風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

東京都交響楽団 第874回定期演奏会 Aシリーズ @東京文化会館(3月26日)

2019-03-28 23:18:17 | クラシック音楽




昨年の大野さん指揮のトゥーランガリラに続いて2回目の都響に行ってきました。
以下、ド素人の自分用覚書のためだけの感想ですので、あしからず。。
※5階R1列後方

【ブラームス:悲劇的序曲 op.81】
【ブロッホ:ヘブライ狂詩曲《シェロモ》】
2曲ともインバルが作る音楽自体はたぶん私は好きだったと思う。どちらも小さくまとまっていなくて、スケールが大きくて。
曲も、どちらも私は好きです。
だがしかし。
都響の音が・・・なぜあんなに自信なさげだったのか・・・。
最強音に向かっていくところや最強音になってしまってからはとってもいいのに、それ以外の部分では、ソロや合奏の入りが恐る恐るに聴こえ、全体的に伸びやかでなく優等生的というか慎重すぎるというか・・・。
そんなわけで、ブロッホのソロのガブリエル・リプキンは音楽に没入したように演奏していたけれど、私は没入できず・・・

(休憩20分)

【ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47】
これでショスタコも同じようだったらもう都響を聴きにいくのはやめようと心に誓っていたら(諦め早い)、、、おお、とってもいいではないですか
ホルンのソロがもっと表情豊かな音だとよかったとか(ミスは仕方がないとしても)、言いたいことはなきにしもあらずだけれど、全体的に凄みのあるとてもいい演奏だったと思う。
前半になかった自信に満ちた音がこのショスタコでは出ていたのは何故なんだろう。練習時間の違いとか?(それを言っちゃあ…)
特に第二楽章のマーラー的な雑多具合、四楽章終局の怒涛の突き抜けた追い込みが素晴らしかった 
この解釈の難しい曲に対して、驚くほど説得力のある演奏だったなあ。綺麗ごとだけじゃない、こういうショスタコが聴きたかった!という演奏だった。
ショスタコって実は上手過ぎないオケの方が合ってるのではなかろうか。あ、都響が下手とかじゃなく、海外の超一流どころと比較して、という意味です。在京オケの中ではN響の次に上手いと個人的には思っている。
四楽章のガリガリしたピアノの低音もよかったなあ。
オーボエもパーカッションもよかったし、フルートも最初は固く聴こえたけど途中からは美しかった。そして管に勝るほど強い弦!!
こういうショスタコ、私はとても好きです。
インバルさん、都響の皆さん、ありがとう!11月には同じコンビで11番と12番が演奏されるそうで。両方聴けたらいいなあ。
ところでインバルは歌う指揮者なんですね。ブラームスからショスタコまでずーっと歌いっぱなしであった。ハミングというレベルじゃなく、もはやオケの音の一部。なのに全くうるさく感じないのが面白かったです。

そうそう。ブロッホの『シェロモ』はプログラムによると、「チェロはソロモン王の声であり、管弦楽は彼の時代、世界、彼の経験を表しているが、ソロモン王自身の思いを反映することもあるという。」とのこと。バーンスタインの『不安の時代』のピアノとオケの関係に似ていますね。

ちなみに現在ユロフスキも来日していて、10年ぶりにロンドンでの印象の再確認に行きたい気もしたのだけれど、結局チケットを買わずじまいでした^^;

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