風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

初春歌舞伎公演『南総里見八犬伝』 @国立劇場(1月10日)

2015-01-13 00:51:52 | 歌舞伎





今年も初春歌舞伎@国立劇場へ。
正月飾りでいっぱいの華やいだロビーの雰囲気が好きです~。
今年の演目は「南総里見八犬伝」。
この日はお馴染みのくろごちゃんに加え、ダッペエ(館山市)&たいよう君(鴨川市)も千葉から応援にかけつけていました。

お芝居は、今年も楽しかったぁ~♪♪♪
菊五郎さんのカラーのせいか、音羽屋のお芝居は神経質じゃないところがいいですねぇ。昨年同様、のんび~り観られて、細かいことなんかどーでもよくなっちゃって、お正月だもの~って思えちゃう。
華やかに、おめでたく、ゆる~く楽しめる、こんな雰囲気も意外と貴重だと思います。
思わずくろごちゃんストラップを買いそうになってしまった。

そしていつも感じるのですけど、国立劇場は歌舞伎座よりも降りもの(雪とか桜とかキラキラとか)が美しく見えるのはなぜでしょう。映像だとわからないけど、劇場で観ると本当に綺麗に見える。照明が違うのかなあ。歌舞伎座は客席が全体的に明るすぎる気もします。

以下、ネタバレいっぱい。

【一幕目   (安房)富山山中の場、(武蔵)大塚村蟇六内の場、本郷円塚山の場】
この作品も初見。
有名なお話の割に初めて内容を知ったのですけど、八房(音一朗さん)って本当にイヌなんですね!ぶっとんでるなぁ、江戸時代。
右近くん(伏姫)、綺麗だった~。古風だけど現代的な雰囲気が役にぴったり。
空中に浮かぶ八つの光る玉with文字も、かっこいい
でも伏姫の自害の理由を変えちゃった原作からの改変はつまらないと思いますー。

菊之助(信乃)、美しい~~~
花形世代でここまでキラキラの貴公子オーラがあるのって菊ちゃんだけよね。いつも色気が足りないとか言っちゃってごめん。
でも円塚山で松緑(左母二郎)が梅枝(浜路)に絡むシーンを見て、やっぱりこういう場面は松緑の方が色気が出てるわぁとあらためて思った^^;
しかし菊ちゃんには別の意味での色気があることを私は今回知ったのである・・・(→三幕)

亀寿の荘助、三幕で亀三郎が正式に登場するまで、ずっと兄さんの方だと思って見ておりました。。本当に似てますねぇ。菊ちゃんとの絡みが楽しかった♪

團蔵さんと萬次郎さんの蟇六夫婦も可笑しみがあって、ぴったり。

蟇六内で浜路が首を吊ろうとした薄桃色の紐が椿の枝にかかってるところとか、円塚山で左母二郎が浜路の解けかけた赤い帯を手にするポーズとか、今更ですけど歌舞伎の錦絵のような美しさは世界遺産に相応しいと心から思う。

最後に八犬士がズラリと並ぶ場面、かっこよかった~。きゃ~音羽屋&萬屋~~~(>_<)と脳内喝采しちゃいました。キラキラの紙吹雪の中の菊五郎さん(道節)。時蔵さん(毛野)。亀亀兄弟。萬太郎(大角)。菊之助。松緑(現八@二役)。そして犬の被りものを頭にのっけた、みんなのアイドル左近くん(親兵衛)。
もっともパンフを読むまでこのだんまり場面の意味がわからなかった私は、この八人は何をしてるんだろー・・・と思っておりました(運命の八人が互いの素性を知らずに偶然会った、という場面だそうな)。

幕外は、松緑の立廻り好きな私には嬉しいオマケ。そして「スズキの初売り座」(もちろん猿之助のCMパロ)。まさか松緑のこんな台詞が聞けるとは。こんな飛び六方が見られるとは。このためだけでも国立行ってよかった(本気で!)


【二幕目   (下総)滸我足利成氏館の場】
菊ちゃんの衣装きれ~。薄ピンク水色の着物に、カラフルな刺繍の入った裃。
松緑の現八も、すごくカッコイイ!こういう役の松緑って無双ですね。
屋根がまわる仕掛けも、なかなか楽しかったです。
屋根上の立廻りでは、二人に「ご両人!」の掛け声が。ご両人って男男でも使うんですねー。


【三幕目 (下総)行徳古那屋裏手の場】
うん、たしかにご両人ですね、この二人。
だって髪を後ろに緩くたらして着流し姿の二人、しっとりした色気があって、こんなに美しい~~~。
前にも思ったけど、この二人って不思議と合うんですよね(別に腐的な意味じゃなく)
空の星と、水辺に瞬く蛍。ここの初夏の夜の景色、素敵だったなぁ
間に立つ亀三郎(小文吾)も場によく馴染んでいて。音羽屋っていい。


【四幕目   (武蔵)馬加大記館対牛楼の場】
毛野が二人の弟子(梅枝&右近@二役)を引き連れて、捕われた小文吾を救出に。
この辺りから後半はちょっとお芝居が失速気味に感じられたけど、細かいことは気にしない。
時蔵さんのフリフリ衣装は昨年菊ちゃんも着ていたけど、歌舞伎の唐衣装のお約束なのでしょうか。。


【大詰    (上野)白井城下の場、 (武蔵)扇谷定正居城の場】
幕間にスタッフが一階前方の客席に何やら話してると思ったら、扇谷定正(左團次さん)一行と交戦中の道節の火遁の術で赤いラメの紙吹雪がプシュ~と十列目くらいまでどっさり!たのし~。正月だしこれくらいやってくれて全然OK~。

恒例の手拭い撒きは、左近くんも参加。左近くんは台詞回しが堂に入っていてびっくらしました。
背後にズラリと並んだ旗の八文字の漢字がかっこよかったな~。外国人が喜びそうだけど、国立って全然外国人いないよね・・。

最後はの季節で麗らかな春らしさの中で幕。今回は菊五郎さんのアイデアでを全て取り入れたのだとか。安易といえば安易な演出だけど、こんな楽しみ方ができるのも正月国立ならではでしょうか。

以上、今年の国立もまったり楽しい初春芝居でございました。大満足(*^_^*)



三階喫茶「十八番」のカレー 800円也。
ちょっとお高いけど、味はザ・カレーライスという感じで好きなんです。ちゃんと辛いし。
いつもこれかラーメンをいただきます。そして二階売店でホットコーヒー


正月の国立はどこも賑やか

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