風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

『ラ・バヤデール』 ボリショイ・バレエ団 @東京文化会館(12月3日)

2014-12-06 12:08:33 | バレエ






あの白鳥から二週間、ボリショイ祭りも怒涛の終盤戦に突入です。
私のバヤは、12月3日夜でした。

素晴らしかったですーーーーー

正直、期待は全くしておりませんでした。
なぜなら前日に同キャストによるバヤ動画(たぶんDVDと同じもの。以下DVDと書いちゃいますが、違ってたらゴメンナサイ)を通しで見たのですが、見事に感動できなかったからです。なんというか、三人ともあと一歩が理性的な感じで・・・。このチケット買ったの失敗しちゃったかなぁ・・・と思ったのです。
ですが、今日の舞台は三人の気合いが全然違いました。
特にザハロワアレクサンドロワ
巨大バレエ団のトップに立つプリンシパルというのはやっぱり何かが違うのだな、と思った。オーラというんですかね。
二人ともすごく格好よくて、並み居る男達よりも男前で笑、立派で、そして素敵でした。


【一幕一場(寺院前の森)】
大僧正がヴェールを取った瞬間の、ザハロワの神々しさ・・・!!
私はヴィシニョーワの情熱的で色気のあるニキヤがこの上なく好きなのですが、ザハロワのニキヤは全く違うタイプで、こちらもすごくいい。
体の細さも相まって、巫女のような、俗世間とは切り離された場所に身を置く、そんな舞姫。でも決して完全に向こうの存在でもないの。限りなく透明に近いけど透明じゃない、白い光のような凛とした美しさ。
ただ立っているだけでこういう空気が出るバレリーナって、どれだけいるのだろう。ザハロワってつくづく、生で見てこそのダンサーだと思う。

更にこのニキヤ、神々しいだけじゃなく、とても可憐なのです。
これはDVDと大きく違っていたところですが、この日のニキヤはソロルのことをちゃんと愛していました。ザハ様、渾身の演技!

なーのーにー。

ラントラートフ!あんた!
ザハ様が!あの感情表現が得意とはいえないザハ様が!こんなに感情いっぱいに演技してるというのに!
そのソロルは何さま!?そのまっったくニキヤを愛しているように見えないソロルは!
いえ、彼も頑張ってはおりました。DVDのときよりはずっと愛おしそうに見えましたし、ザハ様の胸に頬を寄せるときの濃密さなど(こう書くと変態ぽいが)結構ぐっときました。
でも~でも~、やっぱり恋してる男の目にはみえな~~~~い(>_<)!
先月のロヂキン王子は、そりゃあもうキッラキラな目でザハ様のことを見ていたわよ~~~。

と、最初は思ったんだけど。
ちょっと考えてみると。

この天然な甘いチャラさ、なんか、異様にソロルっぽいのではないかい(戦士には全然見えないが)。
ソロル&ニキヤの恋って音楽の盛り上がりもあって運命の恋!みたいなつもりでいたけど、ちょっと冷静に考えると、あのソロルの簡単な変心ぶり。実はニキヤ→ソロルはともかく、ソロル→ニキヤは割とふつうの感覚の恋心だったのではなかろうか。少なくともこのときの彼の自覚はその程度だったのではないだろうか(まぁ駆け落ちしたいほどには好きだったのだろうけど)。
だってこういう男、いるいる~。前から思ってたけど、ソロルって世の男の典型のようなキャラクターなのよね。性格が悪いわけではないが思慮深くもなく、妙に気の小さいところがあって、バカみたいな計算もしちゃったり。優柔不断で、場の勢いに逆らえず、流されちゃう。
この時点ですでに「ああ、今はニキヤのことが好きなんだろうけど、他に素敵な女性が現れたらふわふわ~とそっちに行っちゃうんだろうなー」という男の頼りなさが透けてみえるラントラートフのソロル。熊哲やコールプとは違うけど、実は一番ソロルっぽいのではなかろうか。

とはいえ。

やっぱりもうちょい!もうちょいニキヤへの恋情を見せてほしかったわぁ~。じゃないと3幕に繋がらないのよぉ~~~(と、このときは思ったのだが)。


【一幕ニ場(ラジャの宮殿)】
ガムザッティが戦士達と一緒に華やかに踊って登場するグリゴロ版振付、いいですねぇ!この場面だけで、ああニキヤに勝ち目はないんだなということがわかる。まったく身分が違うんですよねぇ。。
マリーヤ・アレクサンドロワのガムザも、とてもいい。ヒエラルキーのトップで育った、怖いものが何もないお嬢様の感じがよく出てる。
もっともこの場面のアレクサンドロワは、復帰後間もないせいか体が重たそうで(ちょっと背中に贅肉が・・・^^;)、踊りもまだ完全に調子が戻っているわけではないのかなと感じさせるものでした。でもこの存在感はさすが!

そして~。
二週間前に王子様だったロヂキン君が今夜は奴隷!これぞ究極のギャップ萌え!
今回はクルクル回しじゃないせいか、サポートも完璧よ~。ロヂキン君ってザハロワの体を壊れ物を扱うように扱うんですよね。World Ballet Dayのリハでザハロワがよろけたときに後ろで心配そうに手を伸ばしたところ、キュンとしちゃいました(ちなみに1:27:03でございます)。まぁそんなロヂキン君なので、「ニキヤ、ソロルなんか捨ててこの奴隷と一緒になっちゃえばいいのに!きっととっても大事にしてくれるよ!」と本気で思ったわ。

女同士の対決は、ザハロワ&アレクサンドロワがどうというより、この踊りの多い振付が、この場面に限っては緊迫感を減らしてしまっているように思うんですが、どんなもんなんでしょう。私はフツー版の振付の方がニキヤがどんどん追い詰められていく過程が伝わってきて、好きなんですが。
ただ改めて思ったのは、この場面は実力とオーラが拮抗する二人が踊らなきゃ絶対に駄目だな、ということ。その点、この二人は完璧でした!
あ、あと思い出した。ガムザが下手のソファに座って、足下に跪いてるニキヤの顔を手ですっと上げさせるところ。ここ、二人ともすっごく素敵だった!ザハロワの表情がとても綺麗で、そんな彼女の顔を見たアレクサンドロワの表情の変化がとても繊細で(マーシャも綺麗なんだけどね)。二人のポーズも美しくて、まるで絵のようで、全てに見惚れてしまいました。ここはDVDでも良かったですよね^^ ニキヤが断った腕輪をガムザがペッと邪険に放るところも大好き笑!

ところで、この宮殿の場面。背景セットがおかしなことになってませんでしたか・・・?背景の一番奥の布が途中までしか下りていなくて、下半分はシールが貼ってあるようなちゃちい壁がむき出しに・・・。DVDでは夕陽に映えた山々がそれはそれは美しかったのに。それとも四階サイドからだからああ見えたのかしら。正面からならちゃんと見えたのかな。

そんなこんなで、色々楽しみ所はあったものの、この時点ではまだまだ満足感は高くはなく。こんな感じで最後までいっちゃうのかなーとちょっと残念な気持ちも抱えつつ休憩時間を迎えたのでありました。


【二幕(婚約式)】

キャラクターダンスのとき、この版ではソロル&ガムザは二人で奥に引っ込んじゃうのですね。自分たちのための婚約式なのに(もうすっかりラブラブじゃないのさ)。白鳥の王子も舞踏会でなかなか姿を現さなかったし、グリゴロさんはこのパターンがお好きなのか。

グラン・パ・ダクション。
ガムザ&ソロルのPDD。
うん、DVDを観たときからこうなることはわかっていたわ・・・・・。
ラントラートフとアレクサンドロワ、すんごくお似合い
もう二人の空気がらっぶらぶ
ソロルがガムザをひたすら優しく気にかけている感じがもう‥‥‥、って話変わってるし!
でも、いいよ。許す!
だってこの二人のPDD、本当に美しかったんだもの。二人がとっても幸せそうだったんだもの。
帰宅してから知ったのですが、昨年アレクサンドロワが怪我をしたのって、この場面なのですね。そのときの共演者もラントラートフとザハロワ。それがこうして復帰して、同じ演目を日本で踊ることができて、きっと二人とも嬉しかったのではないかな。そんなことを想像してしまうくらい、ここの二人の踊りには温かで明るく、胸に届くものがありました。ベリャコフくん見放題席だったにもかかわらず、この二人から目が離せなかったくらいですから。
いや、ときどき目を離しましたけど笑。
ベリャコフ君は素顔もイケメン♪可愛いといってもいい顔なのに、ああいう踊りも踊れちゃうんだから、本当に先が楽しみなダンサーですね~。ロヂキン君と同じく、2週間前のロットバルトがこんなところにいるなんて、なんて贅沢なのでしょう!
そんなベリャコフ君&もう一人の子(エフレーモフ君)に高々と掲げられたマーシャ。
ゴージャスの一言!舞台にぱぁっと大輪の華が咲いたようでございました。

ソロルのVa.。
んーと、全く悪くはなかったのですけれど、おお!というわけでもなく。ああ次に踊るアレクサンドロワのことが気になるのね。うんうんわかるよ、もうなんでも許すよ、と笑。

ガムザッティのVa.~コーダ。
もうここは、アレクサンドロワの思い入れが痛いくらいに強く伝わってきました。
特にイタリアンフェッテからの連続フェッテ。
グランフェッテに入る前、一瞬とまって前を見据えて、それから正確で迫力あるフェッテを見事に踊り切ってくれました!さすがに表情は真剣で、終えたときは心からほっとした表情を浮かべてた。先日のドンキや黒鳥では32回転を避けたと聞いていたので、なんか彼女の気合いを感じて感動してしまったよ(本当はこういう感動は違うだろうとは思うものの)。。ガムザのグランフェッテは20回転くらい?だと思いますが、客席から伝わる期待感もすごかったと思うのに、そんな中でのあの立派なフェッテ。その度胸、さすがプリンシパルだと感じました。
そして上手にいたソロルと手を取り合って、二人で目を合わせてニッコリ笑顔。あれ、絶対に二人とも素だったと思う^^;

なんかもう客席も舞台もガムザ&ソロルおめでとう!なムードでいっぱいで。
ふと我に返って、あ、この後ザハ様の登場だ、と思い出し。
ここで私、本気で心配しちゃったんです。こんな雰囲気の中で登場するザハロワのことを。
こんなゴージャスで色んな意味で感動的なコーダの後で、あんなほっそい華奢なザハロワが出てきたら、さすがの彼女でも霞んじゃうのではなかろうか・・・、と。

そして、ニキヤが登場。

・・う・・わぁ。。。。。。。。

一瞬でもあなたのことを疑ってごめんなさい!
やっぱりザハロワはザハ様でした。
この存在感。この静謐感。この透明感。この哀しみ。この気高さ。
出てきた瞬間に泣きそうになりました。。。。いや、泣いた。
ザハロワってその存在だけで既に特別なのですね。なんて書くと崇拝じみて聞こえるかもしれませんが、私は結構冷静ですよ。ブログやツイで見かける様々なザハロワ批判(その多くが人間味の薄さや演技力に関するものなわけですが)も、そう感じる人はいるだろうなぁとよーく理解できますもの。実際私もそう感じるときが皆無とは申しません。特に動画では毎回そう思ってた。でも今回彼女の舞台を見て、少なくとも私は、この人の“他に代わりのいない”稀有な魅力がすごくよくわかった気がしました。私がこれまで観たことのあるプリマなんて極極極僅かですが、ヴィシニョーワやオレリーにも同じものを感じた。きっとまだ私が見たことのない世界中のトップに立つダンサー達も同じものを持っているのだろうなぁ、と。なんにせよ、また好みはあるにせよ、これだけ名声を集める人というのはそれだけの理由がちゃんとあるのだな、と。
私、この踊りで泣いたの初めてですよ。ヴィシニョーワのときは鬼気迫る演技&踊りの上手さに鳥肌が立ちましたが、泣くことはありませんでした(それが悪いという意味ではないです)。でも今回は、ザハロワの体が纏う空気に泣きました。
今にも消えてしまいそうな儚さ、ソロルを愛する健気さ、その思いの強さ。
なのになのにソロルってば、あんなにガムザとラブラブになっちゃって!
もうニキヤが可哀想で・・・・・
いやほんとに、ただでさえ孤高の雰囲気を感じさせるザハロワなので、さらに半端ないソロル&ガムザらぶらぶ効果が上乗せされて、一幕でニキヤがソロルのことを本当に愛していたのを見ているから、もう・・・・・

そして意外や意外、ここにきて、ラントラートフ@ソロル&ザハロワ@ニキヤがすんごくしっくりくるようになったのです。
このウラドソロルはお金のためにガムザといるんじゃありません。ガムザにしっかり心移りしちゃってますよ。もうニキヤのことはかつてのようには愛していないんです。でも、情はあるんです。それが自分でわかっているから、後ろめたいんですよ。
そして花籠の踊りのザハロワは、本当に嬉しそうなんです。ソロルがガムザと婚約してしまう悲しみはあるのだけれど、それよりも、まだ彼が自分のことを愛してくれていたことがわかって嬉しいんです。まだ愛してくれていると心から信じているんです。健気なんですよ。ソロルの気持ちはもうニキヤにはないのに・・・。観客にはそれがわかっているけど、ニキヤはそれを知らないのです。
この夜のザハロワ、踊り終えたとき、跪いて籠から花を一輪抜いて、それをソロルに向かって真っ直ぐに、しっかりと投げたんです(これ、DVDのザハロワもヴィシニョーワもやっていませんでした)。これが自分の返事だと、これからも変わらず自分はあなたを愛していると伝えるように。そして大切そうに花籠を抱きしめた瞬間に、毒蛇に咬まれるのです。
あぁ、思い出しただけで泣けてくる・・・・・・・ こんなザハロワが見られるなんて!

そしてガムザあなたなのね!的な踊りが入って、倒れるニキヤ。駆け寄るソロル(でもニキヤの所までは行きません)。大僧正が薬を渡すと、ニキヤはふっと顔を輝かせます。彼女はソロルがまだ自分を愛してくれていると思っていますから、生きられるのは嬉しいのです。
この後のニキヤとソロルも、DVDとは違っていました。
ニキヤ、薬を手にしてソロルを見ます。音楽がジャーン!このとき、ソロルも呆然と、でもしっかりと向かい合ってニキヤのことを見てるんですよ(DVDでは既に背を向けてた)。二人、無言のまま数秒見つめ合います。そしてここで初めて、ソロルがニキヤの真っ直ぐな目に耐えられなくなったように、逃れるように、視線を下に逸らすのですよ・・・!ウラド、GJよ~~~!!!すんごくいい!ソロルのダメさ、気の小ささが出てて!見直したわ!ウラドの素じゃないのか?と思ってしまうほど!ニキヤとのラブラブな空気は作れなかったけど、こういうのは作れるのね!
この瞬間に、ニキヤは初めて真実を知ったのだと思います。ソロルがもう自分のことを愛してはいないのだということを。
呆然と絶望の表情を浮かべるニキヤ。
手から滑り落ちる薬瓶。
絶命。

ここでようやくニキヤの元に駆け寄るソロル(ほんと気が小さいったら!)。
この状況が相当ショックなようで、ニキヤの遺骸を見つめ、頭を抱え、そして逃げ出す
あぁウラド!この演出にぴったり!!もう気が小さすぎて、ダメダメすぎて、むしろ愛おしくなるわ・・!!!

いやぁ、三人とも、素晴らしかった!!!満足感はDVDの数十倍よ~~~。
もう影の王国観なくてもいいやっていうくらいこの時点で物凄く満足しちゃいました~~~。

ここで一旦、カテコ。レヴェランスというよりも、しっかりカテコ。
ラントラートフを真ん中に挟んで、左にザハロワ、右にアレクサンドロワ。
物語のままの表情の、笑顔を見せないザハロワ。これまたある意味物語のままの表情の、満面の笑みでラッブラブなウラド&マーシャ。
そして三人、手を繋いでいます。
シュールだわ。。。。。。
こんなシュールなカテコ、初めて見たわ。。。。。
サイコー笑!!!


【三幕(影の王国)】
真っ暗な部屋でダメ男が沈んでいますよ。
このソロルは、失って初めてニキヤを本当に愛していたことに気付いた、というのとはちょっと違う感じです。
かつて本当に好きだったニキヤをあんな風に自分が裏切った状況で、あんな形で死なせてしまった、そのことにショックを受けている感じです。自分のした酷い行いを悔いているというよりも、ただひたすらニキヤに許してもらいたい、という感じ。彼の極小ハートはこの重すぎる状況に耐えられないんですね。
でもまぁ、こういう状況で気持ちを淡々と処理できてしまう器用な男よりはずっと人間的で、好感はもてます。
ソロル、ついに耐えきれなくなって、マグダヴェヤに勧められるまま阿片に手を伸ばしちゃいますよ(どこまでも周りに流される男)。

そして現れる、影の王国。

もうここね。
のっけから涙が出ました・・・・・。ここで泣いたのも初めてです。
四段のスロープをゆっくりとアラベスクでおりてくる、32の影。
手足が長くて頭の小さい妖精のようなバレリーナ達が32人並んでる光景といったら!この世のものとは思えない、それだけで涙の出る美しさですよ!
でも、それだけじゃないんです。
ああこの影達はすべてニキヤの影なんだな、ソロルはニキヤの幻影を見ているのだな、と感じたからです。
今回ほどこの影がニキヤの幻影として見えたことはありませんでした。
ザハロワのニキヤがもっていた、あの独特な雰囲気のせいだと思います。
コールドは、今回はよく揃っていました。足音も全く気にならず。
中にはフラついている子もいましたが、これだけ美しければ十分。

でね。ザハ様がもうさぁ‥!この世の存在じゃないのがはっきりわかるの!生身じゃないの!もう死んでしまってる存在なの!
だけど、ソロルへの愛情がね、魂の中にちゃんと残ってるの!恨んでなんか全然いないの。
ただ、優しい、透明な、ソロルへの愛情だけが残ってるのよ・・・泣。
花籠の踊りの人間的なニキヤと、既に此の世の存在ではない影の王国のニキヤと。これほど見事に踊り分けられるバレリーナってどれくらいいるんだろう。

そんなニキヤが相手のせいか、あんなにニキヤとラブラブを演じられていなかった(二度目)ラントラートフが!やってくれました!
ああ、あなたはちゃんとニキヤのことも愛していたんだね‥とわかったよ。
この世のものじゃなくなったニキヤと、まだこっちの世界の存在であるソロルの距離感がこの二人にぴったりでねぇ‥。ああ、バヤってこういう感動の仕方もあるのか、というよりもこういうのが正しいのかもしれないって思った(演者がそれを意識してたかどうかはわからんが)。

この哀しい透明感。
こんな美しい世界があるのですねぇ。。。
そしてニキヤも影も消えて、真っ暗な中(元いた部屋?)で一人目覚めたソロルがニキヤの幻を見、崩れ落ちるように倒れるラスト。
グリゴロさん、白鳥にしても、あんた美しい男の描き方がわかってるねぇ!もしかしてゲイですか?と思ったけど、違うようです。
このガムザとの結婚式&寺院崩壊がないバージョンは、私は大好きです。美しくて。
もっともこのウラドのソロルには、寺院崩壊バージョンも合ってるような気がしますが。流されて流されて流されて、ついには神の怒りに触れて死ぬ。うん、合ってる笑。

この第三幕は、ラントラートフもザハロワも、素晴らしい技巧を見せまくってくれました!今日はザハロワも絶好調!ピケターン&シェネ高速!ラントラートフの跳躍も高くキレッキレ!大満足!!!
ただ、ヴェールの踊りはヴィシさま&コルプが圧勝でした。あちらは文句なしの完璧。こちらは二人とももたついてた笑。

ああ、ロシアバレエってこんなに素晴らしいんだなあ。古典のパワーって凄い。歌舞伎や文楽や能と同じく、私にはどんなコンテよりも新しく感じられます。 

以下、覚書。
・婚約式の冒頭で、マグダヴェヤ(アントン・サーヴィチェフ。よかった!)がラジャに花籠を見せていました。蛇を捕まえてきたのは彼なのかな。そして花籠をニキヤに手渡すのもマグダヴェヤ。どちらの味方もできない、弱い立場なのだろうな。でも婚約式でニキヤの登場前にソロルに一生懸命なにかを伝えようとしていたり、ニキヤの踊りを見ているときの様子などからは、やはりニキヤのことは心配しているのだと思いました。

・太鼓の踊り、盛り上がって楽しい!メドヴェージェフの笑顔にも癒された♪

・壺の踊りのアンナ・レベツカヤ、笑顔がとってもキュート。

・ブロンズアイドルは、今回もイマイチ・・。もうバヤ観るの3回目なのに、未だに満足のいく仏像に出会えていない~。ちなみにマリインスキーと同じく、婚約式で余興のように登場します。

・ソロルの親友、婚約式でラジャの隣にものすごく気安く腰かけてたけど、あれは一体。

・グリゴロ版のガムザは毒蛇の一件には関わっていないように見えました。一幕最後でも「殺すわ!」ポーズはとっていなかったし。こういうのもいいですね。

・影の王国の第二ヴァリは、先日の白鳥でスペイン王女を踊ったチホミロワ。やっぱり今回も素晴らしかった!

・客席にフィーリンさんがいました。席位置は私の所からは見えなかったけれど、休憩が終わる直前にあのサングラスで客席内の通路を歩かれていたので目立っていて、4階席からでもすぐにわかりました。あと、マラーホフも(こちらは私は見ていませんが)。マラーホフは20日のオーチャードにも来ていたけど、えっと、、、どうしてなのだろう?単純に鑑賞・・?

・改修を終えた東京文化会館は、全然変わっていませんでした。歌舞伎座みたいにエスカレーターをつけるには、建て替えくらいしないと無理なのかな。おばあさんになったらバレエ観にこられないじゃない・・・泣。あと、あの恐怖の4&5階一列目に手摺を作ってほしかったです・・・。



白鳥についてグリゴロさんが詳細に解説してるとのことで、買いました!
・・・読んでも理解できなかった^^; 
ロットバルトは運命で、運命は意地悪っていうことはわかった。私が感じた印象と大きく離れていないこともわかった。
けど、やっぱり完全には理解できない
でも、あの演出は好き!


今夜はこれから、クリサノワ&ロブーヒンのドンキに行ってきます!私のボリショイ祭りのラスト!

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