱いて生きています。
昔の知り合いの与力の木暮、同心の松田、煮売屋の女将
のお染らが清四郎のまわりにいます。
いろいろな仕事が持ち込まれます。

"おふみの簪"
簪職人の平治が相模屋から依頼された簪をだめだと
返されることが続きます。
そのうち平治が相模屋の女中につきまとっていると
つかまってしまいます。
平治のため奔走します。
この話はどうもふに落ちません。

ねたばれで書いてしまいます。
平治は数年前相模屋の妹だと知らずにおふみと会って
いました。
おふみはかたむいた相模屋のため助けてくれる相手と
結婚することが決まっていました。
平治はそのことを知りません。
心をこめて作った桜の簪を平治からもらいました。
おとせは黙って平治の前から姿を消しました。
体が弱かったおふみは数年後に亡くなりました。
婚家ではおふみは大事にしてもらっていました。
相模屋は何も知らされていない平治にずっとおふみの
ことを思っていて欲しいのです。
なんて勝ってなことをいうのだろうと思います。
おふみも罪なことをするもんです。
私にはわからないですが出合っただけでも幸せという
気持ちの二人なんでしょうか。

"正直与平"
与平は小間物の行商人です。酒饅頭を買い茶屋で休んで
いた時に酒饅頭を取り違えられます。
中に入っていたのはお金です。
与平は清四郎に自分の荷物を見つけ出して交換してきて
欲しいと頼まれます。
取り違えたのは赤ん坊づれの二人の侍です。

"お染観音"
煮売屋のお染が関わった事件です。
井筒屋の隠居が殺されます。犯人は女房のお登瀬だと
思われますがお染がずっといっしょにいたと証言します。
あげぐに自分が殺したといいだします。

清四郎は南町奉行から勘定奉行が金の分量をごまかした
小判を作っていることを知らされました。
南町奉行は勘定奉行から50両の口止め料をもらいました。
そのことを清四郎に訴え出るように頼みます。
自分は世話になった勘定奉行を訴えることはできない。
勘定奉行に殉ずる覚悟で部下に命じました。
清四郎は頼まれたとはいえ奉行を訴えたことから抜け
出せずにずっと苦しんでいます。
木暮、松田、お染、みんながそんな清四郎を心配して
います。

みんながいい人です。暖かい気分になれます。
シリーズ物かと思いましたがそうではないようです。

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