風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 @サントリーホール(11月24日)

2023-12-30 01:35:43 | クラシック音楽



モーツァルト:交響曲第29 番 イ長調 K.201
ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6
(休憩)
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98


シェフのキリル・ペトレンコと初来日のベルリンフィル。
私にとっては、人生初のベルリンフィル。
ペトレンコを正面から見放題席(P席)だったので、丁寧な指揮姿も楽しめました。
ブラ4の最後、顔を真っ赤にして指揮してくれてた

ただ、、、ペトレンコが作る音楽については、個人的に好きか嫌いかは、もう少し保留にしたいところではありました。
天下のベルリンフィルに対して素人のくせに偉そうすぎますね・・・すみません
音楽は完全に主観で聴いている人間なので、ご容赦いただければ。


【モーツァルト:交響曲第29 番 イ長調 K.201】
冒頭から想像を遥かに超えたスーパーオーケストラの音で。
技術的に「巧い」だけではなく、ちゃんと「音楽的にめちゃくちゃ上手い」。楽器の音というより音楽の音というか。
あんなオケの音、初めて聴いた気がする。
悪い意味での機能的オケではなく、ちゃんと個々の奏者の個性も出ているし、熱もあるし。
辛口(というのかな)な解釈だったけど、それはそれでよかったと思う。
三楽章は楽しい音がした。
でも、この曲はもう少し無邪気っぽい朗らかな音の演奏にの方が好みかも。

【ベルク:オーケストラのための3つの小品 Op.6】
ベルクの現代的な鬱屈した感じというか、マーラーぽさにはこのコンビの音は合ってる気がした。
大編成だけど音の飽和を気にせずめいっぱい響かせてくれて、迫力ありました。
凶暴だし色っぽさもあるし。
指揮者もオケも完璧なのだけど・・・。
どこか「オケを締め付けてる(コントロールしてる)音」がするというか
自然な呑気さというか、伸びやかさが感じられないというか。音が冷たいわけではないのだけれど。
うーん・・・

(20分間の休憩)

【ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98】
丁寧な緻密さも、幾度もはっとさせられる雄弁さも、響きのバランスも、美しさも、フィナーレへのドライブ感も、奏者の熱も全く文句ないのだけれど、、、、最後の最後の一歩が何故か私の魂の芯に響くことがなかったんですよね・・・。
音に「人間的な可愛げ」のようなものを感じることができなかったというか・・・。
完璧な指揮者が完璧なオケを振っているような音がする、というか(オケが上手すぎるから、余計に可愛げがなくなる
音楽に詳しい知人曰く、我儘なウィーンフィルとは異なる優等生的な音はベルリンフィルの個性とのことだけれど。

二楽章などは泣きそうになる瞬間もあったけれど、私には「音楽」を聴いているような感覚が最後まで得られなかったのです。
それぞれの出す音はあんなに音楽的なのに。

正直なところ、昨年のティーレマン&シュターツカペレ・ベルリンのブラ4の方がずっと心動かされたな・・・。
あの演奏は全然ブラームスほくはなかったし、ティーレマンが可愛げのある人だとは全く思わないのに。
作為系のラトルだって、完璧さが出ていない分だけ可愛げがあるような気がする(ベルリンフィルとのコンビは聴いたことがないけれど)。

そもそも3曲しか聴いていないのに、偉そうに言うなという感じですね。
私はいい加減なので、次回聴く機会があったら大感動してるかもです。
オケも前のめりで弾いてくれていて、他のオケからは絶対に聴けないベルリンフィルの良い意味で威圧的な音を堪能できたし、そういう音を引き出すペトレンコが優秀な指揮者なのであろうことはよくわかりました。
なにより、一度聴いてみたかったベルリンフィルの音を聴けたことは、心から嬉しかった










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