I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin, but by the content of their character.
私には夢がある。それは、いつの日か、私の4人の幼い子どもたちが、肌の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むという夢である。
(Washington, D.C., Autust 28, 1963)
肌の色で差別を受けてきた黒人の人達が今は黄色人種を差別する、という現状は非常に悲しいことです。
その裏には単純ではない事情や感情もあるのでしょう。
しかし、本人には全く謂れのない理由で他者から差別をされる痛みを誰よりも知っているのは、彼らではないのでしょうか。
それともその痛みは自分達だけの特別なもので、黄色人種は別だとでもいうのでしょうか。
キング牧師が命をかけて訴えたかったこと、変えたかったこと、行きたかった「約束の地」は、そんなものではなかったはずです。
また、黄色人種の間でも、同じ話です。
問題は、肌の色だけではありません。
「人格そのものによって評価される」、そんな世界に住むことが私の夢です。
※和訳はこちら(アメリカ大使館のサイト)
Martin Luther King - I Have A Dream
One day we will have to stand before the God of history, and we will talk in terms of things we've done. ……It seems I can hear the God of history saying, "That was not enough! But I was hungry, and ye fed me not. …
(Washington, D.C., August 28, 1963)
二十世紀が終わる頃、TVでは激動の100年を振り返る番組がいくつも放送されていました。
なかでも特に秀逸だったのが、1995年にNHKが作成したドキュメンタリー『映像の世紀』。
私がキング牧師の最後のスピーチを初めて見たのは、このドキュメンタリーででした。
あのときTVから受けた衝撃は、今も忘れられません。
有名な"I have a dream"の映像は何度も見たことがありましたが、この映像を見たのはそのときが初めてでした。
キング牧師の1968年4月3日、暗殺される前日の演説です。
なんという表情でしょう。
なんという説得力でしょう。
演説を終えた後の、すべてを言い切ったというような、生き切ったというような、そんな姿も印象的でした。
キング牧師はこのとき39歳。
初めてこの映像を観てから18年。いつのまにか私もキング牧師の亡くなった歳に近づいてしまいました。
彼がその短い人生で成し遂げたことの重みを思うと、今の自分と比べて溜息が出ます。。。
アカデミー賞で映画『リンカーン』が話題になっているニュースを読み、久しぶりにこの映像を見たくなりyoutubeで検索したところ出てきたので、皆さんにも。
リンカーン。南北戦争の裏にあった事情は決して奴隷解放の綺麗事だけではなかったと言われていますが、そのあたりの部分が映画の中でどう描かれているかも、楽しみです。
※『映像の世紀』はNHKオンデマンドで観ることができます。ご興味のある方はぜひ。
Martin Luther King's Last Speech: "I've Been To The Mountaintop"
We've got some difficult days ahead. But it doesn't really matter with me now. Because I've been to the mountaintop. I don't mind.
Like anybody, I would like to live - a long life; longevity has its place.
But I'm not concerned about that now.
I just want to do God's will. And He's allowed me to go up to the mountain.
And I've looked over. And I've seen the Promised Land.
I may not get there with you. But I want you to know tonight, that we, as a people, will get to the Promised Land. So I'm happy, tonight.
I'm not worried about anything. I'm not fearing any man.
Mine eyes have seen the glory of the coming of the Lord.
前途に困難な日々が待っています。でも、もうどうでもよいのです。私は山の頂上に登ってきたのだから。
皆さんと同じように、私も長生きがしたい。
長生きをするのも悪くないが、今の私にはどうでもいいのです。
神の意志を実現したいだけです。
神は私が山に登るのを許され、
私は頂上から約束の地を見たのです。
私は皆さんと一緒に行けないかもしれないが、
ひとつの民として私たちはきっと約束の地に到達するでしょう。
今夜、私は幸せです。心配も恐れも何もない。
神の再臨の栄光をこの目でみたのですから。
(April 3, 1968, at the Mason Temple in Memphis, Tennessee)