風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

アンドラーシュ・シフ ピアノリサイタル @東京オペラシティ(9月29日)

2023-09-30 22:58:04 | クラシック音楽




J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻から 前奏曲とフーガ第1番 ハ長調 BWV846

J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第17(16)番 変ロ長調 K.570
ハイドン:アンダンテと変奏曲 へ短調 Hob.XVII:6
ハイドン:ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.XVI:52
(20分間の休憩)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第21番 ハ長調 op.53 「ワルトシュタイン」
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 op.109
J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988から アリア(アンコール)


シフって3年に1回くらいの頻度で来日しているイメージだったので、昨年に続いて今年も聴くことができて本当に嬉しい

今年もプログラムは当日発表&終演時間未定で、ご本人によるトークをまじえた進行。
今回は奥様の塩川さんではなく、シフのお友達の若いピアニストの男性が通訳をされていました(塩川さんは客席におられました)。

前半。
シフの格調高くて親密なバッハが本当に好き。。。。
カプリッチョ(昨年は2回弾いていたけど、今年は一回だった)もモーツァルトもとてもよかったけど、ハイドン2曲がしっとりと素晴らしかったな~~~
今回もシフは、「不当に過小評価されている作曲家」だと。
「モーツァルトの音楽は歌う(sing)が、ハイドンの音楽は語る(speak)」、「ソナタ形式の生みの親。小さなものから大きなものを作り出した」とも。
『アンダンテと変奏曲』、ペライアでも聴いたなぁ(シフとはまた違う弾き方で、あちらも素晴らしかった)・・・。お元気かなぁ・・・。

後半は、さらに圧巻でした。
シフのベートーヴェンをこよなく愛しているので、初めて聴けた『ワルトシュタイン』、嬉しかった
シフはメロディアスな曲もとても良いけど、こういう曲もほんっっっと素晴らしい。
続くソナタ30番、アンコールのゴルトベルクのアリアまで、完全に「シフの世界」の住人に。
ソナタ30番は「私の最も好きな作品」と。

同じホールでプレトニョフを聴いたばかりだったので、ピアノもカワイとベーゼンドルファー(今回もホール所有のインペリアル)で異なるけれど、それ以上にピアニストの音の個性の違いをはっきりと感じられました。
シフの音ってこんなに温かかったんだなぁ、と。
誠実な温かみに、泣きそうになってしまった。
あ、プレトニョフの音が不誠実だとか温かくないというわけではないです。
ただ、私はもともとシフの音にそれほど温かみという印象は持っていなかったので、両者を比べて初めて、その誠実な真面目さと温かみの強さをはっきりと感じることができた、というか。

今日のインペリアルの響き、よかったなぁ。。。
ホールの天井の空間に、はっきりとその姿が見えました(これはいつもか)。美しかった。。。。。

終演は22:15頃。駅に着いたら22時半になっていました。
昨年より15分くらい早いけれど、体感的にはあっという間だったので、アンコール一曲だけなのにそんなに遅い時間になっていたことに驚いた。

川崎も伺います




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